その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。

今回は、全く見当のつかないこちらから。

馬、ですか。馬はそりゃ頭は大きいでしょう、というか馬ヅラといえば顔の長い人のことですよね?


「呼んだ?」

でも「馬」なんて動物の漢字が使われていても、全然関係ないものの名前だったりするのが難読漢字のセオリー。ということは?なんて深読みしてしまいますが、今回の漢字は動物に近い生き物系です。

シーズンということもあり、最近見かけたという方も多いかもしれません。ヒントは「蜻蛉」の一種で日本最大の「蜻蛉」です。さあこの漢字もなんて読みますかね。

形状は胸板厚く、下半身は細く、ヘルメットをかぶったような頭にサングラス(?)をかけています。

どうですか? 何かはわかったけれどもその名前を知らない? 男子を持つお母さんなら一度は捕まえたこともあるはず…

 

正解は…

【馬大頭=オニヤンマ】です。

ちなみに先ほどの「蜻蛉」は「トンボ」。オニヤンマには「鬼蜻」の漢字が当てられることもあるそうです。

どうしてこの漢字が当てられたのか?  確かな答えは得られませんでしたが、江戸時代の終わりに日本で研究をしていた、ドイツ人の医師であり博物学者のシーボルトに敬意を評して、オニヤンマの学名には「シーボルト」の名がついています。

もしかしたらこのシーボルトが当て字の名付け親?などと想像は膨らみますね。


では、二問目です。


「あん・やまこ」さんではありませんよ。

「案山=山の中の平らな場所」という中国語に由来しています。何かをよけるためのものですが、一時期これをCDで代用するという方法が流行りましたね。

最近はやけにおしゃれな「案山子」も登場していますが、顔は相変わらずへのへのもへじが多いかな…

一問目に出てきたトンボが夕日をバックにスイースイーと飛んでいる脇で「案山子」はポツンと一人たたずんでいます。

さあ、もうわかりましたね?


正解は…

【案山子=かかし】です。

「案山」と同様「子」も中国語から来た言葉で、人形を表すのだそうです。「田んぼの中に立っている人形」という意味でこう呼ばれたのではないかという説が有力です。

また、かかしと読む漢字には「鹿驚」と書くものもあります。田んぼに害鳥や動物が近づかないようにするものなので、「鹿が驚く」と書くこの当て字は納得ですね。

この「案山子」さん、日本の田んぼだけでなく、世界中で活躍しています。

アメリカのファンタジー小説「オズの魔法使い」には、主人公の仲間として登場。案山子は英語で「scarecrow」と言いますが、怖がらせるという意味の「scare」と「crow=カラス」を組み合わせたわかりやすい言葉。これは先ほどの「鹿驚」的な構造ですね。

それではまた次回をお楽しみに…


文/伊波裕子

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