ふるさと納税は、地方自治体に寄附をするとさまざまな特産品がもらえて、税金も戻ってくる(控除される)お得な制度。
そこでよく耳にするのが「還付金はいくらぐらい?」というギモン。そこで、税金の控除について、ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんに仕組みや計算方法を教えてもらいました。

ふるさと納税の仕組み

そもそも、ふるさと納税とは、好きな自治体・応援したい自治体に寄附をすると、自己負担額の2,000円を引いた全額が、税金(住民税・所得税)から控除される制度。
さらに、寄付をした自治体からお礼として地域の特産品などがもらえるところが大きな魅力となっています。
ふるさと納税の基本については下記の記事に詳しくまとめていますので、ご覧ください。
https://kurashinista.jp/column/detail/3746

還付されるのは所得税のみ、住民税は控除される

先にも述べた通り、ふるさと納税で寄附をすると、寄附金のうち自己負担金2,000円を除いた額が所得税と住民税から控除されます。
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ふるさと納税寄附金額=所得税からの控除+住民税からの控除(基本分)+住民税からの控除(特例分)+自己負担金2,000円
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とはいえ、控除された分はすべて還付金として現金で戻ってくるわけではありません。
還付されるのは所得税の控除のみ。住民税は翌年度の住民税を安くする形で控除されます。

【出典】総務省ふるさと納税ポータルサイト「税金のしくみ 税金の控除について」より

それでは、2万円をふるさと納税した場合の所得税と住民税の控除額を計算してみます。
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●所得税からの控除(還付) = (ふるさと納税額−2,000円)×「所得税の税率」
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所得税率10%の人が2万円を寄附したら、所得税からの控除は(20,000円−2,000円)×10%で1,800円となります。
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所得税の税率は、所得金額によって異なります。以下の表を参照してください。

ただし、ふるさと納税の寄付金額が多く、所得税率が高かったとしても、所得税の控除は総所得金額の40%が上限です。
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「あれ?還付金って意外と少ない?」と思った人もいるかもしれません。
実は、ふるさと納税の税金の控除の多くは、住民税からの控除なのです。ただし、住民税は還付金として戻ってくるわけではなく、本来、住んでいる自治体へ支払うべき税金が、その分だけ少なくなる仕組みです。
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住民税からの控除については、基本分と特例分に分けて算出されます。
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●住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額−2,000円)×10%
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2万円寄附した場合は、1,800円です。なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。
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●住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額−2,000円)×(100%−10%(基本分)−所得税の税率)
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2万円寄附した場合は、14,400円です。住民税からの控除の特例分は、住民税所得割額の2割を超えない場合はこの計算式になります。
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つまり、2万円寄附した場合の合計の税控除額は、1,800円+1,800円+14,400円=18,000円ということ。

ワンストップ特例制度では所得税は還付されない

寄附先の自治体が5つ以内なら確定申告をする必要がない「ワンストップ特例制度」。
会社員などでこちらを利用した場合は、所得税の還付はありません。
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「ワンストップ特例制度を使った場合、もちろん減税にはなりますが住民税の控除のみ。確定申告をするときのように所得税は還付されません。その分、住民税の減税分に反映されるので、どちらの方法でも控除の総額は同じです」と中村さん。

所得税の還付金が振り込まれるタイミングは?

所得税からの還付があるのは、確定申告をしてから約1か月後になります。早めに確定申告したら2週間程度で還付金を受け取れたという話も聞きます。確定申告の締め切り3月15日ぎりぎりに提出する人が多いので、比較的空いている早めに出すことですぐに対応してくれるのかもしれません。

還付金の振込を確認する方法

所得税分の還付が振り込まれたことの確認には、還付される金額が表記された「国税還付金振込通知書」というハガキが届くのでいくら還付があったか分かります。

住民税の減税はどうすればわかるの?


一方、先ほど説明したように住民税は所得税のように実際に戻ってくることはありません。
その代わりに、翌年6月から控除されて減額になります。
給与所得者の場合は、ご自分やご主人の給与明細書を見てみてください。

住民税が少し減額され、差引支給額つまり手取りが増えます。ふるさと納税による控除は6月から適用されるので、5月までと6月からの住民税の金額に差がありますので要注目!
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また自営業者やフリーランスの場合は、「住民税課税決定通知書」という通知が届くのでそれを確認してみると分かります。

市民税(東京在住なら「区民税」)と県民税(東京在住なら「都民税」)のそれぞれにある「税額控除額⑤」を合計した額が低くなります。
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たとえほんの一部であっても、税金から還付金として現金が戻ってくるのはうれしいですよね。多くは住民税が安くなるという形で控除されると覚えておきましょう。
これで、ふるさと納税についていっそう理解が深まったと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!
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【監修者プロフィール】
­中村芳子◎ファイナンシャルプランナー。有限会社 アルファアンドアソシエイツ 代表取締役。家計診断や、複雑な金融や保険をわかりやすく解説する記事や講演に定評がある。女性向けの個人マネー相談も人気。『いま、働く女子がやっておくべきお金のこと』(青春出版社)、『結婚したら、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)などお金に関する著書も多数。
中村さんのサイト『いま、やっておくべきお金のこと』はこちら

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取材・文/長沼良和
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