日産が新型「フェアレディZ」(プロトタイプ)を世界初公開しましたが、そのライバル的存在がトヨタ「スープラ」です。両車の共通点や違いなど、徹底比較してみました。

トヨタと日産のスポーツカー対決が激化!

 2020年9月16日に日産が新型「フェアレディZ」のプロトタイプを世界初公開しました。日産を代表するスポーツカーの新型モデルがお披露目されたということで、大きな話題となっています。

 同じスポーツカーのライバルといえる存在がトヨタ「スープラ」です。2シータースポーツクーペという共通点がある新型フェアレディZとスープラについて、現時点でわかっている情報を元に比較してみます。

 新型フェアレディZは、長年にわたるZの伝統と現代的な雰囲気を融合した新たなデザインに生まれ変わります。

 外観は、初代S30型のシルエットを取り入れ、ロングノーズショートデッキを強調した伸びやかなクーペスタイルへ変更されました。

 ボディサイズは、全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mm。現行モデル比は、全長+122mm、全幅+5mm、全高−5mmと、全長が長くなっていることがわかります。

 また、初代モデルの「240ZG」のイメージを取り入れた「こ」の字のLEDヘッドランプや、歴代モデルから発想を得たテールランプ、四角いジオメトリックなグリル開口部など、新型でありながら、どこか懐かしさを感じさせるデザインへと進化します。

 対するスープラは、2019年5月に発売。2002年に終了となった先代スープラ(A80型)以来、17年ぶりに復活しました。

 スープラはBMWとの共同開発で、BMWのオープンカー「Z4」とエンジンやプラットフォームを共有していますが、デザインなどはそれぞれが独自に手掛けています。

 ボディサイズは、全長4380mm×全幅1865mm×全高1295mmで、新型フェアレディZと比べると、全長はほぼ同じ。スープラのほうが全幅は15mm広く、全高は15mm低くなっており、よりワイド&ローを強調したスタイルです。

 スープラの外観も、ロングノーズショートデッキのシルエットを実現。ショートホイールベースと大径タイヤにより、タイヤの存在を強調しています。

 運転席と助手席の頭上が少し盛り上がったルーフ形状や、ヘッドランプを内側に寄せてフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法は、名車「2000GT」や先代スープラなどから受け継いでいます。

 内装は、両車ともに現代のスポーツカーにふさわしい最先端のデザインを実現しています。

 新型フェアレディZには、12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイが装備されます。エンジン回転計の針が真上を示すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを知らせてスポーツドライビングをアシストする機能は、プロのレーシングドライバーのアイデアが取り入れられました。

 なお、インパネ上部には歴代モデルの多くに採用されてきた3連サブメーターを設置。最新のコクピットでありながら、伝統も受け継いでいます。

 スープラの内装は、スポーツドライブに必要なメーターやパドルスイッチ、ステアリングスイッチなどをタイトに包括。ドライバーをコンパクトに包み込むような新しいコクピットとしました。

 メーターパネルは8.8インチ高精細カラーモニターを採用。タコメーターやシフトインジケーターなど、スポーツ走行時に必要な情報をセンターに集約し、小径ステアリング越しに自然にピントがあるようなフォーカスできるメーターレイアウトとしています。

 また、センターディスプレイやシフトノブのデザイン、ウインカースイッチが左側に装備されるなど、Z4と共通する部分が存在している点はスープラの特徴だといえます。

MTがあるフェアレディZとATのみのスープラ

 新型フェアレディZとスープラのパワートレインはどう違うのでしょうか。

 両車ともFRレイアウトとしているところは共通ですが、エンジンやトランスミッションは異なっています。

 現行フェアレディZには336馬力を発生する3.7リッターV型6気筒自然吸気エンジンが搭載されていますが、新型モデルは3リッターV型6気筒ツインターボになるようです。

 現時点で排気量は非公開であるものの、「スカイライン」の最強モデル「400R」に搭載される、405馬力の「VR30DDTT型」エンジンを採用するといわれています。

 一方のスープラは、歴代スープラに採用されてきた直列6気筒エンジンの伝統を継承し、3リッター直列6気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載。

 当初は340馬力でしたが、2020年10月におこなわれる改良で387馬力にパワーアップします。

 また、3リッターターボに加え、2リッター直列4気筒ツインスクロールターボエンジンも用意。258馬力の「SZ-R」と197馬力の「SZ」という、チューニングが異なるふたつの仕様が設定されています。

 トランスミッションは、両車で違います。新型フェアレディZは、引き続き6速MTを搭載。2ペダルモデルについては明らかになっていないものの、現行モデルは7速AT(MTモード付)も存在することから、新型モデルでもAT車が用意されるのではないでしょうか。

 新型フェアレディZのチーフプロダクトスペシャリストを務める田村宏志氏は、「絶対にMTでなければいけないと思いました」と語っており、フェアレディZは自分で操ることを重視しているといえます。

 対するスープラのトランスミッションは、全車8速ATです。シフトフィールなどを総合的に検討した結果、MTの採用を見送ったといわれていますが、スーパースポーツでも2ペダルが常識となっていることから、速さを求めるにはATのほうが有利だとされています。

 新型フェアレディZの価格については未定ですが、田村氏が「頑張れば手が届く値段にしたい」というように、そこまで高額にならないという見方もできます。

 現行モデルは397万9800円から651万9700円(消費税込、以下同様)であることから、400万円台前半くらいからという価格になるのではないかと予想されています。

 スープラの価格は499万5000円から731万3000円です。現行フェアレディZと比べると、100万円前後の違いがありますが、新型フェアレディが400万円台前半へ値上がりすると、両車は価格面でもライバルだといえそうです。

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 昨今は軽自動車やSUV、ミニバンが人気で、趣味性の高いスポーツカーは低迷しているといわざるをえません。

 しかしそのような状況においても、スープラやフェアレディZのような、日本を代表するスポーツカーの新型モデルが登場することは、喜ばしいニュースです。

 また、国産車では同クラスのライバル車はほかに存在しないことから、2台の対決がどのように繰り広げられるのかは気になるところです。

 新型フェアレディZの情報は今後明らかになっていくものと思われますが、2021年末には登場することは日産の株式総会で明言されているため、いまから期待が高まります。