スバルは、国内最高峰のモータースポーツ「スーパーGT 第二戦 富士スピードウェイ」で、新型「BRZ」のSTIパフォーマンスパーツ装着車を一般向けに初公開しました。どのような進化を遂げているのでしょうか。

初公開!? STIパフォーマンスパーツ装着車をお披露目!

 2020年11月に北米仕様、2021年3月に日本仕様が公開された2代目となるスバル新型「BRZ」。
 
 すでにスーパーGTの第1戦の会場で兄弟車のトヨタ「GR86」と共に先行展示がおこなわれていますが、5月3-4日に静岡県の富士スピードウェイで開催された「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」で、さらなる一手がお披露目されました。

 今回は、日本仕様にスバルのワークスチューナーである「STI」が現在開発中のアイテムをプラスさせたモデルです。ちなみに新型BRZのホワイトのボディカラーは初披露となります。

 開発担当の佐藤公彦氏(商品開発部部・部長)は、初代BRZの商品企画担当の番頭さん的存在で、長きに渡って育ててきた「Mr.BRZ」といってもいいエンジニアです。

「新型の進化幅は非常に大きいので開発は難航しましたが、どれもSTIの名に恥じないスペック、つまり伸び代をシッカリと感じてもらえるアイテムに仕上がっています」(佐藤氏)
 では、どのようなアイテムが用意されているのでしょうか。

 まずは「エアロパーツ」です。フロントスポイラー、サイドアンダースポイラー、リアサイドアンダースポイラーはノーマルのデザインに上手に溶け込みつつも、ノーマルよりも精悍かつ低重心な印象をプラス。

 それもそのはずで、これらのデザインはスバルのデザインチームが監修しています。なかでもサイドアンダースポイラーは特長的な形状の純正サイドステップを活かしたデザインですが、フィッティングの良さやバランスも含めて、スバル×STIの連携性が商品にも表れています。

 筆者(山本シンヤ)としては、リアにアンダーディフューザーが無いのが気になる所ですが、「純正用品でリアアンダーディフューザーが設定していますが、これはSTIパーツとのバランスを考えてデザインされた物なので、そちらを選んでいただけると(佐藤)」と教えてくれました。

 これらのアイテムはドレスアップ効果のみならず機能(=空力操安)もシッカリ伴ったモノで、風洞実験や実車テストによって導きだされた形状が採用されています。

 ちなみに各パーツに付くフィン形状は空気の剥離を抑制し、その力で車体を安定させる効果がありますが、古くは「インプレッサWRX(GDB型)」(中期/後期)のフロントバンパー横に採用されています。

 そして、エクステリアの大物アイテムといえば、モータースポーツシーンからフィードバックされたスワンネック形状のドライカーボン製リアスポイラーです。

 BRZの大人なイメージをガラッと変えるレーシーな雰囲気に加えて、ダウンフォース向上によるリアの安定感を実現するようですが、明らかにノーマルではオーバースペック。

 これは今後パワートレインのバージョンの可能性を示唆していると考えていいでしょうか。

 ちなみに純正アクセサリーでは、こぶりなトランクスポイラーやボルテックスジェネレーター(ルーフに装着)も用意されています。

 また、細かい部分になりますが、フロントフェンダー用のガーニッシュは「WRX STI」のようなデザイン処理で、“スバルらしさ”をさらに高める効果も。これはエアロパーツを装着したら必ず共着したいアイテムです。

 今回のモデルのインテリアは、プッシュ式エンジンスターターとプレミアムシフトノブ(アルミ&本革、ローレット加工)の変更程度でしたが、正式発売以降はバリエーションが増えるのは間違いでしょう。例えば、シートやステアリングなども予想出来ます。

 ちなみにシフトノブはSTIのパーツラインナップのなかではロングライフですが、最新のBRZに装着してもフィッティングはバッチリです。

STIならではの機能性パーツも設定される?

 機能パーツも最初から抜かりなしです。ホイールはBBS製鍛造アルミホイール「RI-A」が用意されていますが、これはBBSの通常品にはないサイズ(7.5J×18 +45 )、カラー(マットブロンズカラー:BRZ GT300と同じ)、そしてSTIセンターキャップ付きとSTI専用スペックになっています。

 ちなみにRI-Aは、BBSのラインアップのなかでもスーパーGT用ホイールと同じ思想・デザインで開発されたスポーツスペックのホイールで、ノーマルホイールよりも高剛性&軽量(ノーマル比30%)設計、ホイール交換だけでも走りの変化は大きいと思います。

 さらに、フェンダーのなかを覗くと、チェリーレッドに塗られたローダウンスプリングが装着されているのが解ります。

 下げ幅は約10mmと僅かなのは「アイサイト」との兼ね合いだと思われますが、ノーマルのストローク感の良さを損なわずに姿勢変化をわずかに抑えSTIらしいセットアップになっているはずです。これに初代STIスポーツに設定されたSACHSダンパーが用意されたら完璧でしょう。

 見た目の変化という意味では僅かですが、エアロパーツとの相乗効果も相まって、筆者は、「これがノーマルでもいいかも!?」というバランスのように感じました。

 STI独自理論のフレキシブル補剛アイテムは2点用意。今回はフロントには初代でも話題となったフレキシブルVバー、そしてリアには「WRX S4 STIスポーツ#」でも話題となったフレキシブルドロースティフナー・リア(通称:リアドロ)が設定されています。

 新型BRZは、インナーフレーム構造や構造用接着剤などSGPで培った技術のフィードバックで車体側は大きく進化していますが、「とくにリアドロの効果は大きいです。リアバンパー内のフレームに装着するので見えませんが、乗ればすぐ解りますよ(佐藤)」と自信タップリ。つまり、いい車体は量産の域を超えた“チョイ足し”により、さらに伸び代があるということです。

 ただ、初代よりもアイテムが少ない=ベース車のポテンシャルが上がっているという証明でもあります。

 さらに大口径のパフォーマンスマフラーも用意されています。音量は抑え目ながらも音質はノーマルより整えられており、回すほどに乾いた心地よいサウンドを奏でます。

 ここ最近のSTIマフラー(レヴォーグやフォレスター)の仕上がりから推測すると、ドライバビリティもかなり向上しているはずです。

 欲をいえば、新型BRZでは生音にミックスしてスピーカーから音を足していますが、その音もSTIマフラーに合わせてチューニングされたソフトなども用意してくれると嬉しいなと。

 このようにアイテムを見ていると、一部を除くと初代のSTIスポーツに近い内容といっていいと思います。

 つまり、今後登場するであろう量産コンプリートモデル「STIスポーツ」は、もう少し突っ込んだ内容・仕様、つまり、アドオンでは難しい部分に手が入っていると予想できるでしょう。

 これらのアイテムは現在開発中のプロトタイプといいますが、ほぼ量産仕様といっていいでしょう。新型BRZの正式発売と同じタイミングで発売を予定しています。

 ノーマルを味わってから装着するのか、それとも最初から全部盛りで納車してもらうのか、今から悩んでください。