昭和から平成にかけて親しまれたデートの定番「ドライブデート」は、時代とともに変化しています。昨今のドライブデート事情について、アンケートを実施。かつてとはどう変わったのでしょうか。

ドライブデートで女性が重視することは?

 昭和から平成にはデートの王道だった「ドライブデート」ですが、時代とともに変化しているようです。

 1980年代後半から2000年代前半は、バブル景気真っただ中。当時は「デートカー」や「スペシャリティカー」というジャンルが大流行し、乗っている車種によって「モテる・モテない」が決まった時代でした。

 デートの基本はドライブデートだったことから、クルマを所有していない男性は何度も悔し涙を流したものです。

 現在は若者のクルマ離れと関連して、クルマがなくてもデートは成立する時代になりましたが、新型コロナウイルスの感染を防ぐという観点において、ドア・トゥ・ドアで移動できるマイカーの良さが見直されています。

 東京内で輸入車国産車を問わず販売するショップの経営者のN氏は、クルマだけでモテる時代ではないと前置きしつつも、現状を教えてくれました。

「昔のように、良いクルマでないと女性がデートをしてくれないという時代ではありませんが、知人の女性に聞いたところ、やはり高級車でデートするのはテンションが上がるそうです。

 ただ、スポーツカーはカスタムした本格派ではなく、適度にスポーティなモデルで十分なようです。むしろ快適な高級セダンのほうが女子ウケはいいと思います」

 SUVは幅広い層から人気がありますが、なかでもミニ「クロスオーバー」はかなり人気があるそうです。

 またメルセデス・ベンツ「Gクラス」は別格で、さまざまな高級車のなかでも女子人気は圧倒的に高いといいます。

 国産SUVはファミリーに人気がありますが、ドライブデートにも十分対応できるとのことでした。

「国産車は車種が多すぎて、具体的な車種名までは女性は覚えていないケースが多いようです。その一方、ドライブデートに好意的な女性が多く、エアコンが効いた快適な空間で移動できるのは、大切に扱われている気持ちになるといっています」(自動車販売店N氏)

 女性側の意見はどうでしょうか。イマドキのドライブデート事情について複数の女性にインタビューしてみました。

 化粧品会社を経営するNさん(50代)は、女性向け化粧品を手がけるだけでなく美容専門家としても活躍中。昭和・平成・令和にかけて、「素敵な女性ならではの高待遇」を目一杯受けてきた歴戦の勇者です。自立した女性たちのご意見番として話を聞いてみました。

「自粛生活が長引いてストレスが溜まりがちなだけに、近場へ安全に移動できるドライブデートは良いと思います。

 ドライブレートでレンタカーを利用するのはまったく構いませんが、女性も一緒にレンタカー屋さんへ連れて行くのではなく、事前にクルマをピックアップして待ち合わせ場所に乗り付けるとか、ちょっとした配慮が欲しいです。女性は迎えに来てもらえるのが嬉しいものなので」

 せっかくのデートですから、レンタカーのお金のやり取りを目の前でなどという無粋なことをせず、スマートにお迎えに行く感覚こそ、女性に対しての礼儀だといえます。

 大人の女性をデートに誘う場合は、本音はクルマで迎えにきてほしいと思っている人が多いようですが、そこで気を付けたいのは清潔感です。

 内外装が汚れているクルマはNGとのことなので、デート前には洗車や車内の清掃をしておいたほうが良さそうです。

車種よりも車内でかける音楽が重要!?

