トヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」は、両社が共同開発したSUVタイプの電気自動車です。今回、ソルテラの画像が公開されましたが、一体どんなモデルなのでしょうか。

F1みたいなハンドルは一部地域のみで採用? なぜ?

 電気自動車(EV)の開発で遅れていると叩かれている日本の自動車メーカーながら、日経新聞ウェブによれば、「米国で電気自動車関連の特許を分析した結果、競争力1位に評価されたのはトヨタだった」という。
 
 なぜトヨタが電気自動車で勝負してこないのかといえば、従来の電池を使っている限りハイブリッドと利便性で勝負出来ないと思っているからです。

 トヨタの社是は「顧客第一主義」。ユーザーのメリットを最優先するということ。もう少し詳しく説明すると、いまの電気自動車レベルの価格と性能ではユーザーのメリットにならないと考えているのだろう。

 そんなトヨタが、スバルと共同開発したSUVタイプの「bZ4X」と呼ばれる電気自動車を2021年4月の上海モーターショーで発表した。

 さらに6月には北米でbZ4Xのコンセプトが発表されたが、その後、情報は途絶えてしまう。どうなっているのかと思っていたら、スバル側から情報が出てきました。

 スバルブランドで販売される「ソルテラ」のインテリアとエクステリアの写真が2021年8月31日に公開されたのだった。早速詳細にチェックしてみると、興味深い点を見つけたので紹介してみましょう。

 bZ4Xとソルテラのハンドルを比べて頂きたい。bZ4Xの大きなセールスポイントが、F1みたいな形状をしたハンドルだった。

 トヨタの説明だと、日産「スカイライン」で採用されているDAS(ステア・バイ・ワイヤ)と同様にハンドルと前輪は直接繋がっておらず、Uターンなどでもハンドルをぐるぐる回さないで済むということだった。

 ソルテラのインテリアを見たら、通常の丸いハンドルである。当然の如くDASと思えない。

 改めてbZ4Xを確認してみると、DASは中国仕様から採用されるとなっていた。中国以外で販売されるbZ4Xやソルテラについていえば、通常の電動パワステになりそう。

 なぜかというと、販売価格を抑えることでかなりの台数を売ろうとしているかららしい。

なぜスバルはEVを大量に販売する必要がある?

 さらにソルテラについて取材をしてみたら、意外なことが判明した。我が国は「CAFE(企業平均燃費)」という規制を2020年から厳しくしている。

 販売しているすべての車種の平均燃費を20.3km/L以上にしなさいという内容だが、コンパクトカーやフルハイブリッドをラインナップしていないスバルからすれば、これは相当厳しい数値だと思う。

 実際に2020年を振り返ると、スバルは高性能エンジン車をすべて絶版にした。「WRX STI」などがあると平均燃費を落としてしまうからだ。そのうえで「BRZ」や2.5リッター自然吸気エンジンすら止めている。

 ところが、ここにきてスバルが高性能エンジン搭載モデルを復活するというニュースが続々と舞い込んできており、「WRX」や「レヴォーグ」の高性能エンジン搭載車も出るらしい。

 不思議に思っていたところに出てきたのが、電気自動車のソルテラです。二酸化炭素を排出しない電気自動車をラインナップすることでCAFEはググッと改善される。

 とはいえ販売台数が少ないと平均燃費だって上がらない。スバルの関係筋によれば「数字を見たら販売計画台数が多いので驚きました」とのこと。数字は教えてくれなかったが、販売計画台数は4桁らしい。

 ソルテラは、車格としては「インプレッサ」と同じCセグに属するものの、デザイン的に大きく見え、インテリアボリュームなども限りなくDセグに近いようだ。

 本来ならホンダ「フィット」と同じBセグの「ヴェゼル」が、Cセグのマツダ「CX-30」と競合しているのを見ればわかるとおり、「大きく見える」というのは大切だと思う。

 Dセグの電気自動車といえば日産「アリア」です。アリアの標準車は、補助金を差し引けば500万円スタートだとアナウンスされているが、ソルテラの価格は500万円を大きく下回るんじゃないかと考えます。

 搭載される電池のメーカーやスペックなど未公開ながら、トヨタが主体になって開発している「顧客第一主義」の電気自動車とあり、bZ4Xとソルテラは大いに期待出来そうです。