1985年に登場したマツダ2代目「FC3S型 サバンナRX-7」は、初代の成功を受け、真のスポーツカーは何かということを突き詰めて開発された本格的なスポーツカーです。そこで、FC3S型 サバンナRX-7を振り返ります。

ピュアスポーツカー「FC3S型 サバンナRX-7」を振り返る

 マツダでロータリーエンジンを搭載したモデルとして、2021年時点で最後まで販売されていたスポーツカーは「RX-8」です。

 RX-8の販売終了とともに2013年からロータリーエンジンの歴史が途絶えていますが、このロータリーエンジンを搭載したスポーツカーで大きなターニングポイントとなったのは、2代目「FC3S型 サバンナRX-7」ではないでしょうか。

 そこで、FC3S型 サバンナRX-7について振り返ります。

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 まずは、FC3S型 サバンナRX-7登場までを紐解いてみます。

 初代「サバンナ」は、1971年に発売されたロータリーエンジンを搭載したセダンとクーペのほか、ステーションワゴンをラインナップしたモデルで、「ファミリア ロータリークーペ」の実質的な後継車として開発。

 ファミリアと「カペラ」の間に位置する車格で、ロータリーエンジンではなくレシプロエンジンを搭載した兄弟車として「グランドファミリア」も同時に発売されました。

 ちなみにサバンナの車名は、大草原を走る猛獣の野生美と溢れるパワーというイメージに加え、世界初の蒸気船、原子力商船がともに「SAVANNA」であったことから、先進的な面もあって命名されたといいます。

 そして、1978年にこのサバンナの後継モデルとして登場したのが、「SA22C型 サバンナRX-7」です。

 SA22C型 サバンナRX-7は、コンパクトなロータリーエンジンをフロントミッドシップに搭載することで実現した低くてシャープなフロントフェイスが特徴的で、トヨタ「2000GT」以来となるリトラクタブルヘッドライトを採用。

 全体のフォルムも空気力学を重視した大胆なウェッジシェイプとし、斬新なグラスハッチバックとなっているなど、美しいスタイルが賞賛されました。

 1980年代に普及したターボ化の波をキャッチアップして、1983年にはロータリーターボエンジン車を設定。スポーツカーとしてのポテンシャルが一気に高まります。

 そして、サバンナRX-7の2代目モデルとして1985年にFC3S型 サバンナRX-7が登場しました。

真のスポーツカーを突き詰めたFC3S型 サバンナRX-7

 初代サバンナRX-7は日本のみならずアメリカでも人気を博したことから、FC3S型 はグローバルで通用するスポーツカーとは何かということをゼロから見つめ直し、未来へ通じる新しいスポーツカーを創造するというコンセプトで開発されたといいます。

 外観は車体表面の突起を減らし、幅広い偏平タイヤを収めるブリスターフェンダーによる張りのあるスタイルリングを採用。初代のスマートなイメージから一新して、弾丸を想わせるような“かたまり”感が迫力ある見た目を演出しています。

 エンジンは、排気量654cc×2ローターの13B型ロータリーエンジンに、空冷インタークーラー付ツインスクロールターボチャージャーを装備。最高出力は185馬力と大幅なパワーアップを果たしました。

 シャシは先代から一新しながら、フロントミッドシップレイアウトを継承して前後重量配分50.5対49.5を達成。

 また、リヤサスペンションは、先代のリジッドアクスルから4輪操舵技術を応用した「トー・コントロール・ハブ」が採用された、ラテラルロッド付のセミトレーリングアームへと大幅に進化。新開発の4輪独立サスペンションによって、スポーツカーとしての走りの質が大幅に向上しました。

 1986年にはさらにスポーツ性を追求したモデルとして、特別仕様車の「∞(アンフィニ)」を300台の限定で発売しました。この∞は軽量化を追求するためにシリーズ初の2シーターとし、BBS製の鍛造アルミホイール、専用ダンパー、アルミ製ボンネットフードなどを装備して、より純粋なスポーツカーに仕立てれています。

 なお、この∞シリーズは、1991年まで6回の小変更を繰り返しながら、都度限定販売がおこなわれました。

 そのほかにもバリーエーションの拡大として、1987年にロータリーエンジン車販売20周年を記念して、高性能なオープンカー「カブリオレ」が追加されました。

 ルーフはフルオープン、タルガトップ、クローズドの3つの状態に設定できる仕様です。

 1989年のマイナーチェンジでは、エンジンの圧縮比を高め、ターボチャージャーの改良をおこない、最高出力は205馬力に向上。∞では215馬力を発揮しました。

 また、エンジンのローターやフライホイールの軽量化により、アクセル操作への反応を改善されるなど、フィーリングもチューニングされています。これらの性能向上により、パワー・ウェイト・レシオは5.72kg/psに到達しました。

 外観もマイナーチャンジによりブラックのモールがカラードとされ、テールランプを角型から丸型のデザインに変更し、よりスポーツカーらしい迫力の増したリアスタイルになっています。

 1991年10月に後継車となるアンフィニ「FD3S型 RX-7」が登場してFC3S型の販売が終了となりましたが、カブリオレのみが継続販売され、1992年8月にカブリオレのファイナルバージョンが限定150台で発売されたことで、FC3S型の生産は完全に終了となりました。

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 前述のとおり、ロータリーエンジン車は2013年にRX-8が販売を終えたことで消滅しました。

 しかし近い将来に、EVのレンジエクステンダー用エンジンとして、ロータリーエンジンの復活がマツダからアナウンスされています。

 RX-7のようなスポーツカーではないようですが、まずはロータリーエンジン復活の第一歩として注目されるのではないでしょうか。