日本で人気のミニバンですが、海外には日本メーカーが全長5mを超えるような大型ミニバンをラインナップしています。トヨタ・日産・ホンダの5m級ミニバンには、どのようなモデルがあるのでしょうか。

トヨタや日産が海外で販売する大型ミニバンとは?

 現在、SUVと並んで人気なのがミニバンです。なかでもラージサイズの高級ミニバンであるトヨタ「アルファード」は、高額車であるにもかかわらず販売ランキングの上位に常に名を連ねるほどの人気を誇っています。

 また、ミドルサイズのミニバンも売れ筋で、トヨタ「ノア・ヴォクシー・エスクァイア」や日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」といったモデルがファミリーから支持されています。

 日本ではラージサイズのアルファードでも全長5mを切るサイズですが、日本メーカーが海外で販売するミニバンには5mを超える大型モデルがあります。

 そしてそのどれもが日本のミニバンにはない魅力をもっているのですが、トヨタ、日産、ホンダが海外で販売する大型ミニバンにはどのようなモデルがあるのでしょうか。

●トヨタ「シエナ」

 トヨタ「シエナ」の初代モデルは、「プレビア」(日本名:エスティマ)の後継車として1997年に米国で販売されました。

 現行モデル2020年11月に発売された4代目で、幅広いライフステージと活動をサポートするミニバンとして新たに生まれ変わり、北米に加えて韓国や台湾でも販売しています。

 外観デザインは、日本の新幹線からインスピレーションを得て、滑らかでスピーディな造形を実現。

 高い位置に配置されたヘッドライトはボディ後方にかけてスタイリッシュさを表現しているほか、下方向に広がるフロントグリルの最端にLEDフォグランプを配置することで低重心なスタイルを強調しました。

 シエナはセダンの「カムリ」や「アバロン」と同じTNGAプラットフォーム「GA-K」を採用し、3列シート7人乗り/8人乗りを設定。

 ボディサイズ(LEグレード)は、全長5174mm×全幅1994mm×全高1740mm。ちなみに、アルファードは全長4915mm×全幅1850mm×全高1935mmですので、シエナのほうが全長・全幅が大きく、全高は低く設定されています。

 シエナのパワートレインは、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンにトヨタのハイブリッドシステム(THS II)を組み合わせて最大システム出力243馬力を発揮します。

 また、2021年4月27日には北米市場向けに特別仕様車「ウッドランド・スペシャル・エディション」を発表。4WDをベースとしており、最低地上高を上げてアウトドアレジャーで使いやすいモデルとなっています。

●日産「NV300」

 日産は欧州で「NV300」を販売しています。NV300は小型商用車という位置づけですが、乗用モデルも存在し、2021年5月に新型モデルが発売されました。

 新型NV300は、2020年に登場した大型バン「NV400」と同様の「インターロックグリル」を装備したダイナミックなデザインへと進化。

 シャープな外観にLEDヘッドランプやデイタイムランニングランプを採用するとともに、オプションで17インチホイールを装着することでよりスタイリッシュなスタイルが楽しめます。

 内装も高級感のあるデザインとなり、ダッシュボードにはサテンクロームボタンとダークカーボンのコーディネートを採用しました。

 乗車人数は5人乗りから9人乗り(3列シート×3人)まで用意され、助手席ベンチシートや折りたたみ式の取り外しできるシートを備えることでさまざまなシートアレンジを可能にしています。

 また、収納量が88リットル以上増え(助手席下収納コンパートメント54リットルを含む)、新型NV300はクラス最大の収納力を備えました。

 パワートレインは、欧州の最新のユーロ6d排出ガス基準をクリアした2リッターディーゼルエンジンを搭載し、110馬力、150馬力、170馬力の3タイプを用意。トランスミッションは6速MTまたは6速DCTです。

 新型NV300には最新の先進運転支援システムが搭載されて安全性が向上。ブラインドスポット警告や車線逸脱警告、交通標識認識、アダプティブクルーズコントロール、車間距離警告などの安全機能がグレードに応じて搭載。助手席用フロントエアバッグも改良が施されました。

