日産が北米で販売するSUV「ローグ」の新型モデルが世界初公開されました。ローグは日本では「エクストレイル」として販売されていますが、新型ローグはどのようなところが進化するのか、新旧モデルを比較してみます。

新型エクストレイルはどうなる!? 兄弟車「ローグ」の進化を検証

 日産「エクストレイル」の北米における兄弟車「ローグ」の新型モデルが、2020年6月15日に世界初公開されました。

 新型ローグは北米で2020年秋ごろに発売とされていますが、どのような点が進化するのでしょうか。新型モデルと従来モデルを比べてみます。

 新型ローグの外観は、従来モデルよりも丸みが薄れ、運動性能の高さと高級感を兼ね備えたデザインに変更されます。

 フローティングルーフやより大型化したVモーショングリルなど、日産を代表するデザイン要素を進化させるとともに、2段構えのLEDヘッドライト類やU字型のボディサイドハイライトなどにより存在感が増しました。

 従来モデルのボディサイズは全長4686mm×全幅1839mm×全高1727mmですが、新型は全長4648mm×全幅1839mm×全高1722mmと全長は短く、全高はわずかに低くなっています。

 リアのデザインは、ブーメラン型のリアコンビランプが新形状になるとともに、「ROGUE」のロゴがバックドア中央に配置されるなど、これまでのイメージから大きく変わりました。

 新型ローグのボディカラーは、5色の2トーンの組み合わせをはじめ、幅広い色の組み合わせが設定されているようです。

 内装における変更点は、従来モデルで埋め込み式だったディスプレイが、9.0インチの大型フローティングタッチスクリーンディスプレイになり、先進的な印象になります。

 また、12.3インチのデジタルダッシュボードゲージクラスターやローグ初となるヘッドアップディスプレイも装備され、タッチスクリーンディスプレイを含めた3つのハイテクディスプレイにより、ドライバーはさまざまな情報を取得できるようになりました。

 さらに、シフトノブが小型化した新デザインになるとともに、走行モードの切り替えボタンも加わっています。

 シートはグレードによって異なり、本革シートまたはキルト調セミアニリン本革シートを標準装備し、内装カラーはチャコール、グレー、タンの3色が設定され、上質な室内空間を演出しました。

 機能面では、「ニッサンドアインテリジェントキー」を使用して、車両のカギの開閉をおこなうことができるようになります。

 これまで前席のドアハンドルにしかなかった解除/施錠のボタンが後席ドアのハンドルにも設置され、後席ドアハンドルのボタンに触れるだけで後席ドアのロックが解除できます

 さらに、後席ドアが90度近くまで開くようになり、チャイルドシートなども出し入れがしやすく乗降性が格段に向上しました。

 そのほか、前後席シートヒーター、サイドミラーヒーター、ステアリングホイールヒーター、メモリーシートなどを装備しています。

日本で販売される新型エクストレイルはe-POWER搭載か?

 新型ローグのパワートレインは、従来モデルから引き続き2.5リッターガソリンを搭載しますが、最高出力は11馬力向上し、181馬力に引き上げられます。

 新エンジンは、ミラーボアコーティング、可変排気量オイルポンプ、統合された排気マニホールド、e-VTC吸気バルブなどの改良が施されました。

 なお、日本で販売されている現行エクストレイルのパワートレインは、2リッターガソリンと、2リッターガソリン+モーターのハイブリッド仕様があります。

 パフォーマンスや燃費が向上した新型ローグには、新しいビークルモーションコントロールシステムが採用されました。

 ビークルモーションコントロールは、全輪駆動システムと走行モードと連動し、4つのタイヤを個別に制御することで、コーナー時に正確に曲がることが可能になりました。

 さらに新型ローグは、さまざまなドライブモードが選択できるようになります。

 従来モデルでは、エコ、スポーツの2モードでしたが、新型ローグのFFモデルではスポーツ、スタンダード、エコという3つのドライブモードを設定。

 全輪駆動モデルには、オフロード、スノー、スタンダード、エコ、スポーツの5つが用意され、さまざまな路面状況に対応することができます。

 新型ローグの安全装備として「日産セーフティシールド360」を全車標準装備とすることで、安全面において進化しています。

 従来モデルでは「歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ」や「クルーズコントロール」、「車線逸脱防止支援システム」といった機能は全車標準装備されていましたが、「プロパイロット」や「インテリジェントアラウンドビューモニター」などについては上位グレードにのみ設定されていました。

 日産セーフティシールド360は、歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ、ブラインドスポット警報、リアクロストラフィックアラート、車線逸脱警報、ハイビームアシスト、リア自動緊急ブレーキなどを含みます

 また、セーフティシールド360に加え、「インテリジェント・ドライバー・アラートネス」と「リアドアアラート」を全グレードに標準装備しました。

 新型ローグでは、次世代レーダー技術とカメラ技術を用いて、よりスムーズなブレーキング、ステアリングアシストのフィーリングの向上、他車が車線に割り込んできた際の検知性能の向上などを実現。

 2019年9月にビッグマイナーチェンジを受けた「スカイライン」に搭載された「プロパイロット2.0」と同等の性能を持つ「プロパイロット アシスト with ナビリンク」を一部モデルに標準装備しています。

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 日本で登場する新型エクストレイルのスペックは明らかになっていませんが、内外装のデザインや機能などに関しては、新型ローグと同様になると思われます。

 その一方で新型エクストレイルには、電動パワートレインの「e-POWER」が搭載されるのではないかと予想されています。

「ノート」や「セレナ」ではe-POWER仕様を追加したことが販売増に貢献していることに加え、2020年5月28日に発表された日産の2023年度までの4か年計画において、「日本では、電気自動車2車種とe-POWER搭載車両4車種を追加し、販売の電動化率を60%以上とする」と明言されていることから、新型エクストレイルもe-POWER化されることが濃厚だといえます。

 ミドルサイズのSUVは、トヨタ「RAV4」や2020年6月にフルモデルチェンジした「ハリアー」、ホンダ「CR-V」、マツダ「CX-5」、スバル「フォレスター」など、各社が力を入れているジャンルです。

 これまで以上に洗練されたスタイルや、最新の機能・安全技術を搭載した新型エクストレイルが市場に投入されれば、以前のようにSUVナンバー1に返り咲く可能性もあるのではないでしょうか。