ダイハツは軽トラック「ハイゼットトラック」をベースにした本格スポーツモデル並みのカスタムカーをお披露目しました。もはや、サーキット最速も夢ではない楽しいハイゼットとは、どのようなものなのでしょうか。

ハイゼットってスーパーカーかもしれない…。

 ダイハツが1960年に発売した軽自動車の「ハイゼット」は、2020年で誕生から60年を迎えました。
 
 それを記念したプロジェクトとして、ハイゼットトラックをベースにしたカスタムカーがお披露目されましたが、どのような特徴を持っているのでしょうか。

 初代ハイゼットは、高度経済成長期の真っただなかに、当時大ヒットしていた軽三輪自動車「ミゼット」に続き、ダイハツ初の軽四輪自動車(360cc)として発売されました。

 当時の軽四輪自動車のイメージを刷新する斬新なデザインで、積載性だけでなく、居住性にも追求。当時は、ボンネットトラック、ライトバン(ボンネットバン)、キャブバン(現在の軽バン)の3タイプを展開。

 現行モデルは、2004年に10代目となる軽バン「ハイゼットカーゴ」、2014年に軽トラックとして前述のハイゼットトラックがラインナップされています。

 そうした長い歴史を持つハイゼットですが、ダイハツは2021年1月15日から開催される「バーチャルオートサロン2021」への出展に併せて、ダイハツのスモールカーをベースにしたカスタマイズカーを提案するとしています。

 そのひとつとして、ハイゼットトラックをベースとして、果樹園で実際に改造して使われている“屋根を切った”軽トラックから着想を得てレース仕様にカスタマイズした「ハイゼット ジャンボ スポルツァVer.」がお披露目されました。

 このハイゼット ジャンボ スポルツァVer.は、見た目から存在感を現しており、屋根が存在しないというポイント以外にも内外装にスポーティーなカスタムが施されています。

 フロント部分では、ヘッドライト下側から続くバンパーをエアロ形状で作り直し、左右ドアは屋根やピラーが無くなった分を樹脂パーツで覆っています。

 サイドビューでは、助手席側の荷台下に3本のマフラーが装着されており、3気筒エンジンのため3本で排気するようにエキゾーストパイプの構造自体にも手が加わっているようです。

 ドアには、「60・ラグナ青果」というデカールが貼られ、60周年を記念する数字に加えて、アメリカのサーキットである「ラグナ・セカサーキット」と青果を掛け合わせた造語だといいます。

 また、足回り部分ではサーキット走行を想定した仕様に変更されており、KTV Ultimate製の車高調、レイズ製のTE-37鍛造ホイール、横浜ゴム製アドバンA050のセミスリックタイヤといった社外パーツを装着しています。

 さらには、同社の軽スポーツ「コペン」のブレーキを流用し、ベンチレーテッドディスクブレーキや大きめのキャリパーを採用。

 車内においては、レースカーなどに採用されるクイックリリース式のステアリングボスやモモ製の小径ステアリング、アルミペダル、D-SPORT製シフトノブ、フルバケットシートと4点式シートベルトなど、本格スポーツカー顔負けです。

 今回のハイゼット ジャンボ スポルツァVer.について、ダイハツの第一デザイン室・米山知良氏は次のように解説しています。

「ハイゼットというと身近な軽トラなのですが、ハイゼットは身近な軽トラですが、見方をかえればマニュアルで、ミッドシップで、オープンという、スーパーカーと同じような機能性を持っています。

 ハイゼットは、レースのためのクルマではないが、身近なクルマで楽しんだらどうかな、と思って今回提案しました。

 また、コロナ禍でも見て楽しめるクルマを作りたい、実車を見られなくてもSNSや映像で見て笑ってもらえるような、クルマで人を笑顔にしたいという想いで思い切った仕様を作ったというところです」

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 なお、内外装やホイールに赤のアクセントカラーが採用されている理由について、前述の米山氏は、「60周年を迎えたハイゼットは、還暦ともいえるため、還暦の際に赤いものを身に付けることから、赤を取り入れました」と説明しています。

 究極のスーパーカーともいえるハイゼット ジャンボ スポルツァVer.ですが、「クルマは楽しい」ということをアピールするには最適なカスタムカーといえるかもしれません。