1車種につき装備やエンジンなどの違いで、複数のグレードが設定されていることが一般的ですが、なかには主張していないけれど、高性能なモデルが存在。そこで、控えめな高性能モデルを5車種ピックアップして紹介します。

見た目と裏腹に高性能モデルがあった!

 スポーツカーや高性能車は見た目からも性能を誇示するために、外観も派手に演出されています。

 ひとつの車種でも、高性能なグレードは派手で、ベーシックグレードはおとなしい外観なのが一般的です。

 一方で、優れた性能ながら、あまり主張していないモデルも存在。そこで、見た目が控えめな高性能モデルを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラGT」

 日本が誇るトヨタのベーシックカー「カローラ」には、かつてスポーティカーの「カローラレビン」(以下、レビン)をラインナップしていました。

 レビンは伝統的に派手めな外観でハイパワーなエンジンが搭載されましたが、そのエンジンはレビン専用だったわけでなく、4ドアセダンやステーションワゴンにも搭載されたことがあります。

 1995年に登場した8代目カローラには、4ドアセダンに「GT」グレードがラインナップされ、搭載されたエンジンはレビンのトップグレードと同じ仕様となっていました。

 最高出力165馬力を誇る1.6リッター直列4気筒で、1気筒当たり5バルブの20バルブヘッドや4連スロットルを採用し、レッドゾーンが8000rpmに設定されたスポーツユニットです。

 トランスミッションは4速ATと6速MTが選べ、駆動方式はFFのみとされました。

 エンブレム以外はスタンダードグレードとほとんど変わらない外観だったため、まさに「羊の皮を被った狼」といえるセダンです。

 また、高性能なエンジンに見合うように、4輪ディスクブレーキの装備し、足まわりも専用のセッティングとなっていました。

●スバル「インプレッサ S-GT」

 かつて、スバル「インプレッサ」といえば高性能モデルとして「WRX STI」が頂点に君臨していましたが、2007年に発売された3代目インプレッサでは、WRX STIよりもマイルドな高性能グレードの「S-GT」がありました。

 S-GTは、最高出力250馬力を誇る2リッター水平対向4気筒ターボを搭載し、トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され、駆動方式はフルタイム4WDを採用。

 外観は、インタークーラーへ導風するダクトがボンネットに開いている以外は、ワイドフェンダーやエアロパーツが装着されたWRX STIに比べ、じつにシンプルです。

 サスペンション形式はフロントがストラット、リヤがダブルウイッシュボーン式の4輪独立懸架となっており、WRXの名が冠されていなくても、S-GTは十分にスポーティな走りが楽しめました。

●ホンダ「インテグラ iS」

 ホンダがかつて販売していた「インテグラ」も、高性能モデルの「タイプR」の存在が大きく、スタンダードグレードは目立たない存在でした。

 2001年に発売された4代目インテグラはタイプRと「iS」の2グレードで展開され、タイプRは220馬力を誇る2リッター直列4気筒エンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみ。

 一方、iSにはタイプRと同じ2リッターながら160馬力のエンジンが搭載され、トランスミッションは5速MTと5速ATが選択可能でした。

 iSのサスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リヤがダブルウイッシュボーン式の4輪独立懸架で、セッティングはタイプRと異なるものの高い旋回性能を発揮。

 2004年のマイナーチェンジではフロントフェイスのデザインが一新されると同時に、iSから「タイプS」に名称を変更し、タイプR専用だったMOMO製ステアリングや、小ぶりなリアスポイラーが標準装備され、よりスポーティにグレードアップされました。

ほぼランエボ!? 意外とイケてるスペックのセダンとは

●三菱「ギャランフォルティス ラリーアート」

 2007年に発売された三菱「ギャランフォルティス」は、ミドルクラスのセダンとして開発され、高性能モデルの「ランサーエボリューションX」のベースとなったモデルでもあります。

 ギャランフォルティスには過激すぎないスポーティグレードの「ラリーアート」が設定されていました。

 搭載されたエンジンは最高出力240馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボで、トランスミッションは「ツインクラッチSST」(DCT)を採用。

 駆動方式はフロントヘリカルLSD+「ACD」(アクティブセンターディファレンシャル)+リヤ機械式LSDで構成される、3つの走行モードを選択可能としたフルタイム4WDのみです。

 これらはすべてランサーエボリューションXと変わらない内容ですが、セッティングは実用性を重視していました。

 外観は空気抵抗の低減を図った専用フロントバンパーを採用しながらも、派手なエアロパーツは装着されておらず、まさに大人のためのスポーティセダンとなっています。

●日産「ローレル 25クラブSターボ/25メダリストVターボ」

 1997年に発売された日産8代目「ローレル」は、シャシや主要部品をスカイラインと共有するミドルクラスのセダンです。

 ラグジュアリーな「メダリスト」系とスポーティな「クラブS」系の2シリーズがあり、双方に高性能グレード「25クラブSターボ/25メダリストVターボ」がラインナップされていました。

 搭載されたエンジンは2.5リッター直列6気筒ターボで、1998年モデルでは最高出力280馬力を発揮し、トランスミッションは4速ATのみを設定。

 直列6気筒ならではのスムーズな吹け上がりと、リニアリティを優先したパワーフィールで、快適かつ俊足なセダンとなっていました。

 8代目ローレルはスタイリッシュかつシックな外観で、スカイラインほどの派手さはなく、それでいてパワフルなエンジンを搭載するギャップが面白いモデルでした。

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 走りに特化したグレードがあると、そればかり注目されてしまいがちですが、今回紹介したような影に隠れた高性能モデルも存在します。

 そんな、王道から少し外れた高性能モデルを探してみるのも、楽しいかもかもしれません。