クルマに取り付けられている装備には、機能だけでなく見た目にも惹かれるものが存在します。そこで、クルマ好きを魅了するアイテムを、5つピックアップして紹介します。

クルマ好きを惹きつける装備・アイテムを振り返る

 クルマの装備にはさまざまなものがあり、機能的なものだけでなく、ドレスアップの要素があるもの、快適性に必要な便利装備など多岐にわたります。

 そうした装備のなかには、高性能車やスポーティなクルマならではのアイテムも存在します。

 スポーツカーや高性能車に付属するアイテムは、確かに機能的に必要とされるものばかりですが、見た目や雰囲気も考慮しているケースもあり、ユーザー的にも満足に値するでしょう。

 そこで、クルマ好きを惹きつける魅力的なアイテムを、5つピックアップして紹介します。

●オーバーフェンダー

 1960年代から1970年代の市販車をベースにしたツーリングカーレースで誕生したのが、オーバーフェンダーです。

 レギュレーションで許される限り幅の広いタイヤを装着したりトレッドを拡大することで、旋回性能の向上を図ることはもっと古くからおこなわれていましたが、純粋なレーシングカーの場合は問題なくても、市販車をベースにした場合は車体からタイヤがはみ出てしまいます。

 そのため、タイヤが全幅に収まるように装着が許されたのがオーバーフェンダーで、日本車では1970年代初頭に誕生した高性能モデルが、レーシングカーをイメージさせることを目的にリベットでアーチ状のオーバーフェンダーを装着しました。

 その後1975年頃からは、日本では運輸省(現在の国土交通省)が許可しなくなり、オーバーフェンダーは衰退しましたが、1980年代にはフェンダーと一体成型されるブリスターフェンダーが流行。空力性能的にも優れていました。

 さらに、クロカン車等でもオーバーフェンダーは一般的となっていたり、現在ではリベット留に回帰しつつもより複雑な形状のオーバーフェンダーも誕生しました。

 なお、オーバーフェンダーの装着はかつてアウトローなイメージがありましたが、全幅の変更による構造変更の届出をおこない、かつ取り付け方法や形状が適切ならば、合法的にオーバーフェンダーの装着がおこなえます。

●ボンネットのエアスクープ

日本では1980年代にターボエンジン車の普及が一気に加速しましたが、それと同時に広まったのがボンネットのエアスクープです。

 エアスクープはやはりレースの世界で誕生したもので、自然吸気エンジンの吸気系へ走行風を強制的に導入するもの(ラムエアーによる過給効果を狙う)や、ラジエーターへ導風することなどが目的で開発されました。

 日本車で1980年代に流行したエアスクープは比較的小型で、ターボエンジン車ではターボチャージャー周辺の冷却のための導風がメインでした。

 その後、さまざまなタイプのエアスクープが採用されるようになり、ターボエンジン車ではボンネット内に設置されたインタークーラーの冷却や、エアアウトレットの機能をもたせることでエンジンルームの換気、さらにGTカーなどのレースでは車体の下部から入った空気をボンネット上に排出することで、ダウンフォースが得られるようにするなど、エアスクープはさまざまな機能や効果が発揮できるようになりました。

 本来、ボンネット内への導風のために設置されたエアスクープは、空力性能の悪化、とくに空気抵抗の増大が懸念されますが、昔はエアスクープこそ高性能車の証のような面もあり、自慢のアイテムでした。

 また、自然吸気エンジン車ながらダミーのエアスクープを取り付けてみたり、あまり意味もなく大型のものに交換するなど、ドレスアップアイテムにも利用されました。

 近年の高性能車にもエアスクープが設置されていますが、導風用でも空力性能が考慮されており、かなりスマートな印象です。

●センター出しマフラー

 一般的にマフラーと呼ばれるパーツは、エンジンが排出する排気ガスを車外に放出する目的のものです。エンジンから出た直後の排気ガスは高温高圧かつ有毒で、排気管を通ることである程度の冷却と消音がおこなわれ、さらに三元触媒などによって浄化されます。

 また、効率良く排気ガスを放出されるために管径や長さが決められ、さらに出口の形状や直径、本数などはリアビューを引き締める重要なアイテムです。

 とくに出口のサイレンサー部分は交換することも広く普及し、純正オプションでも販売されています。

 さらに重要なのが出口の位置で、ボディ後部の右出し、左出し、左右両方などが普及していますが、なかでもセンター出しは比較的珍しいといえるでしょう。

 FR車では車体後部センターにディファレンシャルギアのケースがあるため、排気管のレイアウトはある程度制限されますが、FF車ではセンター付近が空いているため、センター出しも比較的容易です。

 そのため、古くはBMC「ミニ」(オールドミニ)でセンター出しの社外品マフラーが流行。また、レーシングカーを彷彿とさせるフェラーリ「F40」やホンダ「FK8型 シビック タイプR」などがセンター3本出しというレーシーなレイアウトを採用しています。

 マフラーは出口の直径やデュアル/4本出しなど数も重要ですが、出口の位置を変更するだけでも、かなりリアビューの印象に影響するので、センター出しというだけでも珍しく、かっこよく見えるでしょう。

「赤キャリ」や、ズラリと並んだメーターはマジで憧れ!

