2021年6月1日に、イギリスの新興自動車メーカー「イネオスオートモーティブ」は、サイクルロードレース「ジロ・デ・イタリア」でサポートカーとして活躍したイネオス「グレナディア」の写真を公開しました。この新興メーカーが作るSUVはいったいどのようなものなのでしょうか。

英国の大手化学メーカーイネオス!化学メーカーが作るクルマとは?

 イタリアでおこなわれたサイクルロードレース「ジロ・デ・イタリア」。

 そこにサポートカーとして並走する、ランドローバー先代「ディフェンダー」に似たSUVとなるイネオス「グレナディア」の姿がありました。グレナディアとは、どのようなクルマなのでしょうか。

 ジロ・デ・イタリアは、イタリアのサイクルロードレースで計3500kmを走る過酷なレースです。

 サイクルロードレースには、競技に出る選手をサポートするため、食料やスペアパーツを運んで並走するサポートカーが存在します。

 レースに参加していた「グレナディアローザ」というチームのサポートについていたのが、イネオスオートモーティブのグレナディア(プロトタイプ)です。

 イネオスオートモーティブは、2017年に立ち上がったイギリスの新興自動車メーカーです。

 同社はイネオスグループという石油やコーティング剤、消毒液などを手掛ける大手化学メーカーの子会社です。
 
 またイネオスグループでは、サイクリングやセーリング、F1などスポーツ競技のサポートもしており、「メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム」のプリンシパルパートナーでもあります。

 グレナディアのエクステリアは先代ディフェンダーを彷彿とさせるデザインです。

 実際、公式ホームページに掲載されているリリースでは、「この車両はディフェンダーのレプリカではありませんが、その哲学を反映しています」と記載しています。

 また別リリースでは、トヨタ「FJ40」、ウィリス「ジープ」、メルセデス・ベンツ「Gクラス」に対し「インスピレーションを受けた」とも記載しています。

 グレナディアは妥協のない4×4を作るというコンセプトのもと開発されています。

 剛性の高いラダーフレームや2速トランスファーケース、デフロック機能 オールテレーンタイヤを装備。

 プラットフォームはほかのメーカーから提供を受けることなく、1から新しいプラットフォームを開発しています。

 エンジンはBMWの直列6気筒ターボエンジンを採用。シャシとサスペンションの開発を担当するのは、大手自動車サプライヤーであるマグナインターナショナルの子会社、マグナ・パワートレインとマグナ・シュタイアーです。

 生産拠点はイネオスオートモーティブが買収したメルセデス・ベンツのハンバッハ工場を予定しています。

 同工場はEVであるスマート「EQ」を製造していましたが、こちらはグレナディアと並行して製造されるようです。

 ここで生産されたグレナディアは2022年初めに納車を予定しています。

 グレナディアプロジェクトの発案者でイネオスグループの会長を務めるジム・ラトクリフ氏は以下のようにコメントをしています。

「私は旧型のランドローバー ディフェンダーを非常に尊敬しており、そのオフロード性能に大きな敬意を払っています。私たちの新しいグレナイダーは、それにインスパイアされていますが、グレナディアはそれらよりも大幅に改善されています」

 またイネオスオートモーティブCEOのディルク・ハイルマン氏は以下のようにコメントしています。

 「グレナディアのプロトタイプのテストは、オンロードおよびオフロードで180万kmの走行を達成することを目指しています。グレナディアは全世界の市場で販売を開始する予定です」

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 近年の新興自動車メーカーの多くは電気自動車などの電動車を展開することが多いですが、グレナディアは珍しくガソリンエンジンを搭載しています。

 実際に販売を開始する国などはアナウンスされていませんが、もしかしたら日本でも販売されることもあるかもしれません。