人気のコンパクトSUVの最上級グレードをフル装備にすると、車両価格と装備はどのようになるのでしょうか。トヨタ「ヤリスクロス」とホンダ「ヴェゼル」をピックアップして検証しました。

人気のコンパクトSUV 「ヤリスクロス」と「ヴェゼル」

 近年、SUVは人気のカテゴリとして注目されています。なかでもコンパクトSUVは、ボディサイズの割に荷物がたくさん積めて、大型車に負けない迫力あるデザインを持ち合わせていることがユーザーから評価され、各メーカーも注力しています。

 ライフスタイルによってはファーストカーとしても使えるコンパクトSUVですが、ファーストカーにふさわしく上位グレードを選んだり、オプション装備を充実させていくと、ワンランク上の車格のクルマを買えるほどになってしまうことも少なくありません。

 では、人気コンパクトSUVの最上級グレードのメーカーオプションをフル装備にした場合、車両価格はいくらになり、どんな装備がついてくるのでしょうか。今回はトヨタ「ヤリスクロス」とホンダ「ヴェゼル」をピックアップして、見ていきます。

 ヤリスクロスの車両価格(消費税込、以下同様)は、179万8000円から281万5000円という設定です。今回は最上級グレードの「HYBRID Z」の4WD仕様(281万5000円)にメーカーオプションをフル装備していきます。

 一方、ヴェゼルのグレード体系は、標準グレードと、「RS/TOURING/Modulo X」というスポーツ系グレードに分かれます。

 標準グレードの価格は211万3426円から298万186円、スポーツ系グレードは252万833円から361万1790円です。

 ヤリスクロスには2020年9月現在、RS/TOURING/Modulo Xのようなスポーツ系グレードがないことから、比較するヴェゼルも標準グレードのなかの最上級グレードを選択。「HYBRID Z・Honda SENSING」の4WD仕様(298万186円)をメーカーオプションフル装備にします。

 なお、どちらも1.5リッターエンジンにハイブリッドシステムが組み合わされた仕様です。

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 長距離ドライブの快適さを左右するナビゲーションシステムでは、トヨタが搭載を進めるディスプレイオーディオの違いが、両車のオプション装備においても大きな差を見せています。

 ヤリスクロスには、スマートフォンと連携する「ディスプレイオーディオ」が標準装備されます。HYBRID Zに装着されるのは8インチの大画面タイプです。

 スマートフォンのナビアプリを利用することでディスプレイに地図を表示したり、各種アプリの機能をディスプレイ上で利用できますが、これらの機能はスマートフォンとの接続が前提です(AM/FMチューナーなど一部機能は単体で利用可)。

 トヨタの純正ナビを搭載する場合は、6万9300円のエントリーナビキットか、11万3300円のT-Connectナビキットを購入する必要があります(これらはディーラーオプション扱い)。

 一方、ヴェゼルはオプションを選択しない場合、ディスプレイやオーディオ類はとくに付いてきません。ナビ機能を装着する場合はメーカーオプションかディーラーオプションのなかから選択する必要があります。

 今回は、メーカーオプションの7インチナビを選択します(ディーラーオプションでは8インチディスプレイのものも用意されます)。

 ちなみに、近年では必需品ともいえるETCについて、ヤリスクロスはHYBRID Zも含め全車ETCがディーラーオプション扱いとなりますが、ヴェゼルのHYBRID Z・Honda SENSINGはETCが標準となっています。

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 シート周りを見ると、ヤリスクロスでは運転席6ウェイパワーシートが標準装備されます。一方、ヴェゼルはパワーシートがメーカーオプションです(本グレードの場合はルーフレールとセット)。

 しかし、ヴェゼルは運転席(8ウェイ)に加え助手席(4ウェイ)もパワーシートとなるので、同乗者にとっては嬉しい装備といえるでしょう。ヤリスクロスでは助手席のパワーシートはオプションでも選択できません。

メーカーオプションフル装備時の車両価格は?

 予防安全装備について、ヤリスクロスは右左折時の対向車・歩行者や、夜間の歩行者にも対応し、自転車も検知する衝突被害軽減ブレーキを含む、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を搭載。

 トヨタとして最新の予防安全装備がほぼ標準装備されますが、「アダプティブハイビームシステム」と「ブラインドスポットモニター」、「リヤクロストラフィックオートブレーキ」はメーカーオプションとなります(ヴェゼルには同様の機能の設定はなし)。

 なお、ヴェゼルは発売から約7年が経過するモデルなので、安全装備については、2020年8月発売のヤリスクロスより劣ります。

 しかし、昼間の車両・歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキを含む「ホンダセンシング」が標準装備され、オプションとして追加で選ぶ形式の安全装備はありません。

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 ヤリスクロスの最上級グレードに、装着できるメーカーオプションをすべて選択すると、総額49万2800円分となります。ここに、ディーラーオプションとして定番となるETC車載器とフロアマットを選択すると、装備されるオプションの一覧は次のとおりです。

●メーカーオプション(総額49万2800円)

・有償色:ブラックマイカ×ホワイトパールクリスタルシャイン(7万7000円)

・ステアリングヒーター(1万1000円)

・ルーフレール(3万3000円)

・アクセサリーコンセント AC100V・1500W/1個/非常時給電システム付(4万4000円)

・ハンズフリーパワーバックドア 挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能・予約ロック機能付(7万7000円)

・アダプティブハイビームシステム[AHS](9万9000円)

・LEDリヤフォグランプ(1万1000円)

・トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター付)]+ブラインドスポットモニター[BSM]+リヤクロストラフィックオートブレーキ[パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)]+寒冷地仕様(14万800円)

●ディーラーオプション(総額5万7750円)

・フロアマット デラックスタイプ(2万3650円)

・ETC2.0ユニット ビルトイン ボイスタイプ(3万4100円)

 以上のオプションを装備したヤリスクロスの「HYBRID Z」4WD仕様の価格は、336万5550円となりました。

 一方、ヴェゼルの最上級グレードに装着できるメーカーオプションをすべて選択した総額は44万5500円です。ここにETC車載機(ヴェゼルは標準で装着)とフロアマットを選択すると、ディーラーオプションとあわせて装備されるオプションの一覧は次のようになります。

●メーカーオプション(総額44万5500円)

・有償色:プレミアムクリスタルレッドメタリック(6万500円)

・キルティングレザーシート(7万7000円)

・運転席8ウェイパワーシート+助手席4ウェイパワーシート&ルーフレール(12万1000円)

・Hondaインターナビ+リンクアップフリー(18万7000円)

●ディーラーオプション(総額4万3604円)

・フロアカーペットマット プレミアムタイプ(総額4万3604円)

 以上のオプションを装備したヴェゼルの「HYBRID Z・Honda SENSING」4WD仕様の価格は、346万9290円となりました。

 安全装備の面では最新モデルのヤリスクロスの方が充実していますが、ヤリスクロスは最上級グレードでも合成皮革+ツィード調ファブリックのみで、本革シートを選べないのに対し、ヴェゼルはオプションで本革シートが選べるなどの優位性が見られました。