すでに多くの車種で採用されているハイブリッド車。やはりガソリン車と比較すると高額なモデルも多いものです。そこでお財布に優しい、100万円で手に入る中古のハイブリッド車を紹介します。

HVは高嶺の花じゃない! HVは中古車が狙い目

 カーボンニュートラル(脱炭素社会)実現を目指し、日本政府が打ち出した「2030年ガソリン車禁止」。

 実際に実現できるのかは未知数ですが、少なくともクルマの電動化が加速していくのは間違いないところです。

 その過渡期の大本命であり、2030年以降も主力となる可能性があるのがハイブリッド車です。

 既存の仕組みを生かしつつ、日本ならではの優れたエンジン開発技術で環境にも配慮できるわけです。

 現在、さまざまなモデルにハイブリッドシステムが搭載されていますが、ネックとなるのは価格でしょう。純粋なガソリンエンジン搭載車との新車での価格差を考えると、ハイブリッド車は長期間乗らないと元が取れないといわれています。

 しかし、もっと賢く、環境にも優しく、フトコロにも優しい買い方があります。それは中古のハイブリッドモデルを購入することです。

 そこで「コミコミ100万円」で購入できる中古のハイブリッド車のなかから、魅力的なモデルを5台ピックアップして紹介します。

●トヨタ「アクア」

 ハイブリッド車と聞くとトヨタ「プリウス」をイメージする人が多いでしょう。そのプリウスとともに、ハイブリッド車を身近な存在にした立役者といえばトヨタ「アクア」です。

 2011年12月にデビューして以来、基本デザインはそのままに10年以上も販売ランキングで上位に位置する大ヒットモデルです。

 全長4050mm×全幅1695mm×全高1455mm(2020年式・G)という5ナンバーに収まるコンパクトなハッチバックは扱いやすく、最小回転半径も4.8mという取り回しの良さも魅力。

 フロントウインドウが大きく寝かされた「ワンモーションフォルム」で、空気抵抗を示すCd値は0.28というエアロボディでありながら、誰でも気軽に乗れるデザインに仕上がっています。

 パワートレインは、プリウスの「THS II」をベースにした1.5リッターエンジンのハイブリッドシステムを搭載。

 約1トンの軽量ボディと相まって27.2km/L(WLTC)モードという低燃費を誇り、意外にスポーティな走りが楽しめます。

 標準ボディだけでなく、SUVのグレード「クロスオーバー」やスポーティグレード「GRスポーツ」も用意されるなど、豊富なバリエーションも魅力です。

 2021年にもフルモデルチェンするといわれているアクアですが、現行モデルはヒット車だけに中古車市場はたくさんの車両が流通しています。

 2010年代前半の初期モデルは50万円以下の車両も多く、初心者のファーストカーとしても最適です。

 さすがにGRスポーツは別格で200万円オーバーになってしまうのですが、それ以外であれば高年式でも100万円以下でお釣りがくるほどです。

●ホンダ「インサイト」(2代目)

 ホンダ「インサイト」は、1999年の初代はファストバック2ドアクーペ、2009年の2代目は5ドアハッチバック、2018年の3代目はクーペ風4ドアセダンと、同じ車名で世代ごとに姿を変えてきました。

 しかし共通するのは、ホンダのハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド専用モデルということです。

 初代インサイトは後輪が半分隠れる「リアホイールスカート」を採用し、かなり特異なデザインの空力ボディで注目を集めました。

 また車体にはアルミニウムを使用し、1リッターエンジン+モーターのハイブリッド「IMAシステム」を搭載。IMAシステムのモーターは基本的にアシスト的な役割で、ガソリンエンジンは常に稼働しているパラレル式ハイブリッドでした。

 2代目は新たに5ドアハッチバックとなり、プリウスのライバルとして登場。パワートレインは、初代のIMAシステムをさらに進化させ、1.4リッター+モーターとなり、10・15モードでは30.0km/Lを記録しています。

 そして現行モデルの3代目はスタイリッシュなクーペ風4ドアボディで登場。高級志向のセダンとなり、335万5000円からという価格です。

 中古車で狙いたいのは2代目モデルです。インサイトは中古車市場にはたくさんの車両が流通しており、なかには30万円でも購入できる中古車もあります。

 2012年以降のモデルも100万円で入手可能。実用的なハイブリッド車をお手頃価格で入手したい人にはオススメです。

●日産「セレナ S-ハイブリッド」(4代目セレナ)

 日産の売れ筋ミニバン「セレナ」は、もともと実用性の高さで評判でしたが、現在では「e-POWER」を搭載してさらなる人気を獲得しています。

「バネット」の後継モデルとして1991年に登場した「セレナ」は、ボンネットを装備した空力ボディを採用してフロントエンジンのように見せてはいますが、実際は前席の下にエンジンを配置したFRのキャブオーバーでした。

 ミニバンの主流であるフロントエンジンになったのは1999年の2代目からです。FF化によってセンタートンネルが不要になり、ウォークスルーといったミニバンらしい機能も装備できました。

 2010年デビューの4代目はハイブリッドを搭載。2012年に一部改良がおこなわれたタイミングで、追加車種として新開発の「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」搭載モデルが誕生しました。

