トヨタ「アルファード」と日産「エルグランド」は同じLサイズミニバンでありながら、アルファードが怒涛の人気を誇っています。そんななか、押され気味なエルグランドの直近の販売動向はどうなっているのでしょうか。

2020年で10年目の「エルグランド」最近はどうなの?

 トヨタ「アルファード」と日産「エルグランド」は、ともに高級ミニバンと称され国産ミニバンのなかでは大きなボディサイズを有しています。
 
 しかし、販売面においては大きく差が開いており、高級ミニバンのなかではアルファードに人気が集中している状況です。現在、エルグランドはどのようなユーザーから支持されているのでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会(以下:自販連)の2020年8月販売台数ランキングでは、アルファードは7103台を記録し、普通車のなかで6位となっています。

 直近の販売動向を見ても2020年1月から3月では10位から15位、4月に6位、5月6月が5位、7月が6位と、コロナ禍でも5000台から7000台と好調を維持しているのです。

 このようにアルファードが順調に販売台数を伸ばす背景について、トヨタの販売店担当者は以下のように話します。

「好調な要因のひとつは、これまではトヨペット店のみの扱いでしたが、2020年5月から全店舗で取り扱いを開始したことです。

 また、現行モデル登場後もマイナーチェンジや一部改良などの商品力向上を欠かさない姿勢も好調を維持している要因といえます。

 さらに、これは少し前からですが『高級ミニバン』として位置づけられた結果、『いつかはアルファード』というブランド力やステータス性で選ばれる人も多いです」

 また、2020年1月には、スマホ連携やディスプレイ変更、バックガイドモニターを全車種標準装備といった快適機能に関する一部改良も、販売台数の増加に繋がっています。
 
 一方のエルグランドは、2020年8月の販売台数は244台となっており、自販連が発表する50位以内には入っていません。

 直近の販売動向について、日産販売店の担当者は、次のように話します。

「アルファードとエルグランドは購入されるユーザー層が同じであるほか、クルマ自体も似たような造りになっています。

 そのため、対抗車種として比較検討されるケースが多いものの、市場にはアルファードのほうが多く出回っている状態です。

 こうした状況のなか、エルグランドを選ばれるお客さまの意見としては、『デザインや形が好き』『低重心設計なので走りが安定している』といったものが多く寄せられています。

 両車の大きな違いとしては、デザイン、荷室空間の広さと車高の低さ、などがあげられます。

 アルファードのフロントは比較的に派手なデザインとなっており、男性ユーザーに高い評価を受けています。エルグランドは、どちらかというと女性でも馴染みやすいデザインとして、女性ユーザーに好評です。

 また、アルファードは3列目シートも広々とした設計を確保していますが、エルグランドは少々窮屈に感じる面があげられます。

 ただし、アルファードより車高が低く設定されている分、重心が安定するため高速道路でもスムーズに走りを楽しめるのが魅力です。

 あえてエルグランドを選ぶ背景には、やはり走行安定性やデザインへのこだわりが強いといえるでしょう」

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 3列目シートを格納したときの荷室の積載性について、アルファードの3列目はサイド跳ね上げ式となっているため、広々としたスペースを確保できます。

 一方のエルグランドは、跳ね上げではなく前に倒すタイプのため簡単に格納できますが、荷室に段差ができることから多少の窮屈感を感じてしまう可能性があります。

 また、アルファードの最低地上高が165mmに対し、エルグランドは150mmと15mmほど低く設計されているため、より安定した走行を実現できます。

10月以降に仕様変更モデルが登場!販売動向に影響は?

 日産の販売店によると、早くて2020年10月以降にエルグランドの仕様変更が控えているため、現行モデルは生産をストップしている状況とのことです。

 前出した日産販売店の担当者は、次のように話します。

「現在、エルグランドの取り扱いは止まっており、7月後半の時点で生産もストップしております。

 そのため、現在は各店舗でもわずかの在庫となっています。カラーも限られたものしか用意されていないことから、通常よりも大幅な値引きに対応している状態ですが、在庫モデルを狙って購入者が殺到しているような状況でもありません。

 非常に限られたなかでの選択肢となってしまうため、購入を検討される人も値段との兼ね合いを考えながら、どこまで妥協できるかがポイントになります」

 販売店スタッフによれば、10月以降を予定しているエルグランドの詳しい仕様変更については、現在のところ発表されていないと話します。

 ただし、変更内容としては、燃費の表示方法(JC08モードからWLTCモード)やオートヘッドライトなどに関する部分だと見られています。

 ライバルとなる現行アルファードは2015年登場し、2017年にはデザイン面などを変更したマイナーチェンジを実施。これにより、ブランド力を向上させ販売台数を大幅に増やしました。

 一方、2010年に登場した現行エルグランドは、2014年にマイナーチェンジを実施。デザインを一新するなかで、フロントグリルを大型化したことが話題となりましたが、現在では10年目に突入する長寿モデルとなっています。
 
 次期型エルグランドについて日産の販売店は「2年くらい前にはアライアンスの関係で三菱『デリカD:5』とプラットフォームが共有されるという噂もありましたが、現在ではまったく情報が入ってきていません」と説明。

 そのため、当面の間は次期型エルグランドの登場は無いのかもしれません。