ランボルギーニのフラッグシップである「アヴェンタドール」のモデルライフが、いよいよ終えようとしている。自然吸気V12だけをパワーソースとする最後のランボルギーニ、「アヴェンタドールLP780-4 Ultimae」が発表された。2011年の「アヴェンタドールLP700-4」から歴代アヴェンタドールの国際試乗会に参加してきた西山嘉彦が、ラスト アヴェンタドールを考察する。

ヴィンケルマンが戻って、ネーミングも元に戻った

 2021年7月7日12時(イタリア現地時間)、ランボルギーニ「アヴェンタドール」の最終進化版「アヴェンタドールLP780-4 Ultimae」がオンラインで発表された。

 自然吸気V型12気筒エンジンのみを純粋なパワーソースとする、猛牛のファイナルエディションはどのような仕様なのか、2011年に登場した「アヴェンタドールLP700-4」から歴代アヴェンタドールの国際試乗会に参加してきた西山嘉彦が分析する。

 全世界に向けたオンライン発表会は、ヴィンケルマンがあっさりとアヴェンタドールLP780-4 Ultimaeを紹介し、2011年に登場したアヴェンタドールLP700-4から「アヴェンタドールSVJ」までを一気に振り返る映像の演出などが盛り込まれ、あっという間に終了した(実際に短い発表会だった)。

 実際のワールドプレミアは、2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとなる。

●復活したネーミング

「アヴェンタドールS」とSVJの登場当時はドメニカリがランボルギーニのCEOだったが、今回の発表に登壇したのは10年前と同じヴィンケルマンCEO。これも何かの因縁か。ドメニカリ時代に、車名のエンジンの搭載位置を示す「LP(Longitudinale Posteriore)=縦置き・後方」に「馬力」、そしてダッシュと続いて「駆動方式を示す数字」の記号は廃止されたが、ヴィンケルマンが戻ってきて再び旧式の呼称が復活した。

 ランボルギーニ製の自然吸気V型12気筒エンジンのみの最期のモデル名は、アヴェンタドールLP780-4 Ultimae。リアミッドにエンジンを縦置きし、最高出力は780ps、そして四輪駆動であることが一目瞭然だ。まずは元のネーミングに戻って喜んでいるファンも多いことだろう。

●クーペとロードスターの台数は?

 アヴェンタドールのスペシャルモデル(いわゆるフューオフモデルは除く)としては「LP750-4 SV」、SVJとあるが、どちらも固定式のリアウイングやフロントバンパーなどのエアロパーツなどが特徴的だった。

 そこで、ラストアヴェンタドールがどのような個性的なスタイリングになるのか期待していた人もいるだろう。しかし、LP780-4 Ultimaeには、個性的な固定式リアウイングはなく、ローンチ当時のLP700-4へと先祖返りしたかのような大人しく見えてしまうスタイルだった。

 クーペとロードスターが同時に発表されたのもLP750-4 SVと同じだ。ただしその台数がきわめて戦略的だ。クーペが350台、ロードスターが250台なのである。

 LP750-4 SVはクーペ600台/ロードスター500台、SVJはクーペ900台/ロードスター800台であったことと比べると、いかに少ないかが分かる。つまり、将来的にコレクターズアイテムとなる可能性を十分に秘めているのだ。

ファイナルは10年前を思い出させるスタイリング

●LP780-4 Ultimaeはひとことでどんなクルマ?

 アヴェンタドールLP780-4 Ultimaeを端的に表すとしたら、「アヴェンタドールS」の外観とドライビングダイナミクスに、「SVJ」のパフォーマンスを組み合わせたといったらいいだろうか。SのなりをしてSVJばりに速いと表現してもいいだろう。

 ただし、LP780-4 Ultimaeの最高出力は780ps/8500rpmだ。これはSより40ps、SVJより10ps高い馬力である。軽量化のためにSVJはカーボンファイバーやチタンといった素材を多用して、Sから50kgもダイエットした1525kg(乾燥重量)を実現したが、LP780-4 UltimaeはSVJより25kg重い1550kg(乾燥重量)となる(ちょうどSとSVJの中間という乾燥重量だ)。重くなった分をパワーで補った、とも考えられる。

 固定式のリアウイングがないので大人しく見える外観だが、サメの牙をモチーフにしたというSのフロントマスクのデザインからより複雑な造形になり、差別化は図られている。サイドとリアのボディワークは写真を見る限りSVJに準じているようだ。

●LP780-4 Ultimaeの性能は?

 技術的にはSとSVJに準じているようなものなので、これといった新たなテクノロジーは採用されていない。

 ただし、パフォーマンス的にはSVJに劣らず、0-100km/h加速は2.8秒とSVJと同タイム、そして最高速度は355km/hと、ラスト アヴェンタドールを名乗るに相応しいものだ。

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 2011年にイタリア・ヴァレルンガサーキットで開催されたアヴェンタドールLP700-4の国際試乗会の際、試乗前のカンファレンスでヴィンケルマンは、次のような内容でLP700-4を説明したことを思い出した。

「これから10年間、第一線で色褪せないために、2世代分の革新的技術を盛り込んだ」

 あれからちょうど10年。2018年にはニュルブルクリンクで当時市販車最速タイムを更新するなど、アヴェンタドールはスーパーカーの世界で常に第一線級の存在だった。

 ラスト アヴェンタドールとなるLP780-4 Ultimaeも当然のことながら、フィナーレを飾るに相応しい圧倒的パフォーマンスを見せてくれるだろう。