2012年に発売されたトヨタ「86」が、イギリスで販売終了したことが発表されました。次期モデルへの期待がかかる86ですが、同国のユーザーにとってはどのようなモデルだったのでしょうか。

イギリスで9年間に約7500台を販売したトヨタ「86」

 トヨタのイギリス法人は、FRスポーツカー「GT86(日本名:86 ハチロク)」を販売終了し、約9年にわたる歴史に幕を下ろしたことを2021年2月3日に明らかにしました。

 86は、トヨタとスバルが共同開発したFRスポーツカーで、2012年に発売。スバルでは「BRZ」として販売されました。

 スポーツカーの新型モデルを登場させるという議論は2005年にさかのぼり、その翌年にはエントリーモデルのスポーツカーを作るための「チーム86」が発足。企画とデザインはトヨタ、開発・製造をスバルが担当しています。

 2011年の東京モーターショーでは、世界でもっともコンパクトな2+2クーペとして市販モデルがデビュー。翌年2012年7月に英国での販売を開始し、メディアや世間の注目を集め、トップギア誌のカー・オブ・ザ・イヤーをはじめとする数々の賞を受賞しました。

 搭載されるエンジンはスバル製の2リッター水平対向4気筒エンジンに、トヨタの直噴技術「D4-S」を組み合わせたもので、最高出力207馬力、最大トルク212Nmを発揮(後期6速MT車)。張りのあるルックスと軽快なハンドリングで、本格的なドライバーズカーとして成功を収めています。

 また、レースの世界でも活躍し、GT86はGT4サーキットレースに参戦。ラリー用に開発されたGT86は、スポーツ走行もレジャーにも対応することを想定して設計され、長年にわたってホモロゲーションされた初の後輪駆動のラリーカーとなりました。

 さらに、世界的に人気のあるゲームに新たに加わったことで、実際に所有していない人でもGT86の体験に参加することができましたほか、アニメ「イニシャルD」に登場する「AE86」をイメージした白黒のGT86が登場するなどの盛り上がりを見せました。

 イギリスでは累計約7500台を販売したGT86ですが、販売終了を記念に作成された動画では「GOOD BYE GT86」の言葉とともに、これまでの86の雄姿を見ることができます。

トヨタのイギリス法人は、「もちろん、これで物語は終わりではありません」とコメントしており、次期モデルが登場することを示唆しています。

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 日本での86ですが、トヨタの公式サイトでは販売終了のアナウンスはありません(2021年2月8日現在)。しかし、すでに在庫車のみの販売になっているようです。

 兄弟車のBRZは、2020年7月に生産終了。その後、同年11月に北米仕様の新型モデルが世界初公開されており、内外装のデザインとともに、2.4リッター水平対向4気筒エンジンが搭載されることが明らかになりました。

 新型86の情報はまだわかっていないものの、パワートレインは新型BRZと同じ2.4リッターエンジンを搭載すると見られるほか(6速MT/6速AT)、GRモデルのひとつとなり、デザインはほかのGRモデルと共通の「ファンクショナルマトリックスグリル」を採用することが予想されます。

 新型86、新型BRZともに、一日も早い日本仕様の登場が待たれます。