2020年8月31日、トヨタとホンダは台風や豪雨などの災害により送電網がダメージを受け、家庭や避難所に電気が届かないという問題の解決策のひとつとして、両社の技術を持ち寄り、移動式発電・給電システムを構築して、電気を届ける実証実験をおこなうことを明らかにしました。

トヨタとホンダは災害時に電気を届ける実証実験を開始!

 トヨタとホンダは、昨今の災害時に電気を届けるプロジェクトを開始した。
 
 古今東西、人間にとってもっともやり甲斐のある行動は「救助!」だと思う。
 
 だからこそ海上保安庁の「海猿」の皆さん毎日超過酷な訓練をおこなっている。
 
 被災救助に備え訓練している自衛隊を見たことがあるけれど、私(国沢光宏)なら死ぬと思った。
 
 トヨタの燃料電池を担当している濱村さんは、2019年に千葉県を襲った台風の被害を見て「何とかしたい!」と思ったそうです。
 
 すぐ燃料電池「MIRAI」とMIRAIから家庭用100Vを供給出来る変換器を準備し、被災地に送ったといいます。
 
 けれどMIRAIでは供給出来る電力も限られ、加えて電力供給のため水素を消費すると、水素ステーションまで辿り付けなくなるため、隔靴掻痒の思いをしたようです。
 
 濱村さんの「なんとかならんのか」という気持ちは消えず、今回のプロジェクトになりました。

 プロジェクトの内容は、トヨタが燃料電池バス。ホンダは外部給電器を用意して、どこでも電気を届けるものです。

 トヨタは、手持ちの燃料電池バスに手を加え、水素タンクを従来の2倍にして発電能力を大幅に向上させた。

 さらに同じ燃料電池を開発しているホンダに声を掛けると、ホンダもすぐさま「やりましょう!」。

 ホンダはトヨタが持っていないチャデモから家庭用の100V電源を引き出す変換器や、リチウムイオン電池から100Vを供給する機器を用意することになりました。

 地震や台風、水害など自然災害に見舞われる度、被災される人達が出てきます。多くの災害をみると生活にもっとも必要となる「電気」というライフラインを失う傾向、すなわち停電です。

 情報に必要な携帯端末やTVなど使えなくなってしまう。今回、発表された燃料電池と携帯電源を使い災害時の電力確保するという「実証実験」はひとつの対応策になります。

 具体的には、自然災害が発生したらすぐにふたつのタイプの携帯電源を満載した燃料電池バスを被災地へ向かわせる。

 2019年の千葉の台風であれば、燃料電池バスを常駐させている東富士から木更津の水素ステーションでワンストップし館山まで5時間。燃料電池バスが避難施設まで行ければ、到着次第そこをベースに救助活動を開始出来る。

 千葉の台風で大きな被害が出た布良のような大型車の入れない場所なら、可能な限り近くまで言って到着後、搭載しているリチウム電池内蔵の100V電源供給装置を届ける。

 体育館のような避難場所であっても、個々に小型の100V/350W電源供給装置を使って貰うことで携帯電話の充電やパソコンの電源になります。

 大型の100V電源供給装置は電気ポットでお湯を沸かしたり扇風機や小型冷蔵庫などに繋ぐことも可能です。

 電気を使い切ったら燃料電池バスが電源車になっているため、そこで充電すれば良く、何より素晴らしいのは、無音だということ。

 そして閉鎖空間である避難場所に個別の電力を届けられる。この援助、3日間程度続けられる能力を持っています。

 その間に電力が復旧する可能性があるだろうし、発電機を搭載した車両だって到着することでしょう。

 トヨタとホンダで構築した緊急電力供給網は3日間くらい活躍出来れば十分だと思う。ここまで読んで「これを何セット作るんですか?」と気になるかもしれない。私もトヨタとホンダに聞いてみた。すると「第一歩なんです」。

 燃料電池バスの水素タンクを2倍にしたため、この車両で電力を供給しようとすると20日前に届け出をしなければならないという(東京都のみ緊急時は届け出無しで救援活動をおこなえる契約をしている)。

 20日前に解っている自然災害などありえない。法規対応が追いついていないのだった。ただ実物を見せないと、法規の改定も出来ません。

 とりあえずこの1セットで運用を始め、改良を加えて行くようです(もちろん自然災害など無い方がいい)。

 折しも大きな被害をもたらしそうな台風10号がいまの予想進路だと四国あたりにやってくる。今回は間に合わなくても、いつ出番となるか解らない。

 人の役に立てたら素晴らしいプロジェクトだと思います。トヨタとホンダのロゴが並んだプロジェクト、気持ちいいですね。