 さらに、一部グレードには車載コネクティビティも装備され、長時間の移動もより快適に過ごすことができます。

ホンダは日本でもなじみのあるモデルを海外で展開

●ホンダ「オデッセイ」

 ホンダ「オデッセイ」は日本でも販売されていますが、2代目以降の北米仕様はかつて日本で販売されていた「ラグレイト」をベースとした大型ミニバンへと独自に進化しました。

 北米の現行モデルは2017年に登場した5代目です。北米では10年連続でミニバン販売ナンバー1を記録するなど、ファミリー向けの機能性やスポーティな運転性能を有するミニバンとして人気があります。

 北米オデッセイのボディサイズは、全長5212mm×全幅1994mm×全高1735mmと大柄です。日本のオデッセイは全長4855mm×全幅1820mm×全高1695mm-1725mmですから、北米オデッセイのほうがひと回り大きなボディを持ちます。

 2020年7月のマイナーチェンジで外観デザインが変更され、クローム調のデザインを備えたブラックアウトグリルやLEDヘッドライトを採用。リアはウインドウ下部にグロスブラックのトリムを追加することで力強いスタイルへと進化しました。

 インテリアは、シフトレバーがスイッチ式を採用するとともに、メーター回りは「シビック」に近いデザインとなっています。

 さまざまなシートアレンジが可能なオデッセイですが、2列目シートの背もたれを前に倒してほぼフラットな状態に折りたたむことができるなど、アレンジ次第でさまざまな荷物を載せることができます。

 パワートレインは、パワフルな3.5リッターV型6気筒直噴エンジン(280hp)と10速ATを組み合わせ、気筒休止する「可変シリンダーシステム(VCM)」を採用することで低燃費を実現しました。

 安全機能は、運転支援システム「ホンダセンシング」を全車標準装備。歩行者にも対応可能な衝突被害軽減ブレーキや交通標識認識機能、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は0km/hまでの自動追従機能が備わっています。

●ホンダ「エリシオン」

 ホンダ「エリシオン」はラグレイトの後継車として、2004年から2013年まで日本でも販売されていました。

 2013年に日本での販売を終了したあとは中国専用車として進化。2代目(中国仕様)は日本のオデッセイ(5代目)の兄弟車として2016年にデビューしています。

 現行エリシオンの外観デザインは、4つのクリスタルダイヤモンドLEDと組み合わせた水平基調のフロントエアインテークグリルデザインを採用しているほか、メッキパーツも多用することで、中国の富裕層が好む豪華な仕様となりました。

 エリシオンのボディサイズは全長4940mm×全幅1845m×全高1710mmと5mにはわずかに届かないものの、全長4855mm×全幅1820mm×全高1695mm-1725mmの日本のオデッセイより大型化しています。

 ボディサイズが拡大化されたことで、2列目シートを前後740mmに超ロングスライドする機構を採用。これは室内空間でもとくに後席の広さを重視する中国ユーザーのニーズに応えた部分だといえます。

 内装は一見シンプルなデザインなものの、センターコンソール全体が手触りの良い革で包まれており、高級感がアップしました。

 パワートレインは、2.4リッターエンジンを搭載するガソリン車と、2019年のモデルチェンジで2リッターガソリンエンジン+2モーターハイブリッドを組み合わせたハイブリッド車を追加。この点は日本のオデッセイと同じです。

 機能面では、手の動きをセンサーが感知して車両に触れずにドアの開閉が可能な「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」を採用。2020年11月にマイナーチェンジした日本のオデッセイにもこの機構が取り入れられました。

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 ミニバンは日本のみならず、海外でも広く普及しています。

 国産メーカーも高級モデルだけでなく、エントリークラスのミニバンをアジア圏に投入。たとえば三菱は小型の「エクスパンダー」を東南アジア各国で販売し、人気を誇っています。

 また海外メーカーも、最近ではメルセデス・ベンツが「Vクラス」よりコンパクトなEVミニバン「コンセプトEQT」を発表したり、韓国のヒュンダイが新型高級ミニバン「スターリア/スターリアプレミアム」を発売するなど、さまざまなミニバンが登場しています。

 SUVブームの次はミニバンブームが巻き起こるのかもしれません。