約30年前の国産スポーツカーは生産終了してから長い年月が経過していますが、中古車市場では新車価格の2倍以上となっていることもあります。現在はどのようになっているのでしょうか。

1990年代は日本車黄金期だった!

 昨今、1980年代末から1990年代のクルマの価格が高騰しています。当時の新車販売価格を上回る価格高騰中古車にはどのようなクルマがあるのでしょうか。

 今からさかのぼること30年以上前の1990年代では、歴史に残る名車が数多く誕生した日本車の黄金期といっても過言ではありません。

まずは1980年代末から1990年代にデビューし、当時の新車販売価格を上回る値段にまで高騰した名車を4車種紹介します。

 日産「スカイラインGT-R(BNR32型)」(通称:R32 GT-R)は、1989年に登場した8代目スカイラインのスポーツバージョンです。

 スカイラインGT-Rとしては、3代目となり、最高出力280馬力、最大トルク36kgmの2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」を搭載しています。

 また、当時としては最新鋭であった四輪駆動システムの「ATTESA E-TS」や四輪操舵システムの「Super HICAS」を採用。

 デビュー当時の新車販売価格は445万円でしたが、現在状態が良いR32 GT-Rを購入しようとすると、新車販売価格の2倍以上の金額になることが多いほど、人気の車種となり、なかには新車販売価格の3倍以上になる1500万円を超える車両もあります。

 R32 GT-Rの高騰理由について、中古車販売店は次のように話しています。

「R32 GT-Rは、中古車市場での個体数が増えないので、価格が下がりにくくなっています。

 今後価格が高騰するかどうかはわかりませんが、状態が良い車両は1000万円前後の価格になることがあります」

※ ※ ※

 次に紹介するのは、トヨタ「スープラ(JZA80型)」(通称:80スープラ)は、1993年に登場した4代目です。

 スタイリングは、丸みを帯びたボディパネルに固定式のヘッドライトを装着した2ドアクーペを採用。エンジンは、3リッター直列6気筒の自然吸気とツインターボの2種類が用意されています。

 なかでも、ツインターボエンジンを搭載したRZグレードは、最高出力280馬力、最大トルク44kgmを発生させ、国産車初となる6速MTが組み合わされています。

 当時の新車販売価格は290万円から472万円となり、中古車価格をみてみると、車両の状態により大きく異なりますが、状態が非常に良い車両は、新車販売価格の約6倍の2400万円というプライスの車両もあります。

 80スープラについて、中古車販売店は次のように話しています。

「80スープラの中古車は、状態次第で価格が大きく異なります。

 状態が良い80スープラの数は、少なく貴重な存在であるため、高額になりやすいです。

 中古車価格が高騰する理由は、国内と海外の両方で高い人気があり、需要が耐えないため、80スープラの中古車相場は、今後も下がることがないでしょう」

※ ※ ※

 続いてホンダの初代「NSX(NA1型)」は、1990年にデビューしたスポーツカーです。

 エンジンを座席と後輪の間に搭載するミッドシップレイアウトを採用し、後輪を駆動させるMR(ミッドシップ・リアドライブ)としていることが特徴です。

 ホンダのエンジン技術であるVTECを採用した3リッターV型6気筒自然吸気エンジンは、最高出力280馬力、最大トルク30kgmを発揮します。

 新車販売価格は800万円で、当時の国産車最高額でした。2021年4月時点での中古車価格は、状態が良い車両の場合、新車販売価格の2倍近くになることもあるようです。

 初代NSXについて、中古車販売店は次のように話しています。

「状態が良い初代NSXは、かなり数が少ないと思います。

 走行距離が短く、内装や外装がきれいな車両となると国内にも数台程度でしょう。

 今後、中古車価格が上がるかどうかはわかりませんが、下がることはないと思います」

※※※

 次は、マツダ「RX-7(FD型)」は、1991年にデビューした3代目で、世界で唯一マツダだけが市販化に成功したロータリーエンジンを搭載するスポーツカーです。

 エンジンは、654ccのローターを2機搭載し、ツインターボを装着。
総排気量は1308ccであるものの、ツインターボによって過給されていることから、最高出力が255馬力、最大トルクが30kgmと非常にパワフルです。

 当時の新車販売価格は360万円とされていましたが、現在の中古車の中には、新車販売価格の2倍近くに迫る600万円台の車両もあります。

 中古車販売店の担当者は次のように話します。

「FD型のRX-7は、日本国内のみならず海外でも人気がある車種であるため、価格が高騰し続けています。

 また、数年前よりも価格が値上がりしています。2021年現在、アメリカの25年ルールにより、米国への輸出ができない車両もありますが、海外への輸出ができる車両の数が増えれば、価格変動の可能性もあるでしょう」

※ ※ ※

 約30年前の国産スポーツカーは、生産終了から年月が経っていることもあり、年々個体数が減少しています。

 さらに、近年ではアメリカにおける製造から25年が経過していなければアメリカへの輸入ができないという規定「25年ルール」により、アメリカの流れる個体が多いことも中古車価格の高騰に繋がっています。

ハチロクや限定500台の激レア車の中古車動向は?

 1983年に登場したトヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86型)」(通称:ハチロク)は、漫画「頭文字D」の主人公藤原拓海が乗るクルマであることなどから世界中で人気を博しています。

 ハチロクは、コンパクトなボディのボンネットに1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-GEU」を搭載し、後輪を駆動するコンパクトFRであることが特徴です。

 当時の新車販売価格は、高性能モデルの「GT APEX」で156万3000円でした。現在、状態が良い中古車の価格は、2倍近くの350万円超となっています。

 ハチロクについて中古車販売店は次のように話します。

「ハチロクは、流通している台数が少ないので、状態が良い車両がかなり少なくなっています。

 カローラレビンよりも、スプリンタートレノのほうが数は少ないというのが現状です。今後、流通台数が減少していくことから、中古車価格も高い状態が続くと思います」

 レクサス「LFA」は、2010年にトヨタの高級車ブランドであるレクサスのフラッグシップスーパーカーとして、世界限定500台で販売されました。

 また、レクサスのスポーツモデルを示し、富士スピードウェイに由来する”F”シリーズの頂点に位置します。

 ボディにはCFRP(カーボン繊維強化樹脂)を採用し軽量化と高剛性を実現。エンジンは、ヤマハ製の4.8リッターV型10気筒エンジンを搭載。LFAのエンジンは、F1マシンのような甲高いサウンドを放ち、”天使の咆哮”と呼ばれるほど美しいエンジン音です。

 当時の新車販売価格は3750万円。現在国内の中古車市場に流通している車両はほぼゼロに近い状態ですが、新車販売価格の2倍以上の価格で売り出されることがあります。

 LFAについて、中古車販売店の担当者は次のように話します。

「現在、LFAの価格は上がっています。ずっと右肩上がりの状態が続いており、数年前よりも2000万円以上値上がりしています。

 日本での流通台数がごくわずかであるため、中古車市場に出回ることはほとんどないでしょう」

 世界限定500台のみ販売された希少な国産スーパーカーLFAは、日本で販売された台数が限られ、中古車市場に流通することがほとんどないレアなモデルです。

※ ※ ※

 新車販売価格を上回る中古車は、メーカーや車種の個性を色濃く反映しているモデルばかりです。

 1990年代の名車や漫画・映画で登場したクルマ、台数が限られている希少車の価格は、今後も下がることがなく、上がる可能性が高いといえるでしょう。

 今から30年、40年以上も前に活躍していたクルマは、現在でも色あせることなく貴重な存在として扱われているようです。