蒸留酒にはどんなものがあるか知っていますか?身近な焼酎やウイスキー、ウォッカなどがその仲間です。蒸留酒の特徴やどんな飲み方がおいしいのかなど、蒸留酒についてのあれこれをまとめてみました。

蒸留酒とは?

日本で販売されているお酒は、製造方法によって「蒸留酒」、「醸造酒」、「混成酒」の3種類に分けられています。

穀物や果物を酵母によってアルコール発酵させ、ろ過などを経て造ったお酒が醸造酒で、その醸造酒をさらに蒸留させて作るのが蒸留酒。
また混成酒とは、それらのお酒に果実や香料などを加えたお酒のことです。お菓子などに使うリキュールや梅酒もこのグループです。

・蒸留酒の特徴

蒸留酒は、醸造酒を加熱してアルコールを気化させ、その蒸気を冷やして液体にする方法で作られています。アルコールは水よりも沸点が低いため、蒸留されたものは、アルコール分の高い液体になるというわけです。そのため蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高くなります。

たとえばホップなしのビールを蒸留したものがウイスキー、ワインを蒸留したものがブランデー、日本酒を蒸留したものが米焼酎です。このほかにも、ウォッカやジン、ラム、テキーラ、泡盛などが蒸留酒です。

・醸造酒の特徴

醸造酒とは、果実や穀物を酵母の働きによりアルコール発酵させたもので、蒸留酒に比べてアルコール度数は低くなります。代表的な醸造酒には、米が原料の日本酒、大麦が原料のビール、ブドウが原料のワインなどがあります。

・混成酒の特徴

混成酒は、醸造酒や蒸留酒に植物の種子や果実などを混ぜて蒸留したり浸漬(浸すこと)したりし、香りや糖分を添加したお酒です。
梅酒、リキュール、ベルモットなどが代表的な混成種です。アルコール度数はベースとなるお酒によりますが、梅酒は8〜20度、リキュールは15〜55度程度です。

蒸留酒のカロリーは?

気になるお酒のカロリーを比較してみましょう。「蒸留酒は太らない」などとよく言われますが、それは糖分が含まれないということで、カロリーはしっかりあります。

【蒸留酒】
焼酎(90ml)……131kcal
ウイスキー(シングル1杯)……71kcal
ブランデー(シングル1杯)……71kcal
テキーラ(1ショット)……64kcal

【醸造酒】
ビール(500ml)……200cal
日本酒(1合=180ml)……196kcal
ワイン(グラス1杯)……87kcal

蒸留酒の中で焼酎はやや高め、醸造酒の中ではワインがやや低めになりますが、傾向としては蒸留酒のほうがカロリーは抑えめです。

蒸留酒の歴史について知りたい!

「蒸留酒」がいつから製造されるようになったかという、蒸留酒の歴史については、未だに解明されていないところが多いようです。
それでも紀元前3000年頃、メソポタミア文明華やかな現在のイラクあたりでは、アルコールの蒸留がすでに行われていたといいます。

その後、蒸留酒を作る技術はヨーロッパ各地へと伝えられ、お酒の世界に大きな変革をもたらし、アルコール度数のより高い蒸留酒がつくられることになりました。

原料についても、ヨーロッパ各地で独自の工夫がなされ、その土地ごとの原料を使った「蒸留酒文化」が花開きます。
フランスのブランデー、ロシアのウォッカ、スコットランドやアイルランドのウィスキーなど、今も飲み継がれ、愛される蒸留酒も生まれました。

蒸留酒を作る技術はその後東南アジアにも伝わり、中国で作られる、アルコール度数50度以上の「白酒=パイチュウ」なども誕生。中国に蒸留酒が伝わったのが13世紀ごろで、ここから日本へと伝わった蒸留技術により、焼酎が生まれたのです。

蒸留酒の種類について知りたい!

蒸留酒には、日本ではおなじみの焼酎や、世界的に飲まれているウイスキーをはじめとして、様々な種類があります。ウォッカやブランデー、テキーラやラムなど、強いと言われるお酒は全て蒸留酒。バーなどでカクテルのベースになるものが多く、なじみがありますよね。

・焼酎

焼酎は、日本を代表する蒸留酒。原料となる穀物は、米・芋・麦・黒糖・そば・しそなど幅広く、価格も手頃なものから高級路線まで様々なものがあります。
大分、鹿児島、宮崎、熊本と、九州での製造が盛んですが、岩手の麦焼酎や秋田の米焼酎など、東北産の焼酎も健闘しています。

・ウイスキー

ウイスキーは大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とし、蒸留後に木樽で熟成させて製造されます。
世界の5大ウイスキーは、日本、アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダで生産されたもので、これらの国々では、それぞれ独自の風土に合わせた製法を発展させ、個性的なウイスキーを生み出しています。

