2021年1月21日にNEXCO東日本関東支社は「関東地域の高速道路における冬用タイヤ装着状況調査結果」を発表しています。そのなかで、首都圏地域の小型車の冬タイヤ装着率は47.8%と約半数が未装着という結果となりましたが、なぜ小型車の装着率が低いのでしょうか。

なぜ首都圏の小型車は冬タイヤの装着率が低いのか

 今冬シーズンは、例年と比べて雪にまつわる交通トラブルが多発しています。
 
 しかし、NEXCO東日本関東支社によると関東地域の高速道路における冬用タイヤ装着では、一部車種で3割が冬タイヤを未装着だといいます。
 
 なぜ、突然の大雪の可能性が高まっている今冬でも冬タイヤ未装着車が一定数存在するのでしょうか。

 今冬の高速道路では、2020年12月16日から18日に関越自動車道において、大雪や劣化した冬タイヤ装着車などの影響により2000台以上が立ち往生。

 2021年1月9日から11日には、北陸自動車道にて1000台以上が大雪による立ち往生を強いられました。

 10日後の1月19日には、東北自動車道にて約140台のクルマが降雪やホワイトアウトによる影響で事故が発生し11人が救急搬送、その内1人が死亡しています。

 そのほか、JAFの宮城支部は2020年12月29日から2021年1月3日までの年末年始6日間の、管内におけるJAFロードサービス実施件数を発表。

 期間中にJAFがロードサービスを実施した件数は813件で、前年同期間の696件と比べて117件増加する結果となりました。

 このロードサービスの増大には降雪が大きく影響しており、JAFは「最近、大雪によるクルマの立ち往生が各地で発生しておりますので、悪天候時は不要不急の外出は控えるようお願いいたします。また、出掛ける際には冬用タイヤやチェーンなどの対策をお願いします」と注意を呼びかけています。

 そうしたなかで、2021年1月21日にNEXCO東日本関東支社は「関東地域の高速道路における冬用タイヤ装着状況調査結果」を発表しています。

 全2824台を対象にした調査は2021年1月13日と17日に実施。その結果によると、降雪地域の装着率は小型車が95.2%、大型車が100%となっているのに対して、首都圏地域では小型車が47.8%、大型車96.2%の装着率と、小型車の約半数が冬タイヤを未装着という結果となりました。

 これは2020年12月9日、13日に実施した前回と比べて、装着率は大きく上昇したものの調査をおこなった首都圏地域(東北自動車道蓮田SA・関越自動車道三芳PA・常磐自動車道守谷SA)は、前述の立ち往生が発生した東京からの入り口に当たる部分であるため、考え方によっては装着率が低いといえます。

 この装着率に対して、NEXCO東日本は次のように注意喚起をおこなっています。

「普段雪が降らない首都圏地域であっても、路面凍結や降雪に見舞われることがあります。

 積雪・凍結路面において、冬用タイヤに比べて夏用タイヤでの走行は事故が増えます。

 夏用タイヤでの走行は大変危険ですので、冬用タイヤの装着及びタイヤチェーンを携行し、安全なドライブをお願いします」

なぜ冬タイヤを装着しない? その理由は?

 首都圏とくに東京都心などでは、年に数回しか降雪する機会はありません。しかし、例年ではその数回の降雪で都市部の交通は大混乱に陥ります。

 冬タイヤを装着していても雪道に慣れていない人や、夏タイヤのまま走行する人などにより、事故が多発するのです。

 年に数回しかないものの備えあれば憂いなしといえますが、実際に都市での冬タイヤ事情はどうなっているのでしょうか。

 東京都内のタイヤ専門店スタッフは次のように話します。

「都内のお客さまは、基本的に仕事やレジャー・旅行などで積雪地域に出掛けられる人は例年11月までに夏タイヤから冬タイヤに交換されています。

 しかし、軽自動車やコンパクトカーなどに乗っている近所しか走らないという人では、そもそも冬タイヤの重要性をあまり理解されていないことも多く、冬タイヤの購入自体を検討されていない人も見受けられます。

 また、積雪する回数が少ないことは冬タイヤの装着率を下げている1番の要因で、その数回のために新規購入・交換工賃などが勿体ないと考える人も少なくありません。

 ただ、去年末から今年に掛けては連日のように大雪による立ち往生が報道されたことで、保険として冬タイヤを購入される人も増えてきた印象です」

 また、埼玉県内の整備工場のスタッフは次のように説明しています。

「当店は埼玉県の真ん中に位置していることもあり、各地域の固定客からの整備依頼を受けています。

 冬タイヤへの交換に関しては、北部地域に住んでいるお客さまは軽自動車、小型車、普通車に限らず例年12月までに交換されています。

 一方で南部のお客さまでは、軽自動車やコンパクトカーは近所の足代わりとして使われることが多いためか、冬タイヤに交換されることは少ないと思います。

 なかには、小型車と普通車の2台持ちのお客さまは普通車では遠出するので冬タイヤに交換するものの、小型車は県内くらいの移動が中心ということで、冬タイヤは購入自体していないそうです」

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 今回のNEXCO東日本関東支社の調査では、小型車の冬タイヤ装着率が低いという結果でしたが、近場の移動が中心となる小型車ならではの需要が装着率を下げている要因だといえそうです。