「お客さま、おクルマのハザードランプが点いております」という、ショッピングセンターの店内放送。ハザードランプの点灯を店内放送で知らせるのにはどんな意味があるのでしょうか。

クルマのランプ類が点けっぱなしの店内放送はなぜおこなわれる?

 買い物などで大型のショッピングセンターを利用する際、クルマで店を訪れるという人も多いでしょう。
 
 ショッピングセンターの駐車場では、ほかのクルマとの意思疎通のためにハザードを点灯して駐車したり、立体駐車場の場合ではライトをつけたりする人が多く見られます。

 しかし、なかにはハザードランプやヘッドライトを消し忘れて買い物へ向かってしまう人もいるようです。

 その場合、ショッピングセンターでは店内放送によって、「〇〇のお車にお乗りのお客さま、ハザードランプが点いております。お車までお戻り下さい」など、クルマの車種や特徴、ナンバーとともにランプ類の消し忘れを持ち主に知らせることがあります。

 ショッピングセンターがヘッドライトやハザードランプの消し忘れを店内放送で知らせるのには、どのような理由があるのでしょうか。

 大手ショッピングセンターの担当者は、ランプ類消し忘れの店内放送について下記のように話します。

「ハザードランプやヘッドライトの消し忘れは、バッテリーが上がる原因になり得ると考えています。また、眩しさによってほかのクルマが駐車しにくい可能性もあり、アナウンスさせていただいています」

 また、自分のクルマがライトを消し忘れているかどうか気になる場合は、電話やサービスカウンターなどで相談できるようです。

 このショッピングセンターでは連絡があったクルマについて、担当者がカメラで状況を確認し、その後にアナウンスして持ち主へ知らせているといいます。

 ロードサービスをおこなうJAFの担当者も、「バッテリー上がりによる救助要請は多く、過去にはライトの消し忘れが原因となった事例もありました」と話します。

 クルマはライト類を点けたままエンジンを切ってしまうと、バッテリーが充電されず、電力が消費される「過放電」状態になってしまいます。

 国産車の多くは、容量が40Ahのバッテリーが純正で搭載されていますが、HIDのヘッドライトの消費電力は8.5Aから9.0Aとなるため、約5時間でバッテリー上がりに陥る可能性が高いとされています。

 また、ハザードランプの場合では消費電力が4.0Aから8.0Aとなり、充電が満タンの状態では5時間から10時間程度の過放電でバッテリー上がりになると試算できます。

 ただし時間に関しては、バッテリーの充電が満タンの状態を基準としており、バッテリーの劣化具合や充電残量によっても異なるため一概にはいえないでしょう。

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 駐車場でヘッドライトが点いたままのクルマについては、バッテリー上がりとは別の問題もあるようです。

 SNSでは「ライトの点けっぱなしうざい!」「ライト消してくれ、眩しい」という声が挙がっています。

 ヘッドライトが点いたままでは、眩しさからほかの運転者の視線を妨げることにもなり得るでしょう。

 とくに立体駐車場では、駐車場内に入った段階でスモールランプに切り替えたり、ほかのクルマへの配慮が必要になるかもしれません。

バッテリーが上がってしまったらどうすればいい?

 実際にライトを点けたままクルマを放置してしまい、バッテリー上がりを経験したA氏は次のように話します。

「出勤時にクルマのエンジンがかからなくて驚きました。運良くブースターケーブルを所持していたので家にある別のクルマから電力を供給できましたが、仕事に遅れるかと思い焦りました」

 バッテリーが上がってしまったときは、ブースターケーブルを用いてほかのクルマから電力を供給してもらうことで解消されることがありますが、これはバッテリー自体に劣化などの問題がない場合に限ります。

 JAFの担当者はバッテリー上がりを起こした際の対応について、「バッテリー上がりはもちろん、クルマに異常を感じた場合はJAFなどのロードサービスへ相談してほしい」と話します。

 近年のクルマはオートライトが搭載されていることが多く、エンジンを切ると自動的にヘッドライトも消えるようになっているものもありますが、自分でもライト類が消えているか目視で確認することが必要でしょう。

 駐車場内でのライト類のつけっぱなしについては、過放電という点はもちろん、ほかの運転者へのマナーとしても意識することが重要であると考えられます。

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 店内放送でライト類の消し忘れをアナウンスするのには、バッテリー上がりの防止とほかの運転者の視認性の確保というふたつの理由があるようです。

 店内放送で自分のクルマがアナウンスされた場合には、自分自身や周りのために速やかにライトを消すといった対応をしましょう。