日産は、2010年からEVの「リーフ」を発売しており、2021年中頃にはSUVのEV「アリア」の投入を予告しています。そんななか、軽自動車タイプのEVを2021年秋頃に発表すると噂されています。どのような軽EVが登場するのでしょうか。

今秋頃に日産から軽EVが登場か?

 2020年、2021年は市販乗用EVや小型EVモビリティが続々と登場予定です。
 
 そんななかで、日産がすでにアナウンス済みの「アリア」以外に軽自動車タイプのEV(以下、軽EV)を2021年秋頃に発表するのではないかと噂されています。どのような軽EVが登場するのでしょうか。

 2020年は、自動車業界が電動化を加速させる大きな節目になった年ともいえます。

 10月末にはホンダが小型EV「ホンダe」を発売、11月末には政府や東京都が「2030年台半ばに純ガソリン車の販売を禁止し、新車販売は電動車のみにする」という方針を打ち出しました。

 また、12月25日にはトヨタがかねてから投入をアナウンスしていた超小型EV「C+pod(シーポッド)」をEV普及に向けて検討を進めてきた法人ユーザーや自治体などを対象に限定的な販売を開始し、一般ユーザー向けには2022年頃を予定しています。

 日本国内でのEV販売は、2009年に三菱が「i-MiEV」を法人向けに販売開始、2010年には日産初代「リーフ」が一般向けに発売されたことから、充電インフラを含めて、普及してきました。

 直近では、前述のホンダeや政府の方針以外にも2021年1月にはマツダが「MX-30」を発売し、2021年夏には日産が「アリア」を発売予定としています。

 一方で、EV普及に関しては過疎化する地方部での小型モビリティが重要とされ、2010年に日産が「NISSAN New Mobility CONCEPT」を発表し、2011年に国土交通大臣認定の取得にあわせて公道走行実証実験に参加しました。

 トヨタは2013年にコンセプトカー「TOYOTA i-ROAD」を発表し、その後2013年10月から愛知県豊田市での実証実験に参画。ホンダは2014年から埼玉県で「MC-β」の実証実験をした実績があります。

 こうした実証実験の取り組みは、さまざまな地方自治体と現在もおこなわれており、限定した地域でのレンタル運用なども始まっています。

 しかし、国土交通省と経済産業省が発表している「xEV普及の考え方」によると、2018年時点でEVおよびFCVの国内での普及は1%未満と依然としてガソリン車やハイブリッド車並みに普及しているとはいえません。

 市販乗用EVが普及するには、インフラ設備の充実はもちろんのこと、手の届きやすい車両価格の設定が求められます。

 前述の小型EVモビリティでは、C+podが165万円からとなりますが、乗車定員が2人乗りと限られるうえ、航続距離は150kmと短距離での移動がメインです。

 市販乗用EVの場合、リーフ(40kWh仕様/航続距離322km))が332万6400円から、ホンダe(航続距離283km)が451万円からと大きく金額感が上がります。

 また、MX-30やアリアも450万円から500万円といわれており、充電時間やインフラなどの課題も含めて考えると依然として購入ハードルは高いようです。

 そうしたなかで、2021年の秋頃にアリアとは別のEVモデルを投入するのではないかと噂されています。首都圏の日産販売店スタッフは次のように話します。

「今年の夏から秋に掛けて、軽自動車の『ルークス』サイズのEVが登場する方向で検討していると聞いています。

 恐らくホンダeのような短期メインの市販乗用EVとなりそうですが、販売側もお客さま側もリーフで培ってきたノウハウもあるので、抵抗なく軽自動車のEVも受け入れられると思います。

 実際にどのような形で導入されるかは未定ですが、リーフ、アリア、新しい軽EV、そして新型『ノート』や『キックス』、『セレナ』のe-POWERなど、今後は電動車といえば日産というイメージが強化できればと思っています」

※ ※ ※

 また、別の販売店では「コロナ禍の影響もあり、2022年にずれ込むかもしれないですが、アリアの次のEVとしては登場する予定だと聞いています」と説明。各自動車メーカーではコロナによって新車販売の計画が変わっていることもあり、今回の軽EVについても明確な販売時期はまだ定まっていないようです。

 そんな注目度の高い軽EVは、2019年に開催された「東京モーターショー2019」で軽自動車クラスというコンパクトなボディサイズをもつコンセプトモデル「ニッサン IMk」として公開されています。

 さらに、2020年5月に同社の事業構造改革として公表された「Nissan NEXT」にて、今後のEVラインナップに軽EVが投入予定として明らかにされていたため、近い将来に市販化されるのは間違いなさそうです。

 そして、この軽EVが200万円台から登場すれば、市販乗用EVの価格面においてEV普及の大きな後押しとなるかもしれません。

リーフ登場から10年経過。ユーザーの反響はどうなのか。

 日本でのEV市場をけん引してきたリーフは、2020年で発売開始から10周年を迎えるとともに、グローバル累計販売台数が50万台に達しました。

 実際に、現在までにリーフを購入したユーザーの反響はどうなっているのでしょうか。

 前述とは別の日産販売店スタッフは以下のように話しています。

「リーフに関心を持っているお客さまは一定数いらっしゃいます。購入まで至らないものの、試乗を希望されるお客さまは多いです。

 私自身も所有していますが、バッテリー容量が小さいモデルでも満タンまで充電すれば280kmを走行することができる点は評価でき、この点はお客さまからもご好評です。

 また、リーフなどで蓄えた電気を家で使えるシステム『V2Hシステム』を利用することによって、災害時の停電にも対応できるため、万が一に備える防災の意識が高まったことで、関心を持たれるお客さまも増えている印象です」

 現在、日本全国に点在する約2000店の日産販売店には、そのほとんどに充電設備を設置しています。

 こうした充電インフラの配備もリーフがコンスタントに売れる要素なのかもしれません。

 リーフe+を所有する40代の男性は次のように話します。

「自宅は、充電設備の無いマンションですが、近所に日産の販売店があり、営業時間以外でも急速充電が可能なので利用しています。

 また、遠出をしたとしても最近では日産の販売店以外にもホテルや商業施設に充電設備が設置されているため、あまり電欠の心配をしたことはありません」

※ ※ ※

 今後、各社から市販乗用EVが本格的に投入されることで、充電インフラの整備が課題となるものの、現時点においては大きな問題はなさそうです。