 次に話を聞いたのは、都内のエステサロンで働くAさん(30代)です。運転免許は取得していますがもっぱら助手席専門というAさんにドライブデートについて聞いてみたところ、好意的ながら厳しい意見も出てきました。

「真夏の炎天下の下では、歩いて移動するよりクルマのほうが嬉しいです。また、ソーシャルディスタンスもクルマなら自分たちだけのスペースが確保できますし、換気もしやすいです。

 ただし、運転マナーや聞いている音楽などでその人の隠れた性格まで見えてしまうので、クルマに乗ると性格が変わるような人は厳しいです」

 かつて、車内で音楽を聞くためのオーディオといえば、CDチェンジャーが全盛でした。7連奏や12連奏といった高性能なCDチェンジャーに、CDを複数セットしていたものですが、現在ではスマホで音楽を流すのが主流で、みんなで歌える曲や流行のJ-POPなどが好まれるといいます。

「音楽は個人の趣味が出るので、大人っぽい雰囲気の人なのにEDMやヘビーメタルをガンガンにかけられたら、ちょっと引いてしまいます。アイドルの曲を流されるのも辛いです。

 クルマのなかでは、気分が落ち着くジャンルをBGMにしてくれると、会話が途切れても変な雰囲気にならずに済むと思います」(Aさん)

 ドライブデートでは、気分を害さないカフェBGMのような音楽が無難なようです。ただ、相手の好きなアーティストがわかっている場合は、そのアーティスト関連の音楽で一緒に盛り上がることもできそうですので、事前にリサーチしておくのも大切です。

「あまりクルマに詳しくないイマドキの女子は、車種にもこだわりがないです。ドライブデートは軽自動車でも大丈夫ですが、誘ってくれた相手がこのクルマに乗って女性が喜べるかを考えているのかが重要だと思います。汚いクルマだとやっぱり気分は落ちますし、本音をいえば、乗り心地のいい高級車に乗りたいですよね」(Aさん)

 ドライブデート全盛時代ほどではないにせよ、車種によるヒエラルキーは多少ながら存在しているようです。やはりここでもポイントとなるのは、清潔感が大切だということのようです。

 都内の大学に通うKさん(20代)にも話を聞いてみました。高校卒業前に免許は取得したものの、家族のクルマを3回擦って以来、運転は控えているそうです。

「私の周囲の友人だけの話かもしれませんが、自分のクルマを持っている人は少ないです。なので、あまりドライブデートはできないのですが、その分クルマでの移動だとテンションは上がります。私は運転に向いてないから、助手席専門ですけど」

 いまは運転意欲が削がれてしまったKさんですが、周囲の友だちもあまり運転したがらない人が多いそうです。

「運転には神経を使うし自分が楽しめないから」というのが主な理由だというのですが、この辺りが「若者のクルマ離れ」につながる実態だといえます。

「軽自動車なら自分でも運転してみたいですが、SUVなど大きなクルマはデートというより、大勢でワイワイ出かけたほうが楽しいと思います。アウトドアなどで自然が豊かな場所へ行くには電車では不便なので、やっぱりクルマがある人がいると助かります。でも、クルマを持っているからモテるっていうのはないと思います」

 まだ電車移動がメインの若い女子にとっては、ドライブデートは未知の領域であり、みんなでアウトドアなどに出かけるのにクルマは便利だという認識です。

 昔は女性を隣に乗せたくて免許を取得したものですが、いまはクルマがなくてもなんとかなるという意識が強いようです。また、購入はもちろん維持費も高額であることから、経済的な理由もあってクルマを所有できないという若者も増えています。

 一方で、自分が乗せてもらうならどんなクルマが良いかということについて、Kさんに聞いてみました。

「高級なスポーツカーはまるでアトラクションの乗り物のような感じで観賞用としてはいいのですが、神経を遣いそうですし、乗ってみたい気持ちは少ないです。だったら車内が広いクルマで好きな音楽を少し大きめのボリュームでかけたほうが楽しそう。あまり高級すぎても恐縮しちゃうので、車内で飲み物とかも気軽に飲めるほうがいいです」

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 現在でもドライブデートは人気のデートプランだということがわかりました。ただし、スポーツカーへの評価があまり高くなく、高級セダンやSUVのほうが世の女性には人気のようです。

 また車内での会話は重要との意見も多いのですが、自分のことばかり話すのはNG。むしろ女性は話を聞いてほしいそうなので、男性がいろいろと質問しながら話を膨らませるのが良さそうです。