視界不良時に自車の存在を知らしめる「フォグランプ」ですが、SNS上などでは、「リアフォグ 迷惑」「リアフォグ うざい」といったキーワードで、リアフォグランプへの批判的な声がみられます。本来は安全のための装備ですが、明るい場所で点灯すべきではないのでしょうか。

本来の用途以外で使用した場合、あらゆる法に触れる可能性も?

 SNS上などでは、「リアフォグ 迷惑」「リアフォグ うざい」といったキーワードで、クルマのリアフォグランプへの批判的な声がみられます。

 本来は安全のための装備ですが、明るい場所で点灯すべきではないのでしょうか。

 夜間の運転中、「前のクルマのリアフォグランプが眩しい」という経験をしたことのあるドライバーは意外と多いようです。

 本来、リアフォグランプは自車の視認性を高めるための安全装備ですが、見通しの良い場所であれば後続車への目くらましとなる可能性があります。

 実際に、SNS上で「リアフォグ」というキーワードで検索をすれば、「迷惑」「うざい」「危ない」といった声が数多くみられており、批判的な声が多いのは事実です。

 では、リアフォグランプの本来の目的はどのようなものなのでしょうか。また、見通しの良い場所での点灯は、逆に危険となり得るのでしょうか。

 まず、クルマのフォグランプは、正式名称を「前部霧灯」といい、雨や霧、降雪時などの視界不良時に自車の視認性を高めるために搭載されます。

 そして、リアフォグランプは正式名称を「後部霧灯」といい、フォグランプと同様に視界不良時に視認性を高めるための装備です。

 道路運送車両法の保安基準では、その設置基準について「照射光線は、他の交通を妨げないもの」「光源35W以下、大きさ140平方センチメートル以下」「数は2個以下」「灯火は赤色であること」などが決められています。

 これは、テールランプの光源が5W以上30W以下、照明部の大きさが15平方センチメートル以上となるため、比較してもかなり明るい灯火装備といえます。

 なお、正しいリアフォグランプの使用については、道路運送車両の保安基準の第37条の2に以下の記載があります。

「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」

 つまり、悪天候時などで視界不良の場合に使用すべきとのことです。しかし、一方でこのケース以外で点灯すべきではないとも解釈可能です。

 交通関係に詳しいある法律関係者は、リアフォグランプの法的なリスクについて次のように話します。

「後部霧灯について定めた保安基準について、単に見晴らしの良い場所で点灯させるだけでは、それ自体で違反となるかは微妙なところです。

 しかし、もし自車のリアフォグランプが、明らかに後続車両の視界を遮って、後続車が事故を起こした場合などは責任を問われる可能性があります。

 この場合、故意でなくても、ドライブレコーダーなどの映像から車両が割り出されてしまいます。

 また、後続車両への嫌がらせとして、故意に点灯させた場合は『あおり運転』として妨害運転罪が適用される可能性があります。

 一般的に妨害運転罪は、車間距離不保持などが含まれていますが、リアフォグランプでの嫌がらせの場合、車間距離を取っていても関係はありません。

 なお、そのほかとして、各都道府県が定める道路交通法施行規則などでは『運転者の視認性を惑わす光を放ってはいけない』といった旨の条項があることがあるので、条件によっては何かしらの違反行為に抵触する可能性があります。

 もし、リアフォグランプを使用する頻度の高いドライバーならば、晴天時には十分に気を付けましょう」

※ ※ ※

 リアフォグランプは、降雪の多い東北・北海道地方では使用するユーザーの多い装備です。

 実際に、北海道の自動車販売店スタッフは「吹雪のときには前方車のリアフォグを頼りに走るときもある」と話しており、自車と後続車だけでなくその後ろに続くクルマの安全にもつながっています。

 しかし、使い方を誤れば、法的な問題となる可能性が高いのも事実のようです。

 とくに、厳罰化が進む「あおり運転」とみなされてしまえば、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、違反点数25点、運転免許の取消し(欠格期間2年、前歴や累積点数がある場合には最大5年)が科せられます。

 また、違反行為によって著しい交通の危険を生じさせた場合、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、違反点数35点、運転免許の取消し(欠格期間3年、前歴や累積点数がある場合には最大10年)が科せられます。

 一時の出来心で一生の後悔を背負わぬよう、ランプ類は正しく使用しましょう。