●カラーリングされたブレーキキャリパー

 ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで、クルマのスピードを低下させる重要な部品なのは誰もが知るところです。

 そのためブレーキの進化の歴史は、熱との戦いの歴史であり、ホイールのリムを挟む構造からドラムブレーキ、ディスクブレーキへと変化しました。

 また、ディスクブレーキにおける制動力の向上で重要な要素は、ブレーキパッドの大型化=制動面の面積を広くすることにあり、それとともにブレーキキャリパーも大型化し、さらにパッドを押しつけるピストンの数も増え、今では高性能車で4ピストンは一般的で、なかには6ピストンや8ピストンと複数化が顕著です。

 この多ピストン化はキャリパーの大型化にも繋がり、ホイール内で目立つ存在になり、よりキャリパーを目立たせるためにカラフルなカラーリングを施すようになりました。

 このキャリパーをカラーリングした起源はブレーキメーカーの大手であるブレンボといわれ、1980年代に実現。とくに赤いブレンボ製キャリパーは走り好き垂涎の的で、通称「赤キャリ」と呼ばれ高性能車の証でした。

 その後、さまざまなメーカーも追従し、今では純正で採用するのも珍しくなく、赤だけでなくさまざまな色が展開されていますが、やはり目立つ色が多いでしょう。

 なお、DIYなどで後からキャリパーに塗装をおこなうケースや、剥がれたことから再塗装をおこなうこともありますが、ブレンボはこうした行為を推奨していません。使用状況によっては超高温になるキャリパーですから、後から塗装しても熱ですぐ剥離したり、最悪は燃えてしまうこともあるようで、危険だとのことです。

●コクピットに多数のメーター

 ドライバーが運転席に乗り込み、眼前に広がる光景といえばメーターパネルです。近年はメーターの数は最小限に留められ、例えば安価なモデルではスピードメーターと燃料計のみで、ほかには警告灯が並ぶのが一般的です。

 これはクルマの信頼性が大幅に向上したことを意味し、オーバーヒートも部品の不具合でも出ない限り、経験することもありません。そのため水温計は必要なく、警告灯に置き換わりました。

 また、CVTやATの進化から、2ペダル車ではエンジンの回転数も過回転になることはまずなく、タコメーターも不要になったといえます。

 一方、信頼性がそれほど高くなかった頃の高性能車やレーシングカーでは、自車のコンディションをメーターで知る必要があったため、スピードメーター、タコメーター、燃料計、水温計、以外にも油温計、油圧計、電流計(アンメーター)、電圧計、ターボ車ではブースト計など、数多くのアナログメーターが備わっていました。

 メーターが多数設置されたインパネまわりは、まさに「コクピット」と表現するのにふさわしく、機能美とスポーティさ、高性能車を運転しているという高揚感が得られ、クルマも信頼性が向上した後もスポーツカーのなかにはマルチメーターのモデルが存在。

 現在はメーターを液晶モニターに表示する機能が普及しており、スポーツカーでもアナログメーターが並んでいるケースは少なくなりました。

 しかし、米時間の2021年8月18日に発表された日産新型「Z」(日本名「フェアレディZ」)では、液晶のメインメーターに加えてアナログのサブメーターをインパネセンターに配置。ブースト計に電圧計、そして市販車では非常に珍しいターボスピード計を搭載しています。

 このターボスピード計はターボチャージャーの回転計であり、走行には関係ないものですが、クルマ好きの心をくすぐるアイテムといえそうです。

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 最後に紹介したメーターですがEVではどうなるでしょう。基本はスピードメーターや電気の残量がわかれば走行に問題はなく、後は走行可能距離くらいでしょうか。

 今後、EVスポーツカーが登場したら、バッテリーやモーターの温度計、モーターへ流れる電流計、タイヤの駆動力計などが表示されるのかもしれません。モーターのタコメーターがあったとしても回転数は車速と連動するため、あまり意味はないといえます。

 いずれにしても、アナログメーターが並ぶ姿ほどの高揚感がなくなってしまうのも、進化のうえでは仕方のないことかもしれません。