ダイハツ「トール」のOEM車として、トヨタから「ルーミー」と「タンク」というコンパクトワゴンが販売されています。ともに、販売台数ランキングで上位にランクインする人気車ですが、トヨタが進める販売チャネルの改革や取り扱い車種の整理によって、タンクが廃止されるという話が出ています。その話は本当なのでしょうか。

タンク廃止は濃厚。ルーミーへ統一か

 トヨタの人気コンパクトカー「タンク」は、販売チャネル統合による影響で、販売を終了する可能性が出ています。
 
 兄弟車の「ルーミー」とともに好調な売れ行きをキープしていましたが、その真相はどうなっているのでしょうか。

 ルーミーとタンクは、ダイハツ「トール」のOEM車で2016年に登場。広々とした空間の「Living」と余裕の走りの「Driving」を掛け合わせた「1LD-CAR(ワン・エル・ディー・カー)」がコンセプトで、居住性の高い室内と1リッターエンジンによるストレスのない走りが人気です。

 登録車販売台数ランキングでは、2017年はルーミーが11位(7万8675台)でタンクが14位(7万854台)、2018年はルーミーが10位(8万6265台)でタンクが13位(7万3799台)を記録。

 2019年は、ルーミーが7位(9万1650台)でタンクが11位(7万4518台)となっており、両車合わせて年間16万台以上を販売する人気を誇ります。

 また、直近の2020年1月から6月でも、ルーミーは8位(3万7622台)、タンクは14位(2万8458台)となっており、未だ売れ行きは好調です。

 これまで、ルーミーはトヨタ店とカローラ店、タンクがトヨペット店とネッツ店という販売チャネルごとに取り扱いが分かれていました。

 しかし、2020年5月1日から販売チャネル関係なく、全店舗で全車種を取り扱う方針に展開されたことで、売れているルーミーに1本化されるという話が出ています。

 首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。

「メーカーからの発表前なのでいい切ることはできませんが、タンクは廃止になるでしょう。近隣店舗も含め受注数の制限を設け、当店ではすでに受注を終了しています。

 そうなれば、今後はルーミーのマイナーチェンジに伴って統一されることになります。

 ただ、タンクのフロントマスクデザインは人気がありますので、そこはルーミーのなかで1つのグレードとして残す可能性は考えられます」

 また、別の販売店でも、タンクの受注を終了している店舗はいくつか見受けられたため、ルーミーへ統一の動きは進んでいるようです。

売れているタンク、廃止で販売面に影響はないのか

 タンクは前述のとおり、年間7万台以上を販売する人気モデルです。いくらグレードとして残される可能性が高いとはいえ、販売面への影響はないのでしょうか。

 前出とは別の販売店スタッフは、以下のように話します。

「おそらく、タンク単体ではそこまで大きな影響はないのではないでしょうか。それよりも、今はルーミーやシエンタを含め、コンパクトなミニバンやトールワゴン系の車種は軒並み販売が伸び悩んでいる印象があります。

 おそらく、ライズやヤリスといった新型車を選ぶお客さまが増えているためでしょう。また、9月にはヤリスクロスも発売を予定しており、さらなる影響が考えられます」

 居住性に特化するだけでなく充分な走行性能から「丁度いい」コンパクワゴンとして人気を集めたタンクは、ルーミーに統一する可能性は高いようです。

 もしかすると、次の一部改良やマイナーチェンジではルーミーのグレードとなるかもしれません。

 また、あくまで個人の見解として、前出とは別のある販売店スタッフからは「近い将来、ルーミーとシエンタのどちらかが廃止されるのでは」との意見まで出ており、コンパクトでスライドドアを採用するモデル自体の今後も危ぶまれているようです。

 人気コンパクトSUVの「ライズ」、さらに9月登場予定の「ヤリスクロス」は、今後トヨタ車のラインナップにどのような影響を与えるのでしょうか。