最近では、さまざまなノンアルコールビールが販売されています。では「ノンアルコール」と書かれている飲料を飲んでクルマを運転するのは問題ないのでしょうか。

ノンアルコールビールを飲んで運転しても酒気帯び運転になる?

 さまざまな商品が登場し、飲料メーカーも力を入れているノンアルコールビール。
 
 コンビニなどでも簡単に買うことができ、家飲み需要などもあって売り上げを伸ばしています。
 
 では、ノンアルコールビールであれば、飲んでからクルマを運転しても酒気帯び運転にならないのでしょうか。

 新型コロナ禍の影響で飲食店でのアルコール提供が制限されるなか、ノンアルコールビールなどの飲料に注目が集まっています。

 飲料メーカーが商品開発を進めるほか、飲食店もさまざまな工夫でメニューを考案していて、種類も増えて市場は着実に広がっています。

 ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなどは、コンビニやスーパーなどの量販店で簡単に手にすることができ、コロナ禍の「家飲み需要」も満たしてくれます。

 そんなノンアルコール飲料は、「ノンアルコールだから」と飲んでからクルマの運転をしても大丈夫なのでしょうか。

 そもそもノンアルコールは本当にアルコールが入っていないのでしょうか。

 酒税法では、「酒類」の定義を「アルコール分1%以上の飲み物」と定めているため、アルコール分1%未満の飲み物は、ノンアルコール飲料に含まれることになります。

 たとえば、焼酎などを割ったりする「ホッピー」は、アルコール度数は0.8%となっており、ノンアルコール飲料に該当します。

 ホッピーは、大正末期のノンアルコールビールの流行がきっかけで1948年に誕生しましたが、ラベルには「麦芽発酵飲料」と書かれてあります。

 では、ノンアルコール飲料のホッピーをどの程度飲んだら酒気帯び運転となるのでしょうか。

 血中アルコール濃度を元にした飲酒量は、「(血中アルコール濃度)×(体重1キロあたりの平均血液量=833ミリリットル)×(体重)÷アルコール度数」で求めることができます。

 体重60kgの人がアルコール度数0.8%のホッピーを酒気帯び運転となる血中アルコール濃度0.03%になるのに必要なアルコール量は1.87リットルです。

 ノンアルコールに分類されるホッピーですが、700ミリリットルの大ジョッキで3杯も飲めば、酒気帯び運転になる可能性があります。

 クルマの運転をする際、お酒を飲んでから運転するのは法律で禁止されており、道路交通法第65条第1項では「何人も酒気を帯びて、車両等を運転してはならない」との規定があります。

 道路交通法では「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」という2種類の規定があります。

 酒気帯び運転とは、アルコール検知器によって「呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」で運転していた場合に適用されます。

 アルコール濃度が0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満であれば、行政処分として「違反点数13点、免許停止期間90日」、0.25ミリグラム以上であれば、行政処分として「違反点数25点、免許取消し 欠格期間2年」です。

 なお、酒気帯び運転の罰則としては「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。

 一方の酒酔い運転とは、測定時にアルコール濃度が基準値以下であっても適用される可能性があり、アルコールの影響により車両などの正常な運転ができない状態を指します。

 具体的には「ろれつが回らず正常な会話ができない」、「足元がふらついてまっすぐ歩けない」などの状態となり、行政処分として「違反点数35点、免許取消し 欠格期間3年」、罰則としては「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。

 このように、飲酒をすることでクルマの運転に少しでも支障がある場合は運転することは法律として禁止されており、重い罰則が科せられます。

 そのため、アルコール度数を確認せずに「ノンアルコールだから」とノンアルコール飲料を多く飲んでから運転することは、酒気帯び運転に該当する可能性もあるため、必ず飲料のラベルを確認した上で飲むように心がけるべきといえます。

 ノンアルコール飲料を飲んでからの運転について、ある警察関係者は以下のように話します。

「現在、大手ビールメーカーが販売しているノンアルコールビールやノンアルコールカクテルは、アルコール度数がほぼ0%なので、飲んで運転して問題はないといえます。

 しかし、アルコール度数1%未満が日本のノンアルコールの定義なので、なかには1%に近いアルコール度数のものでもノンアルコールとして販売できます。

 そうした飲料を飲み過ぎると酒気帯び運転となる可能性があるので注意が必要です」

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 新型コロナ禍で飲食店で飲む機会が減り、「家飲み」をすることも増えてきました。

 しかし、前述のように「ノンアルコールだから大丈夫」といって過信はせず、きちんとアルコール度数を調べてから、ノンアルコールビールを楽しむようにしましょう。