現在、1980年代から1990年代に発売された、いわゆる旧車といわれる日本車が、アメリカや日本でちょっとしたブームとなっています。なかでも高性能なモデルはとくに人気があり、価格が高騰している状況です。そこで、1990年代に発売された高性能車を5車種ピックアップして紹介します。

1990年代にデビューした高性能モデルたち

 昭和の終わりから平成にかけて、国産車の性能は飛躍的に向上しました。とくに1990年代にデビューした高性能モデルはいまも人気があります。

 このころの高性能モデルは、280馬力という自主規制があったものの走行性能や運動性能が急激に向上し、クルマからの介入がほとんど無いモデルもあったため、ドライバーの腕が試されました。

 しかし、そんな危うさも魅力なのかもしれません。そこで、1990年代に発売された高性能車を5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「スープラ」

 トヨタ「スープラ」は「セリカ」の上級モデルとして、1978年にアメリカでデビューしましたが、1986年に発売された3代目から日本でも販売され、セリカとは別れた独自のモデルとなりました。

 そして、1993年に登場した4代目となるスープラは、当時、トヨタのスーパースポーツモデルとして、世界中から注目されました。

 ボディは3ドアハッチバックで、ロングノーズで流麗なフォルムが特徴的なデサインです。

 トップグレードの「RZ」に搭載されたエンジンは、3リッター直列6気筒ツインターボエンジンで、最高出力280馬力を発揮し、トランスミッションは4速ATもしくは6速MTが組み合わされます。

 駆動方式はFRの2WDで、リアタイヤだけで280馬力のパワー路面に伝えるため、ドライバーは慎重なアクセルワークが要求されました。

 一方で、前後ダブルウイッシュボーンサスペンションの採用と、53:47というバランスの良い前後重量配分により、優れた旋回性能を発揮。

 また、スープラの特徴として印象深いのが、まるで戦闘機のようなコクピットで、オーナーのスポーツマインドを刺激します。

 4代目スープラは2002年に生産を終えます。その後、2019年に17年ぶりとなる復活をとげました。

●マツダ(アンフィニ)「RX-7」

 マツダのパワーユニットで高性能なものというと、やはりロータリーエンジンです。レシプロエンジンとは異なるロータリーエンジン独特のフィーリングはいまもファンを魅了しています。

 最後のロータリーエンジン搭載車は2003年に発売された「RX-8」ですが、より高性能なターボ付きモデルというと、1991年に発売されたアンフィニ「RX-7」が最後です。

 RX-7は国産車で最後のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルで、フロントからリアにいたる流麗かつ有機的なフォルムは、いまも色褪せない魅力があります。

 搭載された1.3リッター2ローターロータリーターボは、初期モデルで255馬力を発揮し、性能向上が繰り返され、1999年のマイナーチェンジで280馬力に到達。

 また、外板にアルミを多用した軽量なボディと、専用に開発された4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションにより、高いコーナリング性能を誇りました。

 2002年にRX-7の生産が終わり、RX-8が実質的な後継車となりますが、そのRX-8も2012年に生産を終了。その後ロータリーエンジンを搭載したモデルは登場していません。

●ホンダ「NSXタイプR」

 1980年代の終わりごろ、ホンダは世界に通用するスーパースポーツカーの開発をスタートし、1990年に初代「NSX」を発売しました。

 最高出力280馬力(MT車)を発揮する3リッターV型6気筒自然吸気エンジンを、世界初のオールアルミモノコックボディのリアミッドシップに搭載。

 車重1350kg(MT車)と軽量な車体で、高い走行性能を発揮するだけでなく、普段使いにもこなせる、それまでにないスーパーカーとなっていました。

 そして1992年に、日常よりもサーキット走行を重視した高性能バージョンの「NSXタイプR」が登場します。

 タイプRはベースモデルに対して部品の材質変更や、遮音材や制振材、快適装備の一部を削減することで120kgもの大幅な軽量化を実現。

 内装ではオーディオが撤去され、エアコンもオプション扱いとなり、シートも複合素材を使用したフルバケットタイプに交換されています。

 また、足まわりは専用にチューニングされ、ハードなスプリングを採用していたことから、街乗りには厳しいほどの乗り心地でした。

 なお、エンジンはピストンやコンロッドの重量バランスを合わせる程度で、スペックに変更はありません。

ライバル同士互いに切磋琢磨した高性能モデルとは!?

●三菱「ランサーエボリューション」

 初代「ランサーエボリューション」は 1992年に発売。これが後に「エボI」と呼ばれます。

 当初は、2500台の限定発売でしたが、予想以上の反響だったことから最終的には7600台を販売しました。

 ランサーエボリューションが開発された大きな目的は、WRC(世界ラリー選手権)参戦のためです。それまで「ギャランVR-4」で戦っていましたが、さらなる戦闘力のアップが求められ、より小型軽量なボディが必須となったからです。

 ベースとなったモデルは「ランサー1800GSR」で、専用設計された2リッター直列4気筒「4G63型」ターボエンジンを搭載。最高出力250馬力を誇り、フルタイム4WDシステムと相まって、加速性能は当時の市販車としては驚異的なものでした。

 しかし、急造されたことでシャシが熟成されておらず、旋回性能の評価は高くありませんでした。この経験が後に続く歴代ランサーエボリューションの進化の原動力になったといいます。

●スバル「インプレッサWRX STi」

 1992年にデビューしたスバル「インプレッサ」は世界戦略車としての役割を担い、同時に「レガシィRS」に代わってWRCで勝つ使命も与えられ、トップグレードには「WRX」の名前が付けられました。

 レガシィRSに搭載されていた240馬力を発揮する水平対向4気筒ターボ「EJ20型」エンジンをチューニングして、レガシィより80kgも軽いボディに搭載したことや、クロスレシオ化されたトランスミッションの採用で高い走行性能を持つクルマに変貌します。

 そして、1994年にはSTI(スバルテクニカインターナショナル)製のコンプリートカー「WRX STi」が登場。

 前後輪のトルク配分をドライバーが任意に調節出来る「DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)」を採用し、あらゆる路面に適したトラクションを得ることができました。

 1996年のマイナーチェンジでは、高回転高出力化が図られ最高出力280馬力に到達。その後も最大のライバルであるランサーエボリューションとの熾烈な開発合戦を繰り広げます。

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 1990年代といえば、トヨタ初代「プリウス」が登場しています。1997年の出来事ですが、このころはハイブリッド車がここまで普及するとは、まったく予想できませんでした。

 高性能車が多数出現したとともに、エコカーも飛躍的に進歩した時代でもあります。