夏に起こりやすいクルマのトラブルはどのようなものがあるのでしょうか。人やクルマに対する夏ならではのトラブルを解説します。

夏にありがち!クルマのトラブルと対策方法とは

 これから夏本番を迎え、さらに気温が上がる季節となりますが、夏はクルマのトラブルが起きやすいといいます。
 
 夏場のトラブルは、事前に対策を立てて回避したいものですが、具体的にはどういったトラブルがあるのでしょうか。

 まず、夏場の車内気温は非常に高くなるため、ダッシュボードにプラスチック製品を放置することで変形や故障の原因になります。

 JAFでは、日用品をダッシュボードに置き、時間経過による状態変化を調べる実験をおこなっています。

 その実験によれば、ダッシュボードに置いたスマートフォンは高温注意の警告が表示されて一時的に使用が不可能になってしまいました。

 また、ライターは約2時間でケースに亀裂が入ってガスが抜けてしまっています。

 実験では、「対策なし(黒色)」「対策なし(白色)」「サンシェード装着」「窓開け(3cm)」「エアコン作動」という5種類の条件のクルマで、車内温度とダッシュボード最高温度を調べています。

 結果は、「対策なし(黒)」のダッシュボード最高温度が79度、次いで「窓開け(3cm)」が75度、「対策なし(白)」で74度を記録しています。

 一方で、「エアコン作動」なら61度、サンシェード装着が52度と車内温度の上昇が抑えられることが分かっています。

 また、JAFによると2019年8月1日から8月31日までの1か月で、子どもやペットが車内に取り残されたケースが144件発生しており、車内温度テストでは気温35度で駐車した車内の暑さで窓を締め切ると、エンジン停止後15分で人体に危険なレベルに達することが分かっています。

 このような車内温度上昇の危険性について、首都圏の自動車整備士は次のように話しています。

「たとえ短時間でも、車内にお子さまだけを残してお留守番させることは絶対に避けて下さい。

 短時間でもエンジンを切ると車内温度は一気に上昇するため、身体が大人ほど丈夫ではないお子様が熱中症を引き起こす原因になります」

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 夏場にクルマを運転する前に、トラブルを未然に防ぐ行動が欠かせません。

 とくに車内温度の急上昇はほんの短時間で人体に悪影響が発生するため、ドライバーは同乗者の体調も考慮したドライブを計画することが望まれます。

夏は車内温度以外にも注意が必要!

 ●バッテリー上がりに関するトラブル

 夏場は、エアコンを使うことで電気使用量が増え、バッテリーに負荷がかかりやすいことで、バッテリー上がりが起こりやすい時期です。

 JAFが公表している「2020年度 シーズン別の出動件数・出動理由(四輪・二輪合計)」を見ても、お盆時期の出動理由の第1位は「過放電バッテリー(バッテリー上がり)」となっています。

 件数にして1万7759件と、出動件数全体の29.43%を占めており、夏は起こりやすいため対策が必要といえるでしょう。

 バッテリー上がりの要因として、エアコンの過剰使用のほかにも、ライト(室内ライト含む)の消し忘れや、クルマに乗らない状態が長期間続くことによって、「自然放電」という現象が発生し、自然とバッテリーが上がってしまうこともあります。

 バッテリーが上がると「ライトがつかない」といった電気系統のトラブルや、エンジンがかからなくなってしまうため、定期的なメンテナンスが重要です。

 ほかにも、クルマは走行することで発電機が電気を作るため、走行距離が短いと充電が不十分になることから、定期的に長距離運転をするという対策も有効的といえます。

 ●タイヤのパンク、バースト

 前述のJAFの資料で出てくるお盆の出動理由の第2位には、「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」が挙げられており、2020年度は発生件数が1万625件と、出動件数全体の17.8%を占めています。

 タイヤがパンク・バーストする原因のひとつが空気圧不足によるもので、JAFがおこなった「空気圧の違いでバーストの危険性が変わるのか」という実験を、タイヤ試験機を使って検証したところ、適正空気圧のタイヤでは210km/hまで上げても外見上の問題はなかったのに対し、空気圧が半分のタイヤでは210km/hでバーストしていることがわかっています。

 パンクやバーストの対策としては、タイヤの定期的な空気点検が第一で、日本自動車タイヤ協会(JATMA)によれば、6割以上のドライバーが「空気点検の頻度は足りている」と回答したのにも関わらず、72.5%のドライバーが月1回以上の空気点検が推奨されていることを知りませんでした。

 お盆は、遠方へのドライブで高速道路を使う機会も増加するため、高速道路でタイヤの空気圧が減少した状態で走ると、タイヤが波形に変形してしまう「スタンディングウェーブ現象」が発生する可能性もあります。

 給油の際は、定期的にガソリンスタンドでタイヤの空気圧を確認してもらうほか、異物が刺さっていないか、ホイールナットが緩んでいないかまで確認することが大切です。

 ●冷却水のトラブル

 外気温があまりに高いと冷却水による冷却が追いつかず、クルマがオーバーヒートする危険があります。

 冷却水に異常があると水温計や警告灯で確認できますが、近年は水温計を装備していないクルマも多く、警告表示に気付かないまま走り続けると走行不能になる可能性があります。

 日頃から警告表示の意味などを確認しておくことで、万が一の際に素早い対処が可能になります。

 水温計が装備されているクルマの場合は、エンジンの異常高温はすぐにわかります。

 Hマークの近くまで針が進んでいる場合はオーバーヒートが近い状態と判断できます。

 クルマへの深刻なダメージを避けるためにも、針がHに近づいていることを確認したらすぐに停車して対策を講じることが大切です。

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 夏は、人やクルマにとって厳しい季節です。気持ちよく出かけるためにも事前のメンテナンスや点検は怠らないようにしておきましょう。