フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は2021年2月9日、「VGJ2021」記者会見をオンラインで開催した。記者会見にはVGJのティル・シェア社長が登壇、2021年に日本に上陸する新型モデルについて発表があった。

新型ゴルフヴァリアントも2021年内に登場予定

 フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は2021年2月9日、オンラインで「VGJ2021」プレスカンファレンスを開催した。

 冒頭、2020年の販売台数について発表があった。それによるとフォルクスワーゲン(VW)グループは2020年、全世界で930万5400台を販売したという。前年対比マイナス15.2%という結果だった。

 新型コロナウイルス感染拡大が自動車市場に及ぼした影響は大きく、とくに欧州市場の361万6900台(前年比マイナス20.5%)、北米市場の78万5800台(同マイナス17.4%)と、主要市場でのマイナス幅が大きかった。

 ただし中国市場を含むアジアパシフィックでは412万2200台と前年比マイナス9.0%にとどまり、さらに2020年後半からは順調に回復しているという。

 VWブランド単体での世界販売台数は532万8000台と、前年比マイナス15%となった。そんななかでも明るい話題もあり、2020年7月に欧州で導入された電気自動車(EV)「ID.3」が好調で、ドイツではVWが2020年EVナンバーワンブランドになった。

 日本においては2020年、3万6574台の新車登録台数を記録、前年比マイナス22%という結果となった。これは当然コロナ禍の影響が大きいが、ニューモデルの導入が「T-Cross」と「T-Roc」しかなかったこともある。そんななか、T-Crossは輸入コンパクトSUVとしてナンバーワンとなるなど好調なセールスを記録した。

 VGJ2021記者会見では、2021年に日本に上陸するニューモデルの具体的な車種が明らかとなった。そのモデルを登場予定時期と合わせて紹介していこう。

●新型「ゴルフ」:2021年年央

 VGJ2021記者会見で発表されたなかで注目のニュースは、新型ゴルフの先行受注を開始したということだろう。8代目となる新型ゴルフは、2021年年央に日本で発表、発売される予定だ。

 新型ゴルフのボディサイズは全長4284mm×全幅1789mm×全高1491mm、ホイールベースは2619mm。現行モデル「ゴルフ7」と、ほとんど変わらないサイズだ。

 新型ゴルフの特徴としては、48Vマイルドハイブリッドシステム(MHV)「eTSI」と呼ばれる1リッター、および1.5リッターのガソリンエンジンが用意されることだろう。これは48Vのリチウムイオン電池とベルト駆動式スターター・ジェネレーターからなるシステムで、減速エネルギーの回収やモーターでのアシストをおこなう。

 日本で展開されるグレードは、まずは1リッター直列3気筒ターボMHV「eTSIアクティブ」、および1.5リッター直列4気筒ターボ「eTSIスタイル」「eTSI Rライン」の3種類と発表されている。今後はディーゼルモデルやプラグインハイブリッド、さらにスポーツモデル「ゴルフGTI」「ゴルフR」の導入もあるが、2021年内には予定されていない。

●新型「ゴルフヴァリアント」:2021年後半

 欧州では2020年11月に登場した、新型ゴルフをベースにしたステーションワゴンモデル「ゴルフヴァリアント」も2021年年内に登場する見込みだ。

 新型ゴルフヴァリアントは、全長4633mm、ホイールベースは2686mmと、先代に比べてそれぞれ66mmプラスとなっている。また5ドアハッチバックの新型ゴルフと比較すると、全長は349mm長く、ホイールベースも67mm長い。ゴルフヴァリアントの全幅は1789mm、全高は1455mmとなる。

 全長とホイールベースの延長は、車室内の広さをもたらしている。後席レッグルームは現行型の903mmから941mmに増加。さらに荷室容量は611リッターと6リッター増え、後席を畳んだ際の最大荷室容量は1642リッターと22リッター増えている。

 ゴルフヴァリアントは1992年の登場以来、これまで累計約300万台が販売されたCセグメント・ステーションワゴンだ。3代目ゴルフIIIの時代から現在まで、計6世代のモデルが販売された。

フラッグシップワゴン「アルテオン・シューティングブレーク」も年内に上陸

●新型「パサート」「パサートヴァリアント」:2021年前半

 ヨーロッパでは2019年6月に登場した改良新型パサートが、2021年の前半に日本に上陸の予定だ。

 フロントグリルやフロントバンパーが新しくなり、さらに最新のLEDヘッドライトを搭載。またオプションで「IQライト」と呼ばれるLEDマトリクスヘッドライトを用意、より上質なエクステリアとなっているのが特徴だ。

 インテリアでは第3世代のデジタルコックピットに進化しているのが特徴。また新開発の常時コネクテッドによる新世代インフォテイメントシステムを搭載、さらなる利便性の強化を図っている。

●新型「ティグアン」:2021年前半

 欧州で2020年7月に登場したミドルサイズSUV、改良新型「ティグアン」も2021年前半に日本に上陸する予定だ。

 エクステリアで変更されたのは、フロントまわりのデザイン。ボンネットはよりシンプルなラインを描き、LEDヘッドライトを備えた幅広のラジエーターグリルに変更、デザインが新しくなったVWバッジは中央に配置された。さらにバンパーデザインも一新されている。

 インテリアでは、第3世代となるモジュラーインフォテインメントマトリクス(MIB3)を搭載。常時オンライン接続が可能になっている。Apple CarPlayのワイヤレス機能にも対応している。

 またタッチコントロールを備えた新たなステアリングホイールを採用。タッチスライド式のエアコン調整なども採用している。

●新型「アルテオン」「アルテオン・シューティングブレーク」:2021年後半

 欧州では2020年6月に登場したVWのフラッグシップ5ドアクーペ、改良新型「アルテオン」。同時に登場したニューモデル「アルテオン・シューティングブレーク」とともに、2021年内に日本にやってくる予定だ。

 アルテオンは2017年に登場したVWのフラッグシップ・グランツーリスモで、はじめて大幅なマイナーチェンジがおこなわれる。

 従来、ファストバックの5ドアクーペスタイルのみだったが、スタイリッシュな5ドアツーリングワゴンのアルテオン・シューティングブレークを追加、日本では同時に登場すると予想される。

 アルテオンとアルテオン・シューティングブレークのフロントデザインは同じだが、Bピラーから後ろはまったく異なるエクステリアデザインとなる。アルテオン・シューティングブレークの荷室容量は565リッター、後席をたたむと最大1632リッターを実現。ファストバックのアルテオンの通常時荷室容量は563リッター、最大1557リッターだ。

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 今回、おおよその日本導入時期が明らかにされたが、生産地における新型コロナウイルスの感染拡大状況や、現在の世界的な半導体不足の影響で、今後スケジュールが遅れる可能性もあるという。

 フルEV、「ID.3」の日本上陸は、2021年にはおこなわれない。2022年に導入され、2023年にはID.シリーズを本格導入するという。これが日本における「次世代モビリティシフト」というVWの戦略だ。