 このS-HYBRIDは、従来から搭載されていたECOモーターのエネルギー回生発電量と出力を高めて2リッターガソリンエンジンの補助的役割を与えながら、サブバッテリーもボンネットに収めた簡易式ハイブリッドシステムです。

 全長4770mm×全幅1735mm×全高1865mm(ハイウェイスター・2WD)のボディに変更を加えることなく、従来のガソリン車と同じ使い勝手の良さを実現。

 当時の燃費は13.6km/L(JC08モード)を記録しており、2トン近いミニバンとしては十分な燃費性能を実現しています。

 2016年に現行型となる5代目へフルモデルチェンジしましたが、シリーズ式ハイブリッド「e-POWER」や運転支援システム「プロパイロット」を搭載しているのが最大の魅力となっています。

 現行の5代目が最新の機能を搭載したことから、先代となる4代目の中古車価格がかなり下降しています。

 そしてモーターを補助的に使用するひと世代前のセレナ S-ハイブリッドならコミコミ100万円で狙えるというわけです。

 探せば4代目の最終型である2016年式なども100万円以下で入手可能となっており、ハイブリッドのミニバンが欲しいという人にはチェックしてもらいたいモデルです。

人気のSUVや軽ハイトワゴンもひと世代前のHVなら100万円以下

●スバル「XV ハイブリッド」(2代目)

 スバル「インプレッサ」ベースの派生車種として2010年に誕生したクロスオーバーモデル「XV」。

 当時は「インプレッサXV」と名乗っていましたが、ロードクリアランスはベースと同じで、モデル当初はインプレッサの5ドアハッチバックをベースにした特別仕様車のような立ち位置でした。

 プラットフォームこそ共通ながら、完全な独立モデルとなった2代目は2012年にデビュー。現在のスバル車に通じる「ヘキサゴングリル」や「ホークアイヘッドランプ」、少し高められた車高や黒い樹脂製のフェンダーモールなどを採用し、クロスオーバーらしいスタイルに進化しています。

 また運転支援システム「アイサイト」も搭載され、SUVとして先進の安全性をいち早く取り入れたことでも話題になりました。

 2013年にはハイブリッドモデル「XV ハイブリッド」が追加されましが、狙い目はこのモデルです。

 スバルのAWD機構を搭載しつつ、EV走行やガソリンエンジンの補助的役割を担うモーターと3種類のバッテリーを搭載したシンプルな構造のハイブリッドシステムを組み合わせ、アイサイトはver.2へと進化。

 全車速追従機能付クルーズコントロールにEV走行を最大限活用する「ECOクルーズコントロール」も採用しています。

 全長4450mm×全幅1780mm×全高1550mmという、立体駐車場にギリギリ入る絶妙なボディサイズもポイントだといえます。

 2017年には現行モデルとなる3代目へとフルモデルチェンジし、さらに進化したハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載するモデルもラインナップされました。

 100万円で狙えるのは2代目のXVハイブリッドで、100万円以下の車両も探せます。

 アイサイトとハイブリッド、スバルが得意とする悪路走破性も備えたスポーツSUVは魅力的。

●スズキ「ワゴンR」(7代目)

「ワゴンR」は安定的な人気を誇るスズキの軽自動車です。以前の軽自動車は小さくて狭いというのが常識でしたが、1993年にデビューしたワゴンRは全高を高くすることで頭上空間に余裕が生まれ、狭さを克服した画期的なモデルでした。

 フロアパネルを二重構造としてシートの着座位置も高くすることで、視界も広く開放的な上に足元の窮屈さも解消。

 さらにプラットフォーム共有化や、別車種のパーツなどを流用することでコストダウンも実現しました。

 その後も時代と顧客のニーズに合わせ4速ATの採用やターボエンジン搭載モデルの追加などで人気を拡大。

 使い勝手のいい軽ハイトワゴンのコンセプトは揺らぐことなく、順調にモデルチェンジを繰り返してきました。

 5代目では2015年に「S-エネチャージ」が追加されました。S-エネチャージはシンプルなハイブリッドシステムで、搭載されるモーターは発電効率が高められ、減速エネルギーで発電。アイドリングストップからのエンジン再始動や加速時にはエンジンをアシストすることで燃費の向上を図るというものです。

 そして、2017年に登場した7代目(現行モデル)には、このS-エネチャージが進化した「マイルドハイブリッド」を搭載。

 スペースが限られている軽自動車でも搭載しやすくコストも抑えられており、現在のスズキのメインパワーユニットとなっており、燃費も25.2km/L(ハイブリッドFX 2WD・WLTCモード)の低燃費を誇ります。

 そんな軽ハイトワゴンのパイオニアの現行モデルも、2017年式から2020年式あたりの中古車は100万円で購入可能です。

 新車価格が130万円台中心なのでお得感は薄いかもしれませんが、新車の香りが残る高年式車が100万円以下は十分なインパクト。毎年の税金や保険料も安い軽の中古車でフトコロにも優しい1台だといえます。

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 いまではハイブリッドは珍しい車種ではなく、単純にグレードのひとつという感覚になっています。

 今後のEV化がどこまで進むのかはまだわかりませんが、どんなモデルを買うのかで悩んだら、ハイブリッド車を選べば間違いないでしょう。