2021年6月17日にマツダは、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づき、2030年に向けた新たな技術・商品の開発方針を発表しました。そのなかで、2022年から2025年までの3年間にハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車を合わせて13車種投入するといいます。

マツダ、トヨタHV含む電動車を13車種展開! ロードスターの電動化も明言!

 マツダは、2030年に向けた新たな技術・商品の開発方針を2021年6月17日に発表しました。
 
 マツダの「2050年カーボンニュートラル化への挑戦」や、それに伴う今後の商品展開はどのようなものになるのでしょうか。

 今回、マツダは2020年に新たに公表していた中期経営計画の見直し、2050年カーボンニュートラル化への挑戦をふまえたいくつかの方針に沿って2030年に向けた技術・商品の開発を進めていくとしています。

 ひとつめは、「モノ造り」の部分となり、 マツダは基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで、優れた技術を効率的に届ける「ビルディングブロック戦略」を一貫して展開。

 それにより、 2007年以降の「SKYACTIV TECHNOLOGY」を中心とした内燃機関の刷新に電動化技術を積み上げて、2012年以降のさまざまな商品に対応する技術資産を築いてきました。

 現在では、内燃機関の進化(SKYACTIV-X/直列6気筒)と電動化技術の拡大を継続するほか、スモール商品群用の横置きパワーユニットとラージ商品群用の縦置きパワーユニットに対応した「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー 」 をベースとして、国ごとの電源事情や環境規制などユーザーのニーズに応じたマルチソリューションを展開していく計画です。

 また、水素技術に関して、専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎氏は次のように述べています。

「過去にマツダは、水素ロータリーエンジンの技術の実用化を市場に展開しました。

 現在までにさまざまな環境要件で止まっていましたが、昨今の水素活用の動きやインフラ整備が整いつつあるので、過去の実用化した技術のベースを元にモデルの開発やリサーチに活用していきたいと考え、進めていきたいです。

 まずは、ロータリーエンジンを活用した電動技術を早く世の中に出して、さまざまな燃料の活用なども視野にいれて展開してきたいと思います」

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 そして、2025年以降は、さまざまな車格やボディタイプのEVモデルに適応できるマツダ独自のEV専用プラットフォーム「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー 」を新たに導入する計画だといいます。

 マツダは、これらの戦略について「コモンアーキテクチャー、一括企画、モデルベース開発など、高効率の開発手法にさらに磨きをかけ、協業パートナーと共に、本格的な電動化時代への技術資産を構築していきます」と説明しています。

 具体的な商品導入については、「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」の商品として、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)の合計9車種を日本、欧州、米国、中国、アセアンを中心に、2022年から2025年の3年間にかけて順次導入する予定です。

 これらの内訳は、HVを5車種(マイルドハイブリッドモデルは除く。トヨタからOEM供給を受けるTHS搭載車を含む)に加えて、PHEVを5車種、EVを3車種となっています。

 さらに、「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」の商品として、2025年頃から2030年にかけて複数のモデルを導入する予定です。

 また、マツダを代表するスポーツカー「ロードスター」の電動化について、前出の廣瀬氏は「2030年にはグローバルにて電動化100%を目指していますので、ロードスターもそのなかに含まれています」と説明。

 常務執行役員 R&D管理・商品戦略・技術研究所・カーボンニュートラル担当の小島岳二氏は、「現在、ロードスターに乗っていられるお客さまに対しての回答として、マツダは『e-fuel(イーフューエル)』などの内燃機関でも使える燃料の開発もおこなっていますので、そのあたりも含めて期待頂ければと思います」

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 こうした電動車の導入計画に基づいて、マツダの「2050年カーボンニュートラル化への挑戦」として、2030年時点での生産における電動化比率は100%、EV比率は25%を想定しているといいます。

マツダの安全への取り組み、そしてコネクテッド技術への挑戦とは

 また、マツダでは「事故のないクルマ社会」の実現に向けた「人」中心の安全技術の普及を目指しているといいます。

 安全技術のビルディングブロックにおいても、人間中心の自動運転コンセプト「Mazda Co-Pilot Concept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」を新たなブロックとして積み上げ、商品として展開していくとしています。

「Mazda Co-Pilot」とは、ドライバーの状態を常時モニタリングし、突然の体調不良を検知した際に、自動運転走行に切り替えて安全な場所に移動、停車し、緊急通報をおこなうもので、第1段階の「Mazda Co-Pilot 1.0」は2022年のラージ商品群から導入を開始する予定です。

 この機能は、2018年3月29日に国土交通省がガイドラインを定めており、自動運転技術を活用して可能な限り路肩などにクルマを寄せて停止させる「路肩退避型ドライバー異常時対応システム」として、スバル「アイサイトX」や、トヨタ/レクサス「Toyota/LEXUS Teammate」でも同様の機能が備えられるなど普及し始めています。

 また、マツダでは次世代の移動サービスの基盤となるコネクテッド技術、ソフトウェア技術への挑戦を掲げています。

 次世代の移動サービス「MaaS(Mobility as a Service)」や、無線通信でソフトウェアを更新する「OTA(Over the Air)」によるクルマの機能アップデートなどへの対応に向けて、基盤となるソフトウェア技術の開発を強化。

 より安全で快適なコネクティッドサービスの早期提供に向けて、マツダを含む5社(スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ)で、次世代の車載通信機の技術仕様を共同で開発し、通信システムの共通化を推進します。

 さらに、車両内外の迅速な情報通信を可能にする次世代「電気電子アーキテクチャー」(Electric Electronic Architecture:EEA)の開発をおこなうなど、さまざまな技術を革新させるようです。

 また、マツダは「人中心の開発哲学」を主軸として商品開発をおこなってきましたが、カーボンニュートラルやCASE時代での展開について、次のように説明しています。

「『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030』に定める『地球』、『社会』、『人』の3つの領域の中心に『人』を置き、人が持つ本来の能力と人間らしさを尊重した『人』中心の開発哲学を、この先のカーボンニュートラル時代、CASE時代にも継承していきます。

 人が持つ本来の能力を最大限に発揮することをサポートするクルマを提供することで、人間らしさにあふれたサステイナブルな社会の実現を目指してまいります」

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 昨今の自動車業界は、「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動化)」「Shared/Services(シェアリング/サービス)」「Electric(電動化)」の頭文字を合わせたCASEに重きをおいた戦略を基本としています。

 これまでの車両開発以外の分野においてもさまざまな要素が求められるなかで、既存の自動車メーカー以外からの新規参入も目立っており、革新的なアイデアややり方が求められています。

 そうしたなかで、日本の自動車メーカーが大切にする「モノ造り」をどこまで続けられるかという不安要素もありますが、マツダはその想いを今後も一貫して通していくようです。