2月22日は「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせで猫の日制定委員会が制定した「猫の日」です。屋外にいる猫は東京都内だけで25万匹いると推定されており、そのため交通事故に巻き込まれるリスクを猫は抱えています。悲惨な事故を減らすために、私たちにできることは一体何でしょうか。

年間30万匹超 猫の交通事故を減らすために出来ることは

 2月22日は、猫の日制定委員会が「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせから制定した「猫の日」です。猫は屋外で放し飼いされていることもあるほか、野良猫として暮らしている猫もよく見かけます。そのため、猫は比較的交通事故に巻き込まれやすい動物でもあるのです。

 悲惨な事故を減らすために、私たちにできることは一体何でしょうか。

 猫の交通事故について、NPO法人 人と動物の共生センターが発表した「全国ロードキル調査報告」によると、2017年の1年間に道路で命を落とした猫の推計数は34万7918匹に上ったといいます(交通事故以外が原因の死亡も含む)。

 環境省が発表している同年の猫の殺処分数は3万4854匹なので、およそ10倍の数の猫がロードキルの被害に遭っている状況です。

 要因としては、屋外で飼われている猫やそもそも飼われていない野良猫がいることが挙げられますが、じつは猫の生態も交通事故に遭いやすい要因のひとつといわれています。

 京都大学の動物心理学研究チーム「CAMP-NYAN」は、猫が交通事故に遭いやすい要因について、次のような見解を示しています。

「実は猫には『クルマと直面した時に恐怖で身動きが取れなくなってしまう』といった、万が一のときに“事故を避けられない生態”があります。

 機敏なイメージの猫ですが、迫りくるクルマの前では無力であることを知ってほしいのです。万が一のとき、事故を避けられるのは人間だけです」

 猫との交通事故を避けるために、ほかのクルマや歩行者と交通事故を起こしてしまうのは本末転倒ですが、ドライバーの視点からも常にロードキルのリスクに備えて慎重な運転をすることが必要です。

 影から猫や子どもが飛び出すことが予想される住宅地では、周囲の様子に気を配るほか控えめな速度で走行するなど、安全運転の基本を遵守することが求められます。

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 猫の交通事故を防ぐために、飼い主にできる対策とはいったい何でしょうか。

 東京都福祉保健局の担当者に聞いたところ、「交通事故防止という観点では、室内飼いをしていただくことのほかに飼い主ができることはあまりありません。外だとコントロールができないので、猫への危害防止という観点からも室内飼いを推奨しています」と話します。

屋外の猫は都内に25万匹 「猫の恋」で交通事故リスク増える?

 また、東京都福祉保健局の担当者は猫の飼い主にお願いしたいことのひとつとして猫の身元表示を挙げています。

「隠れた場所に連絡先を記載した首輪をつけてもらうことや、マイクロチップの装着による猫の身元表示を推奨しています。

 万が一、猫が交通事故に遭って施設に収容されたとき、その猫の身元がわかれば飼い主に連絡することができるので、ぜひお願いしたいです。外飼いの猫だけでなく室内飼いの猫の場合でも、家から逃げ出したときや災害時に約に立ちます。

 なお2022年6月から、犬猫等販売業者については取得した犬や猫へのマイクロチップの装着が義務付けられるほか、一般の飼い主に対しても犬や猫へマイクロチップの装着が努力義務となるので、身元が分からない猫の割合は減少すると思われます」

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 犬と違い、猫には登録制度がないほか、外飼いの猫に加え多くの野良猫が暮らしていることから、屋外にいる猫の正確な数の把握は難しいとされています。

 東京都の事例では、1998年の2月から5月に東京都福祉保健局が全国ではじめて都内の猫の生息数を調査して推計。その後2006年の9月から12月、2011年10月から2012年3月にも調査を実施してきました。

 最新の調査である2017年9月から2018年3月のデータを見ると、室内飼いの猫・外飼いの猫・野良猫をあわせて都内には117万匹の猫がいると推計されていますが、内訳では室内飼いの猫は92万匹で、外飼いの猫は15万匹、野良猫は10万匹とされています。

 すなわち交通事故のリスクにさらされている猫の数は、都内だけでも25万匹いるといえますが、猫に罪はありません。

「猫の恋」が春の季語であることからもわかるように、春から夏にかけての暖かくなる季節は猫の繁殖シーズンであるといわれています。

 前出の東京都福祉保健局担当者も「野良猫が春からの繁殖シーズンで増加することで、交通事故リスクが増えることも懸念されます」と心配の声をあげます。

 自動車関連の企業が取り組んでいる猫の命を守るための取り組みとしては、イエローハットが「全国交通にゃん全運動」を展開しているほか、日産がボンネット内に入り込んだ猫の命を守る「猫バンバンプロジェクト」を推進しています。

 交通事故などで不幸な目に遭う猫が1匹でも減るよう、ドライバーも含め、猫の日をきっかけに考えていくことが重要です。