日産「エクストレイル」の苦戦は続く? 次期型エクストレイルが登場するまでは辛抱するしかないのでしょうか。

都会派SUVの勢いに屈した元ナンバー1

 日産のSUVラインナップとして約20年の歴史を誇る「エクストレイル」。かつてSUVジャンルNo.1にも輝くほど人気でしたが、最近では販売台数が右肩下がりだといいます。
 
 なぜエクストレイルの人気は低迷しつつあるのでしょうか。

 2000年11月に発売された初代エクストレイルは、昨今のSUVブームの火付け役ともいえる存在で、アウトドアで映えるワイルドなデザインに、オフロード走行を重視した本格的なSUVとして人気を博しました。

 2013年に登場した現行モデルとなる3代目は、初代、2代目のスクエアなデザインから流行りの丸みを帯びた形状になったものの、オフロード走行を重視した機能を備えていたこともあり、登場後暫くはSUV市場をけん引する存在として人気がありました。

 そんな、長年に渡りSUV市場をけん引してきたエクストレイルは、現在も日産を代表するモデルですが、新たな流行の波によってその人気が低下してきています。

 日本自動車販売協会連合会の軽自動車をのぞく新車販売台数ランキングによると、エクストレイルは2020年上半期(1月から6月)では1万1163台を販売して32位です。

 2019年の同時期と比べ49.4%まで落ち込んでおり、新型コロナウイルスの影響があるため一概に比較できないものの、大きく下落しています。

 この落ち込みの要因としては、エクストレイルと同じクラスの2019年4月に登場したオフロード系SUVのトヨタ「RAV4」や2020年6月に登場した都市型SUVのトヨタ「ハリアー」といった直接的なライバル勢の存在があります。

 それ以外にも、エクストレイルよりクラスが下に位置するSUVとして、2019年10月にマツダ「CX-30」、11月にトヨタ「ライズ」ダイハツ「ロッキー」、2020年6月には同じ日産から「キックス」といったコンパクトSUVの需要が高まっていることも要因です。
 
 また、それ以前から発売されているトヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」などもSUV市場では人気なため、これら多数のライバルSUVがエクストレイルの販売面に影響していることが考えられます。 

 最近のエクストレイルについて、日産販売店スタッフは以下のように話しています。

「最近は、都会派SUVの人気は高く、エクストレイルにも影響が出ています。

 エクストレイルの購入を検討しているお客さまはハリアーやヴェゼルといった、いわゆる都会派SUVと比較されることが多く、そちらへ流れてしまうということもあります。

 そのほか、弊社のモデルでは、サイズ感こそ異なりますが、6月に発売されたSUVのキックスと悩まれるお客さまもいらっしゃいます」

※ ※ ※

 日産が約10年ぶりの新規モデルとして発売した新型キックスはエクストレイルよりもひと回り小さなSUVです。

 そのことから新型キックスのほうが扱いやすいサイズに加えて、電気自動車のような運転感覚が好評な「e-POWER」を搭載していることもあり、新型キックスに興味が移り変わっているユーザーも少なくないといいます。

エクストレイルにフルモデルチェンジの足音!

 2020年6月に北米で新型「ローグ」(日本名:エクストレイル)が発表され、日本でも次期型エクストレイルに対する期待感が高まっています。

 新型ローグの反響について、別の販売店スタッフは次のように話します。

「北米で発表された新型ローグのニュースを見たお客さまから、いくつか問合せを頂いています。なかには、『デザインに惚れたので今から予約したい』というお客さまもいらっしゃいました。

 現時点で次期型エクストレイルに関する情報は何も入っていません。また、最近では販売店よりもお客さまの方が情報に詳しいこともあり、結果的に現在のラインナップを進めても『次期型が来るまで待つ』という買い控えも起きています」

次期型エクストレイルとして期待される新型ローグは、従来からフェイスデザインを刷新。フローティングルーフやより大型化したVモーショングリルなど、日産を代表するデザイン要素を進化させるとともに、2段構えのLEDヘッドライト類やU字型のボディサイドハイライトなどにより存在感が増しました。

 従来ローグのボディサイズは全長4686mm×全幅1839mm×全高1727mmですが、新型は全長4648mm×全幅1839mm×全高1722mmと全長は短く、全高はわずかに低くなっています。

 リアのデザインは、ブーメラン型のリアコンビランプが新形状になるとともに、「ROGUE」のロゴがバックドア中央に配置されるなど、これまでのイメージから大きく変わりました。

 内装における変更点は、従来モデルで埋め込み式だったディスプレイが、9.0インチの大型フローティングタッチスクリーンディスプレイになり、先進的な印象になります。

 また、12.3インチのデジタルダッシュボードゲージクラスターやローグ初となるヘッドアップディスプレイも装備され、タッチスクリーンディスプレイを含めた3つのハイテクディスプレイにより、ドライバーはさまざまな情報を取得できるようになりました。

 新型ローグのパワートレインは、従来モデルから引き続き2.5リッターガソリンを搭載しますが、最高出力は11馬力向上し、181馬力に引き上げられます。

 なお、日本で販売されている現行エクストレイルのパワートレインは、2リッターガソリンと、2リッターガソリン+モーターのハイブリッド仕様を設定。

 日本で登場する次期型エクストレイルのスペックは明らかになっていませんが、内外装のデザインや機能などに関しては、新型ローグと同様になると予想されます。

 その一方で次期型エクストレイルには、電動パワートレインの「e-POWER」が搭載されるのではないかと予想されています。

 日産「ノート」や「セレナ」ではe-POWER仕様を追加したことが販売増に貢献していることに加え、2020年5月28日に発表された日産の2023年度までの4か年計画において、「日本では、電気自動車2車種とe-POWER搭載車両4車種を追加し、販売の電動化率を60%以上とする」と明言されていることから、次期型エクストレイルもe-POWER化されることが濃厚です。

※ ※ ※

 次期型エクストレイルの発売時期について、前出とは別の日産販売店スタッフは以下のように話しています

「発売時期や機能性について、まだ販売店には一切の情報が入ってきていません。

 通常は発売の3か月前になるとこちらにも詳細な情報が開示されます。つまり裏を返せば、現時点で情報が届いていないということは、少なくとも3か月以内の発表はないといえます。

 また、次期型ノートの話も一切入ってきていませんが、順番としては先にノートが出てくるのではないでしょうか」

 最近の日産は、新型キックスや電気自動車「アリア」が話題となっていますが、今後もノートやエクストレイルという注目モデルが控えているため、これからの日産からも目が離せません。