トヨタが高速道路などでの手放し(ハンズフリー)運転を可能とする運転支援機能「Advanced Drive」を発表しました。同様の技術で先行する日産、スバル、ホンダとそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。

国産車メーカー4社の「手放し運転」機能を比較

 トヨタが2021年4月8日、高度運転支援技術の新機能「Advanced Drive」を発表しました。ドライバーは高速道路などの本線上で、作動条件が整えばステアリングやアクセル、ブレーキの操作から解放されるというものです。
 
 この、走行中にハンドルから手を放すことができる「ハンズオフ」を実現した運転支援機能は、国産車メーカーではトヨタに先駆けて日産、ホンダ、スバルも実用化しています。

 しかしひと口に「ハンズオフでの走行が可能」といっても、その条件や動作はメーカーによって少しずつ異なります。

 それぞれどのような特徴や違いがあるのでしょうか。メーカー別に紹介していきます。

●日産「プロパイロット2.0」

 国産車で初めてハンズオフを実現したのが、日産の運転支援システム「プロパイロット2.0」です。2019年9月に13代目「スカイライン」のマイナーチェンジにあわせて初めて搭載されました。

 高速道路(高速自動車国道法の定める高速自動車国道や、道路法の定める自動車専用道。以下同じ)の本線に合流し、ナビゲーションシステムでセットしたルートと連動した走行になると、同一車線内のハンズオフ運転が可能になります。

 前方に遅いクルマがいて、追い越し可能とシステムが判断すると、ドライバーに追い越しを提案。ドライバーがスイッチ操作で承認すると右側へ車線変更します。

 ハンズオフを可能とするプロパイロット2.0は、GPS電波を受信しないトンネル内といった状況下には対応していません。また、側方にいる車両には反応しないため、合流やカーブ地点、大型車が並走しているときなども自分でハンドルを握って必要に応じて操作することになります。

 現在、プロパイロット2.0は前述のスカイラインと、2021年中に登場が予定されているクロスオーバーEV「アリア」に搭載が予定されています。

●スバル「アイサイトX」

 スバルの運転支援システム「アイサイトX」は、2020年11月に発売された「レヴォーグ」で初めて採用されました。

 高速道路を走行中、渋滞などでスピードが50km/h以下になり、作動条件が満たされると、ハンズオフでの走行が可能となります。

 ただし、この機能は渋滞時の使用をが想定しているため、先行車がいないと機能しません。また、スピードが50km/hを超えると、ドライバーによるハンドル操作が必要となります。

ホンダは一歩進んだ運転機能を実現! テレビ視聴もOK!

●ホンダ「ホンダ・センシングエリート」

 ホンダの「ホンダ・センシングエリート」は2021年3月、新型「レジェンド」に初搭載されました。国土交通省が世界で初めて自動運転レベル3の形式指定をしたクルマです。

 前述の日産「プロパイロット2.0」やスバル「アイサイトX」を搭載したクルマの自動運転レベルは、ドライバー主体の運転となる「2」ですが、「ホンダ・センシングエリート」を搭載したレジェンドは、システム主体の運転が一部で実現した「3」です。

 なお、前述のモデル同様に高速道路上で、ハンズオフでの走行が可能で、ドライバーによるウインカー操作のほか、システムの判断により、ドライバーが手を離した状態でもクルマは車線変更をおこないますが、この状態までは自働運転レベル2となります。

 レジェンドにおいて、自動運転レベル3となるのは「ホンダ・センシングエリート」のひとつの機能となる「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」を使用した状態です。

 これは、高速道路の渋滞時など一定の条件下で、システムがドライバーに代わって運転操作をおこなうもので、この機能が作動している間ではシステム主体となります。

 ポイントは、運転主体がドライバーではなくシステムになるということで、ドライバーはその間、テレビの視聴などが可能となります。

●トヨタ「Advanced Drive」

 2021年4月、トヨタ/レクサスにおいて最新の高度運転支援技術「Toyota Teammate/Lexus Teammate」の新機能として「Advanced Drive」を搭載するトヨタの新型「MIRAI」とレクサスの新型「LS」が発表されました。

 これは、ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路を走るとき、システムが車線・車間の維持、分岐などをおこないます。

 特徴は「人に寄り添った運転支援」です。たとえば大型車と並走する際は、車線の真ん中を走るのではなくやや右側や左側に寄って大型車との間隔を確保し、近くて不安を感じるような状況を回避します。

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 取り上げた機能やシステムは、「ホンダ・センシングエリート」の渋滞運転機能「トラフィックジャムパイロット」を除き、ドライバーの運転を支援するものです。

 運転主体はドライバーであり、システムはあくまでも運転を支援するのにとどまります。そのため手を放しているときも、ドライバーは常に前方を見るとともに、すぐにハンドルを握れるようにしておくことが求められます。

 また、輸入車でも運転支援システムを搭載しているクルマが増えてきています。ハンズフリー機能のほかにも運転支援機能はさまざまな種類が用意されていますから、選ぶときや使用する際は、それぞれのシステムの役割や機能、限界などを十分に理解しておくことをおすすめします。