台風が接近したり大雨が降るときは、事前の備えが必要です。豪雨や強風のなかで運転するときには、どのようなところに注意したらよいのでしょうか。

大雨の前に確認したいクルマのメンテナンスとは

 日本の近海では毎年10個から30個前後の台風が発生し、そのうちの約半数が日本列島に接近・上陸します。台風の発生がもっとも多いのは8月で、2018年は7個の台風が日本へ接近。2019年も、現在接近中の台風10号を加えると、5つの台風が8月半ばまでに日本に接近しています。

 台風を前に準備すべきことや心得ておくべきこととは、どんなことなのでしょうか。

●ワイパー点検、内窓の汚れ、油膜をとっておく

 雨が降ったときにクルマで使うものといえば、ワイパーです。ワイパーのゴムが劣化していると、ビビり音が出たり、拭き残しで視界が悪くなるだけではなく、ドライバーにとってもストレスになります。

 ワイパーのブレード(窓に直接あたる黒いゴムの部分)は2本セットで1000円から3000円程度で購入可能。一般タイプに比べて少し高めになりますが、撥水コートタイプは水を弾いて良好な視界を確保してくれます。

 また、内窓(フロントガラスの室内側)が汚れてうっすら白く曇った状態も要チェックです。この部分が汚いと湿気による曇りもひどくなり、エアコンを使っても曇りが晴れにくくなります。

 なお、内窓の汚れを落とすには泡タイプのガラス洗浄剤は避け(汚れを塗り広げてしまいます)、硬く絞った濡れタオルかアルコール系の洗浄剤がオススメです。

 油膜の除去もやっておきましょう。油膜は専用の油膜取り剤を使って落としますが、肝心なのは最後の仕上げです。洗濯後の乾いたタオルではなく、油分が一切入っていないペーパータオルを使って拭き上げると油膜の完璧な除去が望めます。

●大雨・洪水警報が出そうなときはクルマを高台に避難させる、ガレージ周りも要チェック

 台風による大雨が洪水を引き起こしたり、台風や発達した低気圧の接近によって沿岸部では高潮の被害が出たりする場合もあります。高潮は満潮時刻と重なると、さらに甚大な被害を及ぼす危険もあります。

 まず確認したいのは、台風による強風でクルマを傷つけるものが周りにないか、風であおられやすいパネルやボード類、工具類、オイル缶などが駐車場に転がっていないか、自車への影響はもちろん、周囲のクルマに傷をつける危険はないかなどをよく考えて、荷物や道具類、ごみを整理しておきましょう。

 またガレージの屋根が破損していると、強風で屋根がはがれて周囲のクルマや家屋を傷つける危険があります。強風になる前に修理しておきましょう。

 クルマが浸水したり冠水したりする被害は、なかなか予測できるものではありません。予想以上の大雨が降ると、高台へ避難することが難しい場合もあります。

 万が一に備えて、クルマのなかにある貴重品などは(免許証を車内に置いている人も注意)、クルマから出して自宅に置いておきましょう。

クルマが浸水したらどうする?

●浸水の被害に遭わない走り方を知っておく

 大雨や台風時は不要不急の外出を控えるべきではありますが、どうしてもクルマで出かけなくてはならないときには、以下のことに気を付けてください。

・乗用車が走行可能な水深は、床面が水に浸からない程度。タイヤの半分くらいまでの高さ以下ならほぼ大丈夫でしょう。

・高架下や立体交差点のアンダーパスなど、低い場所を走らない。スリバチ状の道路にできた冠水路には進入せず、後方を確認しながらバックで引き返しましょう。クルマが水没してドアが開けられず、脱出不可能となり溺死する例も年間数件発生しています。

・車内に水が入ってきたら即座にエンジンを止め、クルマを置いて安全を最優先に避難経路を考えましょう。

・運転に不安がある場合は無理をせず、安全な場所に停車して雨が通り過ぎるのを待ちましょう。

・万が一、冠水した道路に入ってしまったら極力速度を落として慎重に走行します。速度が速いとタイヤが巻上げる水の量が増え、エンジンに水が入りやすくなります。

●強風ではドアを開けるときに注意

 強風のときに意外に多いのが、ドア開閉時の事故です。急激に風が強くなっているようなとき、とくに、普段運転をする機会がない高齢者や子どもが乗る後部座席のドアの開閉は要注意です。

 強風でドアが勢いよく開いた場合、ドアを抑える力が足らなかったり、間に合わなかったりして隣のクルマにぶつかってしまうことがあります。

 また、普段ミニバンなどスライドドアのクルマに慣れている、よその家のお子さんを乗せる場合は、さらに要注意。ドアが隣のクルマに当たったら何万円もの修理代がかかってしまうということが、予測できない場合もあります。

 ちなみに、筆者(加藤久美子)の知人も、後部座席に中高生の子ども二人を乗せて出かけた際、強風が原因の思わぬ事故に遭遇しました。

 目的地に着いて二人同時に左右のドアを開けたのですが、いきなりの強風で対処ができず、それぞれ隣のクルマにドアが勢いよくぶつかってしまいました。

 けが人はいませんでしたが、そのとき契約していた自動車保険では、2事故にカウントされたため、修理代は25万円(2台分)で6等級ダウンしたといいます。

 強風でドアが煽られて隣のクルマに衝突という事故は大変多いので、ドアを開ける際にはドライバーが下りて外から開けることをオススメします。

 強風といえば、トンネル出口や橋を走行する際の突風にも注意しましょう。ゆっくりした速度で走行するか、ミニバンや軽ハイトワゴンなど車高が高くて横風の影響を受けやすいクルマは、風の影響を受けない場所で天候が落ち着くまで待機することも考えましょう。