かつてのクルマは、高速走行時に「キンコン♪キンコン♪」と警報音を鳴らす装置が搭載されていましが、いつの間にか廃止されています。しかし、最近では後付け装備のレーダー探知機に速度警告音を鳴らす機能が搭載されているといいます。なぜ一度姿を消した速度警告音は復活したのでしょうか。

速度警告音はなぜなくなった?

 ひと昔前のクルマには、一定の速度を超えると「キンコン」と速度警告音を出す装置が備わっていました。

 しかし、最近は速度警告音の出るクルマは見られなくなってきます。なぜ、「キンコン」の音はなくなってしまったのでしょうか。

 速度警告音は、普通自動車で105km/h程度、軽自動車で85km/h程度を超えた際に音が鳴る装置です。速度の出し過ぎによる事故防止を目的として搭載されていました。

 1974年から義務付けられており、装着が始まった初期は、メーターの裏側に装着された小型の鉄琴を叩いて音を鳴らすクルマも多く存在し、「キンコン」という軽やかな音が聞かれました。そのため、「キンコンチャイム」とも呼ばれています。

 その後も、物理的に音を出していたのが電子音に変わるなどしながら、1980年代後半まで10年以上にわたり見られましたが、1986年に義務付けが廃止され姿を消しました。

 なぜ、速度警告音はなくなってしまったのでしょうか。

 速度警告音について、1970年代の義務化が始まった当時から自動車整備をしているベテラン整備士は以下のように話します。

「速度警告音が導入された当時は、高度経済成長期のなかで、クルマの性能が急激に向上した時代でした。クルマとしてはダットサン『サニー』、ダイハツの『シャレード』、ホンダ『シビック』が登場したころです。性能が上がったということもあり、スピードを出すクルマが社会問題化され、速度警告音が導入されたのではないかと考えられます。

 当時から整備をしていますが、車検項目にも音が鳴るかどうかのチェックも存在していました。

 しかし、日本独自の規制であったため、輸入車の車検をパスするために後付けしなければならないということもあり、販売店やユーザーからすると非常に手間だったのではないでしょうか。

 また、1980年代は日米貿易摩擦でとくに日本車が標的にされていたこともあり、こういった日本独自の規制は廃止されていったのではないかと思います」

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 安全のために搭載されている速度警告音は、日本独自の規制でした。

 このような規制があることで、日本に自動車を輸出したい海外メーカーにとって、本国では必要のない改造を施す必要があり、非常に面倒で手間がかかるものだったといえます。

 そんななかアメリカでは、1980年代前後日本車が好調だったため、日本車の輸入規制とアメリカ車の輸出強化を推し進めていました。

 日本もアメリカでの現地生産やパーツなどの輸入など対応をしているなかで、こうしたアメリカ車のハードルになるような規制を撤廃したという考え方ができます。

なぜ速度警告音はレーダー探知機で復活?

 現在では搭載されなくなってしまった速度警告装置ですが、当時はオプションとして鳴らせるような設定もできたとされています。

 そんななか、オービスなどの速度取締装置から発せられるレーダーを察知して教えてくれるレーダー探知機でも一定の速度を超えた際に警告音を出すことができるようです。なぜそのような機能を設けているのでしょうか。

 レーダー探知機メーカーの担当者は以下のように話します。

「レーダー探知機は基本的に安全運転を支援するものです。そのため、速度警告音同様に取り締まりがおこなわれている区間やオービスの位置などを知らせるのと同じように、うっかりでの事故を減らすために警告音が鳴るよう設定されています。

 また、警告音が鳴る速度は自身で設定できます。理由としては、ユーザーのドライブスタイルに合わせて超えると危険だと感じるスピードを設定していただきたいという思いがあります」

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 速度警告音同様に、レーザー探知機も安全運転を支援するために警告音が鳴る仕組みとなっているようです。

 速度警告音はスピードの出しすぎを防ぐ安全運転のために義務化されるも、現在では姿を消しています。

 しかし、類似したものがレーダー探知機に採用されるなど、現在でも一定の需要は存在するようです。