1968年登場の「トヨペット コロナマークII」から続く「マークX」が生産終了となりました。上級志向のセダンだったマークIIから、スポーツセダンのイメージのある現在のマークXまで、どう変化したのでしょうか。

常にワンランク上を求めるユーザーに愛され続けたセダン

 マイカーの需要が高まった1960年代後半に、ユーザーニーズが高級志向にシフトしはじめたことから、1968年にトヨタは「コロナ」の上級車種である「トヨペット コロナマークII」を発売。

 誕生以来、国内で多くの販売実績を持つ「マークII」は、後継車である「マークX」も含め、スポーティさと上質さを合わせ持つトヨタのプレミアムダンとして人気を博してきました。

 そこで、常に上級を求めるユーザーに対して発売された初代マークIIと、最終モデルとなったマークXを紹介します。

●贅沢さを味わうために生まれた「トヨペット コロナマークII」

 1960年代後半のマイカー需要の高まりから、クルマに対するニーズも多様化します。

「もう少し大きく」や「もう少しカッコ良く」、「もう少し贅沢に」などのリクエストにトヨタが応え、1968年に登場したのが、人気車種の「コロナ」を少し贅沢にした「トヨペット コロナマークII」でした。

 それまでのコロナに近い価格のベーシックなグレードから、当時としては珍しかったパワーウインドウを備えたモデルまで幅広く用意され、「クラウン」のような贅沢な装備の上級車を身近にします。

 また、1969年には最高出力140馬力を誇る1.9リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する2ドアハードトップ「トヨペット コロナマークII 1900GSS」が発売。

 コロナをベースにDOHCエンジンを搭載した2ドアハードトップが、「トヨタ1600GT」と名付けられていましたが、マークII 1900GSSはその後継車だといわれたほどスポーティで、ワンランク上の車格だけでなく速さを求めるユーザーに愛されました。

●トヨタ最後のFRスポーツセダン「マークX」

 スポーティさと上質さを併せ持つ、トヨタの高級セダン「マークX」は「マークII」の後継車として2004年に発売されました。

 現在では数少ないFR駆動のセダンとしての本質を原点から追求したクルマで、最終モデルではフロント54:リア46の理想的な重量バランスとすることで、FR特有の俊敏なハンドリングや卓越したコーナリング性能をさらにレベルアップさせました。

 コーナリングや高速域での優れたスタビリティを確保するために、タイヤを車両の中心からなるべく外側にレイアウトすることで、ワイドトレッドとロングホイールベースとしながらも、最小回転半径を5.2m(2WD車)に抑えるなど、日本の道路環境での扱いやすさにも配慮。

 搭載されたエンジンは、トップグレードで最高出力318馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒自然吸気を採用し、レスポンスが良くアクセルにリニアな加速感が得られ、スポーツドライビングに適したセッティングとなっています。

 また、質感の良い乗り心地と操舵時の正確性や手応えは、ヨーロッパのスポーティセダンにも劣らないと評されたほどです。

 しかし、セダン市場の低迷と、トヨタによる車種整理のため、2019年をもって生産を終了。すでに12月23日に最後の1台がラインオフしています。

 なお、マークIIの生産は累計で約651万8000台、マークXが約36万3500台でした。

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 マークIIは1980年代には「ハイソカーブーム」をけん引しました。まさにワンクラス上を目指したクルマづくりが、時代にマッチしていたということです。

 また、マークXも大人が乗るセダンとしてクラウンと違う年齢層のユーザーを狙いながら、プレミアムなイメージを作っていました。

 コロナマークIIからマークXに至る50年以上の長い歴史のなかで、絶えず進化していきましたが、コンセプトはブレることがなかったのかもしれません。