日産「フェアレディZ」のプロトタイプが世界初公開されました。新型モデルは歴代モデルをオマージュするとともに、現代のクルマにふさわしい進化を遂げます。現行モデルのZ34と比較してみました。

ついに出た! 新型フェアレディZはどう進化する?

 日産のスポーツクーペ「フェアレディZ」の新型モデルのプロトタイプが2020年9月16日に世界初公開されました。

 歴代Zのモチーフを取り入れた新型フェアレディZですが、どのような進化を遂げるのでしょうか。現行モデルの「Z34」と比較してみます。

 新型フェアレディZは、50年に及ぶZの伝統と現代的な雰囲気を融合した新デザインを採用します。

 フロントのデザインで注目されるのは、ヘッドランプの形状です。現行モデルでは稲妻のような形状のランプですが、新型モデルでは「こ」の字のLEDヘッドランプを採用。初代Zの「240ZG」のモチーフが取り入れられているといいます。

 さらに、四角いグリル開口部は現行モデルよりも大型化され、ワイド&ロースタンスを強調するとともに、フロントバンパー下のチンスポイラーを装着し、スポーツカーとしてのパフォーマンスの高さをアピールしました。

 ボンネットフードも現行モデルから変更され、初代Zのイメージを彷彿とさせるデザインとしています。

 リアのデザインで目を引くのは、テールランプです。従来型モデルはほかの日産車のデザインにも見られるブーメラン型としていましたが、新型モデルは初代Zや「Z32」などからインスピレーションを得て現代風にアレンジ。

 左右に伸びるブラックアウト部に横基調のランプを配置し、レイヤー形状に光り輝く先進的な光の演出が特徴的です。

 また、現行モデルでは左側に配置されていた「Fairlady Z」のエンブレムは、新型モデルにおいては初代Zのようにテールゲート上に装着されるとともに、デザインも初代Zを踏襲しています。

 サイドのシルエットは、現行モデルも流麗なクーペスタイルを実現していますが、新型モデルは長いノーズから続くなだらかに傾斜するルーフラインの先に、垂直に切り立つテールエンドとすることで、初代Zの特徴的なスタイルを再現しました。

 新型モデルのドアノブは、現行モデルと同様にドアに沿うような形ですが、隠すようなデザインとすることで、すっきりとしたドア部を実現しています。

 加えて、現行モデルではフロントフェンダー部に装着されている「Z」のエンブレムが、新型モデルではかつてのようにリアピラーに配置されました。

 ボディサイズは、現行モデルが全長4260mm×全幅1845mm×全高1315mmで、新型モデルは全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mm。新型モデルと現行モデルを比べると、全長+122mm、全幅+5mm、全高−5mmと、全長が長くなっていることがわかります。

 タイヤサイズは、現行モデルはフロントが225/50R18、リアが245/45R18でしたが、新型モデルはフロントが255/40R19、リアが285/35R19としています。

 プロタイプのボディカラーは光沢のあるパール系のイエローを採用しており、これは初代Zと300ZXに設定されていたイエローを意識した色だといいます。

 300ZXにもパール系のイエローがありましたが、当時の技術ではこれほどまでに鮮やかな発色は難しかったようです。最新の技術を取り入れることで、新色のイエローパールは日の光の下でキラキラと輝く美しい発色を実現しました。

最先端のコクピットを実現した内装へ進化

 エクステリアは歴代モデルをオマージしたレトロモダン風の新型フェアレディZですが、インテリアはどうなるのでしょうか。

 2008年に登場した現行モデルは、12年目を迎えるロングセラーモデルです。そのため、内装の古臭さは否めないところがありましたが、新型モデルはプロのレーシングドライバーと理想的な室内空間の在り方を検討した結果、最先端のコクピットに進化します。

 もっとも特徴的なのは、12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイです。エンジン回転計の針が真上を示すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを知らせてスポーツドライビングをアシストします。

 なお、現行モデルのインパネ上部に設置された3連サブメーターは、新型モデルでも引き続き採用されています。

 センターのディスプレイも大型化されるとともに、操作パネルを内蔵。エアコン吹き出しは縦型から横型に変更され、スタイリッシュなインテリアに変更されました。

 新たにデザインされたステアリングは、スポーツカーであることを表現するディープコーン形状とし、操作性のよいグリップ形状や視認性良くまとまったスイッチ類によって性能を最大限引き出すポテンシャルを兼ね備えています。

 また、ボディカラーに合わせた黄色いステッチがインパネなどに施され、シート中央部にはグラデーション加工された黄色いストライプ模様をデザイン。スポーティなインテリアを演出しました。

 エンジンについては、現行モデルは336馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒自然吸気エンジンを搭載していますが、新型モデルの排気量は明らかになっていないものの、V型6気筒ツインターボエンジンを搭載すると発表されました。

 Zはどの世代においても時代をリードするパワフルなエンジンを搭載してきたように、新型モデルの発売に向け、Zに求められる性能と扱いやすさを追求した開発が進められているようです。

 トランスミッションは、現行モデルは6速MTと7速AT(MTモード付)を設定。現時点では新型モデルに6速MTが設定されることが明らかになっていますが、AT車も用意されるものと思われます。

 また、新型モデルではシフトノブの形状も変更されます。現行モデルでは本革巻ですが、本革とピアノブラックのような素材を組み合わせた小ぶりなデザインとしました。

 また、サイドブレーキは昨今主流の電動式ではなく手動式が採用されていますが、運転支援システムの有無についても気になるところです。

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 今回の新型フェアレディZ プロトタイプ初公開では、内外装のデザインが明らかになりましたが、エンジンスペックや発売時期などは未発表です。

 歴代モデルの伝統と、現代のモデルとしての先進性が融合した新型フェアレディZへの期待が高まります。