原料によって、大麦麦芽のみを原料とするものをモルトウイスキー、トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物に大麦麦芽を加えたものをグレーンウイスキー、ライ麦を主原料とするものをライウイスキーと分類されます。

・ウォッカ

冷凍庫に入れても凍らないウォッカは、強い蒸留酒の代名詞ではないでしょうか。
大麦、小麦、ライ麦、じゃがいもなどの穀物を原料とし、白樺の炭で濾過して製造されるという、北の大地を思い起こさせるお酒。ロシアなど旧ソ連圏や北欧圏でさかんに製造されています。

アルコール度数は平均40度とかなり高めで、寒い地域で親しまれているお酒ですが、クセがないのでカクテルのベースとしても幅広く使われています。

ちなみに世界一アルコール度数が高いお酒もこのウォッカの仲間。ポーランド産のウォッカ「スピリタス」ですが、アルコール度数は96度といいますから驚きですね。

・ブランデー

ブランデーは、果実酒から造られた蒸留酒の総称で、主に白ワインを蒸留して樽に入れ、熟成して作ります。
熟成期間は5〜8年のものが多いですが、25年以上の熟成させるタイプもあります。アルコール度数は40度〜50度と高め。

りんごから作るアップルブランデーやさくらんぼから作るチェリーブランデーなど、原料となる果実によって風味も異なり、色々試すのも楽しいものです。

フランス産のブランデーは世界的に有名で、認証を受けたものだけが「コニャック」や「アルマニャック」と名乗ることができ、それ以外はフレンチブランデーと呼ばれます。

・テキーラ

テキーラはアガヴェ(竜舌蘭)という多肉植物を原料とする蒸留酒です。メキシコでつくられていますが、産地、原料、製法など、テキーラ規制委員会が決めた基準を満たすものだけがテキーラと呼ばれます。アガヴェ100%でつくられたものは、プレミアムテキーラと呼ばれ、高品質で高級なテキーラです。

テキーラのアルコール度数は40度程度と高いので、一気に飲むのは産地のメキシコでも推奨されておらず、食後になめるように少しずつ味わうものだと言われています。

・ラム

ラムはもともと、砂糖を製造する際の副産物でした。さとうきびの絞り汁を煮詰めて発酵させ、蒸留して作られるお酒です。豊かな香りと深みのある味わいで、カクテルのベースや、お菓子作りによく使われます。

透明のホワイト・ラム、茶褐色のダーク・ラムなど、産地や製法によってさまざまなタイプがありますが、その発祥の地はカリブ海の島々だと言われています。
カクテルに使われる場合は、その色合いによって、ホワイト・ラム、ダーク・ラムが使い分られます。

蒸留酒のおすすめの飲み方が知りたい!

蒸留酒の中でも、クセのないウォッカなどはカクテルにもってこいですね。また、独特の風味を味わうウイスキーやテキーラなどは、そのまま飲む方が楽しめるでしょう。
ストレート、ロック、水割りと、蒸留酒の飲み方についてまとめてみました。

・ストレート

蒸留酒はどれもアルコール度数が高いので、ストレートの場合も、グイグイではなく、ゆっくりと舐めるように飲むのがおすすめです。
口直し用の水と交互に飲むことで、酔いのペースを遅くし、体への負担を軽減することもできるでしょう。

・ロック

お酒に氷を入れて飲むおなじみの飲み方ですが、おいしく飲むポイントは、氷。バーなどでウイスキーを飲む際、大きく角がない、丸い氷が使われてるのを見ることがあるでしょう。できるだけ大きく、溶けにくい氷を使うのが、ロックをおいしくいただくコツなんです。

・水割り

氷を入れたグラスにお酒と水を注いで飲む水割り。グラスにたっぷりの氷を入れ、蒸留酒と水を適量注ぎます。マドラーでかき混ぜ全体をしっかり冷やしまていただきしょう。水割りを作る時は、ヨーロッパ産などの硬水のミネラルウォーターを使うと、よりおいしい水割りが作れます。

・お湯割り

焼酎で人気の飲み方ですね。焼酎の本場、九州では、湯呑みにまずお湯を注いでから、適量の焼酎を入れるのが通(つう)と言われているそうです。香りが立ち上り、よりおいしくいただけます。
ウィスキーもこの飲み方をする人は増えてきているそう。体を芯から温めてくれるこの飲み方は、冷え性の女性にも良さそうですね。

・ソーダ割り

ウイスキーをソーダで割ると、おなじみのハイボールに。ウォッカやジンなどにもおすすめの、さっぱりとした、夏にぴったりな飲み方です。

まとめ

アルコール度数が世界最高のポーランド産ウォッカ「スピリタス」を含む、いかにも強そうなお酒の揃った蒸留酒の世界。少量でサクッと酔えるという、長所なのか欠点なのかわからない魅惑のお酒に、はまりすぎない程度にはまってみるのも楽しいかもしれません。

文/伊波裕子