近年、アメリカでは日産「スカイラインGT-R」をはじめ日本専売車が人気ですが、日米両方で販売しているモデルも、デザインや仕様をそれぞれで変えているケースもあります。そこで、国内とは微妙に異なる北米仕様の日本車を5車種ピックアップして紹介します。

USDMならではのスタイルがクール!

 現在、日産「スカイラインGT-R」や「フィガロ」、マツダ「AZ-1」など、日本国内専用で販売されていたクルマが、海外で人気となっています。

 これら日本専用のモデルを「JDM(Japan Domestic Market)」と呼び、数年前からアメリカを中心に注目され始めました。

 一方で、海外で売っている日本車には、国内で販売していないモデルや国内仕様とデザインや装備が大きく異なるモデルが存在します。

 そこで、北米仕様の珍しい日本車を5車種ピックアップして紹介します。

●日産「300ZX」

 1969年に発売された日産「フェアレディZ」は、北米ではダットサン「240Z」の名では販売され、スポーツカーとして異例の大ヒットを記録しました。

 1983年に3代目フェアレディZが発売されると、北米では1984年に「300ZX」として発売されます。

 外観は初代、2代目のイメージを受け継ぎながら一新し、エンジンは従来の直列6気筒の「L型」から、新世代のV型6気筒「VG型」に進化します。

 トップグレードは「300ZX TURBO」で、3リッターV型6気筒ターボエンジン「VG30ET型」を搭載。

 日本仕様よりもワイドなフロントフェンダーに、リアにはオーバーフェンダーが装着され、16インチホイールを標準装備しています。

 ほかにも外観の違いとして、ヘッドライトが異なりますが、これは当時のアメリカの法規で規定サイズのヘッドライトを使用しなければならず、日本仕様では横長の2灯式でしたが、北米仕様は幅の狭いヘッドライトと補助灯を組み合わせた4灯式でした。

●日産「セントラ SE-R」

 日産「セントラ」は北米版の「サニー」として販売されていましたが、現在は独立したモデルとなっています。今回紹介するセントラは1998年に発売された9代目サニーをベースに、前後のデザインを変更した、コンパクトセダンとなっています。

 日本仕様は直列4気筒1.8リッターから1.3リッターガソリンエンジンと、2.2リッターのディーゼルエンジンを搭載し(最終型では1.5リッターと1.3リッターガソリンエンジンのみ)、前期型のスポーティグレード「VZ-R」以外は比較的年配のユーザー多い印象でした。

 一方で、北米仕様には高性能版の「セントラ SE-R」があり、2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。最高出力は167馬力を誇り、車重1.1トンほどのボディには強力なパワーで人気となります。

 さらに、「セントラ SE-R Spec V」では176馬力にパワーアップして6速MTが搭載され、オプションでブレンボ製フロントブレーキキャリパーを選べるなど、スポーツセダンとして仕立てられていました。

●アキュラ「インテグラタイプR」

 1993年に発売されたホンダ3代目「インテグラ」は、北米でもアキュラ「インテグラ」として販売されていました。

 日本仕様は発売当初、独立した丸型プロジェクター4灯式ヘッドライトのフロントフェイスでしたが、不評だったため、1995年のマイナーチェンジで国内仕様は横長の一体薄型ヘッドライトに変更されました。

 北米仕様は好評だったためか、4灯式ヘッドライトのままで販売されます。

 そして、「NSXタイプR」で高い評価を得た「タイプR」をインテグラにも展開し、究極のFFスポーツモデルを目指した「インテグラタイプR」が登場。

 エンジンは最高出力200馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒を搭載し、40kgもの軽量化と高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツの装着、専用16インチアルミホイール、レカロ製シート装着など、ホンダのレーシングスピリッツを象徴する1台でした。

 北米でもインテグラタイプRは発売されましたが台数はわずかで、フロントフェイスの違い以外にエアバッグが装着されているのなど細かな仕様が日本と異なっています。

かつてレガシィのトラックがあった!?

●サイオン「xB」

 サイオンは、かつてトヨタが北米で展開していたブランドで、取り扱う車種は、主に若い世代に向けたモデルをラインナップ。たとえば「86」はサイオン「FR-S」として販売されました。

 このサイオンブランドではコンパクトカーの「bB」が販売され、車名は「xB」となって、初代は2004年に発売されています。

 初代xBはbBとグリル以外はほぼ同じ外観で、内装はフロントシートがセパレートでフロアシフトとなるなど、大きく異なっていました。

 そして、xBは2007年に2代目にモデルチェンジしますが、今度は日本の「カローラルミオン」と兄弟車になります。

 ベースのカローラルミオンに対しフロントフェイスが大きく変更されリアバンパーも大型になり、エンジンも日本仕様は1.8リッターと1.5リッターでしたが、xBには2.4リッターエンジンが搭載されました

 サイオンではほかにも「イスト」や「iQ」も販売されて、2016年にトヨタブランドに統合されるかたちで、廃止となりました。

●スバル「バハ」

 スバル「レガシィ」は1989年に発売され、高性能で道を選ばないオールマイティに使える「ツーリングワゴン」が、とくに人気となり、ステーションワゴン人気をけん引しました。

 2代目レガシィには、派生車としてツーリングワゴンをベースに、車高をアップしてSUVテイストを盛り込んだ「レガシィ グランドワゴン(後に『ランカスター』へ改名)」が登場。

 レガシィ ランカスターは北米では「アウトバック」の名で販売され、2003年にはアウトバックの派生車として、後部の荷室部分を取り払ってピックアップトラック仕様にした「BAJA(バハ)」が発売されます。

 バハは5名乗車が可能な、いわゆるダブルキャブのピックアップトラックで、スタイリッシュなボディとパワフルなエンジンを搭載して、マリンスポーツやアウトドアスポーツの愛好家から、高い人気を誇りました。

 しかし、バハは定番のモデルにはならず、2006年までのわずか3年間で生産を終了し、その後のアウトバックに設定されることはありませんでした。

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 以前、日本では海外仕様のパーツを取り寄せて改造するカスタマイズが、クルマ好きの間で流行したことがあります。

 そうしたパーツを専門に扱う店舗があり、いまでも販売されています。

 とくにダットサンブランドで販売されていたフェアレディZに、「DATSUN」のエンブレムやステッカーを貼るのが手軽なカスタマイズでした。