4つの新規アーキテクチャー展開で、新生ロータスの進む道が見えてきた。また、最新モデルはエンジンを搭載した「エミーラ」という名称になることも判明した。

最新ロータスは、エンジン搭載で決定!

 2021年4月27日、ロータスは現在進行中のビジネスおよびブランドの変革に関する新たな指針を発表した。具体的には、4種類の新しい車両アーキテクチャー、テクノロジー・ロードマップ、斬新なグローバル・リテール・アイデンティティ、そして新開発されたニューモデルの名称の公開であったが、VAGUEではもっとも読者の関心が高いであろう新型車を中心にレポートしよう。

 ロータス・カーズおよびロータス・エンジニアリングの新たな章の幕開けを告げるニュースは、ロータス・グローバル・バーチャル・カンファレンスの「Driving Tomorrow」プレゼンテーションを通じて配信された。

●「Type 131」の正式名称は「エミーラ」

 ロータスの新しいスポーツカーは、これまで「Type 131」のコードネームだけ公表されていたが、今回、その正式名称「Emira(エミーラ)」が発表された。エミーラは、さまざまな古代言語に存在する単語で、現代語に翻訳すると、「司令官」または「リーダー」を意味する。

 これは、スリリングな新時代へと進むロータスを主導するエキサイティングな新しいスポーツカーとして、実に相応しい名前ではないだろうか。

 エミーラのワールドプレミアは、2021年7月6日に、生産拠点であるヘセルのロータス・アドバンスド・パフォーマンス・センターでおこなわれる予定だ。

 さらに、7月8日−11日に英国で開催されるヒストリック・モータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で、一般公開が予定されている。

 エミーラに関してカンファレンスで分かったことの最大のトピックは、予想に反してエミーラがハイブリッドではないということだろう。エミーラには、新しいパワートレイン・パートナーシップから、複数の内燃エンジンが供給されるという。そして、ロータスが内燃エンジン搭載車をデビューさせるのは、エミーラで最後であることも発表された。

 今回追加選択されるパワートレインはロータスにとって新しいエンジンで、高い効率を誇る最先端テクノロジーを採用し、ロータスならではのドライビング体験を提供するようにチューニングが施されているという。

 までエミーラのボディデザインは明らかにされていないが、「エヴァイヤ」の影響を大きく受けていることは間違いない。

ロータスの戦略が見えた! 4つのアーキテクチャーが示す未来

 今後ロータスは、新しい4つのアーキテクチャーを元に車両展開していく。これは、ロータスのエンジニアが、ヨーロッパおよび中国のエンジニアと協力して開発した、ロータス・ブランド用の構造プラットフォーム・ファミリーである。

 ジーリー・グループ内ではロータス専用プラットフォームとなるものの、ロータス・エンジニアリングのコンサルティングを通じて、他のメーカーにも提供される可能性もあるという。4つのアーキテクチャーは、登場が待たれるロータスの次期パフォーマンスカーに採用される予定だ。

●スポーツカー・アーキテクチャー
 社内ではエレメンタル・アーキテクチャーと呼ばれており、新開発されたエミーラに採用されたのが、このプラットフォームである。フレキシブルで軽量、ロータスを象徴する押し出しアルミニウム・テクノロジーを採用。スポーツカー・プラットフォームは、技術的な面でこれまでとは大きく変わっており、旧世代ロータス・スポーツカーと比較すると、あらゆる寸法が変更されている。

●ハイパーカー・アーキテクチャー
 このプラットフォームをベースとする最初のモデルは、2021年後半にヘセルで生産が開始されるエヴァイヤとなる。COVID-19のパンデミックにより、数千kmにも及ぶエンジニアリング開発/確認テストは、英国内で実施された。さらに、先進的なシミュレーター企業と協業して、エヴァイヤ担当チームはバーチャル世界で膨大な距離の走行シミュレーションを実行。これにより、担当チームは、現実世界における開発車両とともに、プロジェクトのマイルストーンを確実に達成することができただけでなく、プログラムの効率も高めることができた。

 エヴァイヤ・リード・ダイナミクス・エンジニアのルイス・カーと彼のチームは、エヴァイヤを、ロータスならではの走行特性に仕上げることに焦点を合わせた。チームの一員であるジェームズは、次のように説明している。

「“50メートル・テスト”は、ロータスの重要な指針です。どのようなクルマであっても約50メートル走行すれば、ステアリング・レスポンスやロード・フィールをすぐに感じ取ることができます。このテスト要件に応えるには、ハンドリングと乗り心地を完璧にバランスさせるとともに、ドライバーのスロットル・ニーズにダイレクトかつリニアに応えるパワートレインが重要な要素となります。50km/h以上の速度を出したり、前後左右に0.1Gの重力を感じたりする以前に、50メートル・テストの要件を満たすべきです」

●プレミアム・アーキテクチャー
 ロータス史上初めて送り出す真にグローバルな自動車アーキテクチャーは、ロータスのまったく新しいライフスタイル・ビークルの基盤となる。エミーラとこれに続く一連のライフスタイル・ビークルにより、ロータスはこれまで以上の販売台数と収益を達成することが見込まれている。

 このアーキテクチャーは英国で設計され、中国、スウェーデン、ドイツのチームとの共同作業によってブラッシュアップされている。いわば、英国で生まれのグローバルで成長したアーキテクチャーである。

●エレクトリック・スポーツカー・アーキテクチャー

 2021年1月、ロータスおよびルノー・グループ傘下のアルピーヌは、新たなパートナーシップを発表。ロータス・エンジニアリングは、(社内ではE-Sportsと呼ばれている)新しいプラットフォームの開発を主導しており、これをベースとして、ロータスおよびアルピーヌのニューモデルが登場する予定だ。

 ロータスとアルピーヌの契約には、共有サービス合意条項も含まれており、両社だけにとどまらず、このプラットフォームを他のメーカーに応用する可能性も残されている。

 ロータス・カーズ・マネージング・ディレクターのマット・ウィンドルは、次のようにコメントしている。

「E-Sportアーキテクチャーは、柔軟性の高いモジュラー・プラットフォームです。

 これは、現代的なスタイリングとクラスをリードする乗り心地とハンドリングを両立させ、さらに爆発的なパフォーマンスやロータス独自のキャラクターである、ピュアでダイナミックな“For The Drivers”エクスペリエンスを備えた、ロータス・ブランドの新しいスポーツカー・アイコンの基礎となるでしょう。

 私たちは、最新の内燃エンジン搭載スポーツカーと同等の重量を達成するという課題に取り組んでいます」

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 ロータスの新しいスポーツカー「Type 131」の情報が流れたときには、4つのアーキテクチャーについての情報が発表されていなかったため、「Type 131=エミーラ」のプラットフォームがアルピーヌと共用になり、EVになるのではという憶測もあったが、今回の発表でそれらの疑問が一気に解けた形となった。

 プレミアム・アーキテクチャーで作られるクルマが、スーパーカーやラグジュアリーカーメーカーがこぞって参入しているSUVになるのだろうかという新たな疑問も生まれたが、まずは純粋にエンジンだけのスポーツカーであるエミーラの誕生を心待ちにしようではないか。