トヨタは上海モーターショー2021で新型電気自動車「bZ4X」のコンセプトモデルを発表しました。あわせてトヨタが今後グローバルに展開する新EVシリーズ「bZ」の展開も発表されましたが、発表を分析することで見えてくる新型bZ4Xの特徴とは、どのようなものなのでしょうか。

「不便を感じさせない航続距離を確保」したトヨタの新EV

 今年1番注目していたトヨタ/スバルの共同開発となる新型電気自動車「bZ4X」が上海ショーでワールドプレミアされました。現時点で詳細なスペックを公表していないものの、限られた情報のなかにたくさんの「興味深い!」も埋まっています。

 以下、bZ4Xについて解っていることを紹介してみたい。なかなか期待出来そう。

 ということで車格。写真だけ見るとRAV4と同じDセグメントに思える。

 けれど紹介されたテキストを読んだら「Dセグメントセダン並の車内空間を実現」と記載されているため、したがって遠回しの表現になるが「DセグメントSUVと同等」はつまり、bZ4XはDセグメントに近いCセグメントSUVということになります。

 全長4400mm前後、全幅1800mm前後をイメージしていただければ間違いないでしょう。日本車だとマツダ「CX-30」あたりの車格感になります。

 また、Cセグメントということで、価格も上限が決まってくる。電気自動車=高価だと考えがちながら、中国で販売される際の金額は日産「リーフ」と同等レベル、いや、もう少し安いと思っていいだろう。

 デザインは車体そのものがトヨタの担当になっているようだ。なるほど、何となくRAV4と共通するシルエットです。

 また、今回発表されたのはトヨタ向きのモデルであり、スバルで販売されるモデルとまったく違うフロントデザインと聞く。

 スバル仕様を見た人によれば、「アルファード」と「ヴェルファイア」くらいの違いがあるそうな。どちらがアルファードか。

 気になる電池搭載量だけれど、プレスリリースによると「冬場などでもお客さまに不便を感じさせない航続距離を確保」。

 マツダ「MX-30EV」やホンダ「ホンダe」は、冬場の航続距離が150km程度。明らかに不便を感じてしまう。最低で250kmくらいか。だとすればリーフe+と同じ60kWh級の電気搭載量ということになる。カタログモードなら500kmくらいです。

搭載される電池はどのメーカーが生産する?

 興味深いのが、上半分をカットしたような形状のハンドル。プレスリリースによると「ステアバイワイヤを採用」。

 ステアリングと車軸が直接繋がっていない電気式のステアリングステムで、世界でも日産「スカイライン」しか実現出来ていない。

 効能を書くと、高速走行域だとハンドルを大きく切っても切れ角は小さく安定性の向上を期待出来る。

 逆に低速域では小さいハンドル操作量で大きくタイヤが切れるというもの。半分カットしたハンドルでも持ち変えることなく交差点を曲がれるから便利です。

 参考までに書いておくと、ブレーキバイワイヤを本格的に採用したのはトヨタの初代「プリウス」。bZ4Xからステアバイワイヤも積極的に採用していくということなんだと思う。

 もうひとつ今回の発表で驚いたことがあります。

 bZ4Xを皮切りに発表されていくbZシリーズのパートナー企業を発表したのだけれど、プラットフォームを共同開発したスバルは当然。「RAV4 PHV」を欧州でOEM販売しているスズキも「そうでしょうね!」。

 意外だったのは中国の大手電池企業であるBYDがパートナー企業になっていること。当然ながら、搭載される電池はBYD製かと。

 いや正確に書くなら、中国工場で生産されるbX4Xは間違いなくBYD製の電池を搭載すると思う。

 日本工場製のbZ4Xはパナソニックとトヨタの合弁企業から調達することになるだろう。

ただ現状を見るとパナソニック製の電池は生産量が少なく、コスト的にも厳しいと聞く。もしかすると日本仕様もBYD製電池になるのか。選べるようにしたら面白い。

 さらに驚いたのが、途中まで電気自動車の開発を一緒にやっていたマツダがパートナー企業に入っていないこと。

 ここにきてマツダとトヨタの関係は微妙に離れていると聞くけれど、こういった状況を見ると「そうかもしれません」。

 そんなマツダ、MX-30のEVモデルを持っていながら、今回の上海ショーで驚くことにCX-30のEVも出してきた。

 拘ることは悪いことではないですが、世界の電動化の波に勝つためには、メーカー単体で挑むとこのままでは少しばかり厳しいんじゃないかと思います。