忘年会シーズンとなる12月は、同時に飲酒運転を発端とする交通事故が増加傾向になります。では、飲酒後どれほど時間が経過すれば運転しても問題ないのでしょうか。

発覚すれば重い罰則が。運転しても良い「完全で安全」なタイミングは?

 毎年12月は、忘年会シーズンとなります。そのため、つい飲みすぎてしまい、お酒が翌朝に残る人も少なくありません。また、飲酒運転を発端とする交通トラブルや事故が増加する時期でもあります。

 その対策として、飲酒運転に対する取り締まりが強化されます。では、飲酒後どれほど時間が経過すれば運転しても問題ないのでしょうか。

 飲酒運転は道路交通法第65条第1項にて「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されています。クルマやオートバイ、原付だけでなく、軽車両である自転車にも適用され、飲酒運転には、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」という2種類の規定があります。

 酒気帯び運転とは、アルコール検知器によって「呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」で運転していた場合に適用されます。

 0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満であれば、違反点数は13点で3年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらに90日間の免許停止です。

 0.25ミリグラム以上であれば違反点数は25点、3年以下の懲役または50万円以下の罰金のほか、免許は取消しとなり、2年間の欠格期間となります。

 もうひとつの酒酔い運転とは、測定時にアルコール濃度が基準値以下であっても適用される可能性があります。「ろれつが回らず正常な会話ができない」、「足元がふらついてまっすぐ歩けない」など、正常な運転ができていないと判断された場合は酒酔い運転とされ、違反点数は35点、5年以下の懲役または100万円以下の罰金のほか、免許は取消しとなり、3年の欠格期間です。

 以上のように、飲酒運転で取り締まりを受けた場合、最低でも免許停止、最悪の場合は3年間も免許が再取得できなくなります。

 では、飲酒運転にならないためには、どれほどの時間が経てば体内からアルコールが抜け、正常な運転が可能となるのでしょうか。

 結論からいえば、アルコール分解能力は個人差があるうえに、その日の体調や睡眠時間などの影響も受けるため、明確な答えはありません。

 一般的な基準としては、体重が60kgから70kgの人がアルコール度数5%のビール1本(500ml)飲酒した場合、アルコール分解時間は3時間から4時間といわれています。

 また、アルコールが抜ける時間の計算方法として「体重(kg)×0.1=1時間に分解できるアルコール量(g)」という式があり、アルコールは90%が肝臓で代謝されるため、体重が重い人ほどアルコールの分解速度が速いようです。

 しかし、以上の基準はあくまで「参考値」です。性別や体格、体質によってアルコール分解能力は異なるため、参考値として覚えておくのにとどめましょう。

 なお、入浴や運動をして汗をかけばアルコールが抜けるという意見もありますが、公益社団法人アルコール健康医学協会は以下のように述べています。

「アルコールは肝臓で約90%代謝され、残りの約10%は呼気や汗、尿として排出されますが、この割合は入浴や運動をしても変わりません。

 たくさん汗をかいたからといって、10%以上のアルコールが汗として排出されることはないため、アルコールの代謝は待つしかありません。したがって、お酒を飲み過ぎた翌日は運転してはいけません」

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 体内のアルコール分解に詳しい医療関係者は、以下のように話します。

「たとえば、日本酒1合あたり3時間から4時間で分解されると医学的にはいわれていますが、個人差や体調によっては2倍から3倍の時間がかかる場合もあります。飲酒後は、最低24時間は運転を控えてください」

 飲酒運転は、自分だけでなく誰かの人生も台無しにする可能性を潜めた危険行為です。アルコールが分解される完全で安全な時間は「最低24時間」と認識し、その間の運転は控えてください。

飲酒運転が発覚すると、同乗者や車両・酒類を提供した人にも罰則が?

 飲酒運転が発覚した場合、飲酒をしている本人だけではなく、周囲の人間にも罰則が課せられてしまいます。

 道路交通法第65条「酒気帯び運転等の禁止」の第2から4項には、以下のような記載があります。

 第2項「何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない」

 第3項「何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」

 第4項「何人も、車両(トロリーバス及び道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。

 以下この項、第117条の2の2第6号及び第117条の3の2第3号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運送して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第1項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない」

 つまり、車両を提供した人、酒を提供したり飲酒を勧めた人、酔った人に運転を頼んだ人、などに罰則が適用されます。

 罰則の内容について、車両提供者は運転者と同じとなります。運転者が、酒酔い運転の場合は5年以下の懲役または100万円以下の罰金、酒気帯び運転の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金と、重い罰則が課せられます。

 同乗者または酒類の提供者は、運転者が、酒酔い運転の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、酒気帯び運転の場合は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられます。

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 これらの運転手以外の処分については、「運転者の飲酒状態」により決定されるため、自らの飲酒状態は関係がありません。

 飲酒した状態では、運転を「しない」だけでなく、「させない」のどちらも心がけるようにしましょう。