どの車種も、発表時は華々しく登場しますが、生産を終了するときはひっそりと、いつの間にか姿を消してしまいます。2020年もそのようにして生産終了する車種があります。今回はそのなかから、5車種をピックアップして紹介します。

人気があった車種も生産終了へ

 2020年は多くの新型モデルが登場した一方で生産を終了するモデルも存在します。クルマとしての完成度が高くとも、時代によって変わる市場のニーズにマッチしなかったため販売台数が伸びなかった車種もあれば、人気が高いものでも何らかの理由で生産終了を迎える車種もあります。

 2019年にもトヨタ「マークX」「エスティマ」、三菱「パジェロ」、日産「キューブ」、スバル「WRX STI」などが生産終了しており、今後も各自動車メーカーではラインナップするモデルの整理をしていくことが予想されています。

 そんななか、2020年8月時点で判明している生産終了モデルを紹介していきます。

●レクサス 「GS」

 レクサス「GS」は、トヨタの高級車ブランドであるレクサスの4ドアセダンとして、2005年に初代が登場し、2012年に現行の2代目が発売されました。トヨタ「アリスト」の後継車種にあたり、「新しいプレミアム価値の創造」を追求したモデルです。

 GSは、レクサスブランドで「LS」に次ぐポジションを担う車種として、レクサスならではの高級感あふれる内外装、レクサスを強く印象づけるスピンドルグリルなどがアクセントになっています。

 リモートタッチ機能を搭載したディスプレイをはじめとした快適装備や、Lexus Safety System+などの安全装備も採用。

 また、新開発のサスペンションを採用するなど、一新されたレクサス専用のプラットフォームに、ドライバーのさまざまな走行シーンに合わせて、「ECO」「NORMAL」「SPORT S」「SPORT S+」を選択可能なドライブモードセレクトが装備され、意のままにクルマを操る楽しさが追求されています。

 2020年8月で生産終了するとともに、特別仕様車「Eternal Touring」が発表され、特別仕様車は2020年6月から販売されています。

●スバル「BRZ」

 2012年に発売されたスバル「BRZ」は、トヨタ「86」と共同開発されたスポーツカーです。BOXERエンジン・Rear Wheel Drive・Zenith(究極)の頭文字3文字の組み合わせが車名の由来で、誰もが高いドライビングプレジャーを感じることのできるモデルです。

 スバルのアイデンティティである水平対向「BOXER」エンジンには、トヨタの直噴技術が取り入れられ、両社の共同開発であることがうかがえます。

 水平対向エンジンを低い位置へ搭載した「超低重心パッケージング」により高い運動性能を誇り、とくにワインディングロードでその真価を発揮します。

 BRZはドライビングを愛するファンから人気を誇りましたが、2020年7月に受注を終了。現在は販売店での在庫対応のみとなっています。

 なお、2021年早々には次期型BRZ・86が登場すると噂されており、そのための生産終了といわれています。

●スズキ「バレーノ」

 スズキ「バレーノ」は、2016年に発売されたコンパクトカーです。グローバルな世界戦略を展開するスズキらしく、インドのマルチ・スズキで製造されたものを輸入していました。

 バレーノは、全長と全高が5ナンバーサイズに収まるものの、全幅が1745mmとなるため3ナンバーサイズです。

 プラットフォームは現行「アルト」や「スイフト」にも用いられる「HEARTECT(ハーテクト)」を採用しており、軽量化と高い剛性を両立させています。そのため最軽量グレードは910kgと、軽自動車並みの重量です。

 しかし日本製とのクオリティの違いや、使い勝手の良し悪しなど、日本ではあまり受け入れられなかったのか、日本国内での販売台数は伸び悩みました。

 2020年に入ってからインドからの輸入は終了し、残った輸入済の在庫がなくなり次第販売終了となっています。

 なお、日本で販売終了となった経緯について、「当初からこのタイミングでインドからの輸入が終わる計画となっていました。また、各販売店の在庫車が少なくなり、店舗によって販売出来ない可能性が出てきたため、ホームページからバレーノが無くなっています」と説明しています。

ホンダは一気に3モデルも終了へ

●ホンダ「シビックセダン」

 ホンダを代表するモデルのひとつである「シビック」ですが、国内ではセダン/ハッチバック/タイプRという3タイプがラインナップされていました。

 なかでも、シビックセダンは、クーペのように流れるルーフラインが特徴的で、先進的かつ上質なフォルムが機能美を追求しています。もちろんセダンとしての実用性も高く、室内空間の広さはCセグメントでトップクラスを誇るともいわれています。

 また搭載する1.5リッターのVTECターボは、大トルクと高回転域まで気持ちよく吹け上がるエンジン特性をもち、力強い加速と高い静粛性を実現。

 しかし、シビックセダンは2020年1月にマイナーチェンジがおこなれたばかりにも関わらず、2020年8月で終了という急な展開を見せており、生産終了の経緯としてホンダは「選択と集中という流れのなかでの計画的な生産終了となります」と説明しています。

●ホンダ「ジェイド」

 ホンダの「ジェイド」は、パワフルかつ上質な走りが特徴のステーションワゴン(一部ではミニバンと呼ぶ)として、2015年に発売された車種です。

 かつて一世を風靡した「ストリーム」の後継モデル的な立ち位置で、3列シートの6人乗りモデルと、後から追加された2列シートの5人乗りモデルがあります。

 スポーティでスタイリッシュな外観・大容量のラゲッジスペース・余裕のある足下のスペースや静粛性の高さなどがジェイドの特徴で、内装の質感も高いという特徴があります。

 現在のミニバンが、広い車内空間や乗降性のしやすさを追求し高い全高とスライドドアを特徴とするなか、1530mmというセダン並みの全高の低さやヒンジドアが特徴のジェイドは、個性あるモデルだったものの、販売台数は振るわず、2020年7月で生産が終了しています。

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 ホンダはほかにも、コンパクトセダンの「グレイス」が7月に生産終了となりました。

 クルマが生産を終了する事情はさまざまですが、どんな理由でも生産を終了するのは寂しく感じるものです。

 ただ生産が終了するからといって、クルマとしての出来が悪いというわけではありません。不人気車として販売を終えたモデルには希少性があり、欲しい人にとっては個性が際立つクルマとなることもあるでしょう。

 いずれにしても、生産を終了するモデルは新車での購入が出来なくなります。在庫車など選択肢は限られますが、新車で購入したい場合は早めにディーラーへ確認する必要がありそうです。