2021年9月5日、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2021」でメルセデス・ベンツ「EQE」が世界初公開されました。

世界市場での発売は2022年中ごろを予定

 2021年9月5日、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2021」でメルセデス・ベンツ「EQE」が世界初公開されました。

 EQEはその名のとおり、いわばメルセデスの電気自動車(EV)「EQファミリー」におけるEクラスバージョン、Eセグメントセダン型EVにあたります。

 全長4946mm×全幅1961mm×全高1512mm、ホイールベースは3120mmというボディサイズは、4ドアクーペの現行型「CLS」とほぼ同等です。ただしCLSのようにテールゲートはなく、固定式のリアウインドウとトランクリッドを備えたセダンタイプとなります。

 現行型Eクラス(W213型)と比較すると、フロントのショルダールームはプラス27mm、室内長はプラス80mmと広くなっているのが特徴です。また荷室容量は430リッターを確保しています。

 インテリアデザインは、上級セダン型EV「EQS」をベースにしており、MBUXハイパースクリーンやフロント・オートコンフォートドア、リアアクスルステアリングなどもオプションで用意されます。さらにNVHはクラス最高レベルを誇るといいます。

 発売時に用意されるグレード、「EQE350」に搭載するモーターは最高出力215kW(約292馬力)・最大トルク530Nmを発生。後に500kW(約680馬力)程度のパワーを誇るハイパフォーマンスモデルも計画されているといいます。

 航続可能距離は545kmから600kmになる見込みです。

 EQEは、2021年後半からドイツ・ブレーメン工場で製造が開始され、2022年中ごろに世界で発売される予定です。

 その後、中国市場向けにドイツと中国の合弁会社、北京ベンツ有限公司(BBAC)での生産もスタートする予定です。

なぜいまメルセデスの「EQファミリー」が数多く登場する?

 メルセデス・ベンツのEVが「EQファミリー」です。

 すでに日本で発売されているDセグメントSUV「EQC」、CセグメントSUV「EQA」だけでなく、欧州ではミニバン「EQV」が市場導入されています。またフラッグシップセダン「EQS」や3列シートSUV「EQB」、そしてビジネスセダンの「EQE」などがまもなく登場予定です。

 さらにスモールバンの「コンセプトEQT」、GクラスのEV版「コンセプトEQG」もまもなく市販車が発表され、高級ブランドのメルセデス・マイバッハ「EQS」も登場することになります。

 まさにメルセデス・ベンツは、フルレンジでEVを揃えることになります。それはなぜでしょうか。

 メルセデス・ベンツは2021年7月22日、「Mercedes-Benz prepares to go all-electric」というタイトルの発表をおこないました。

 これは直訳すれば「メルセデス・ベンツは、オール・エレクトリックへの準備を進める」というものになります。

 オール・エレクトリックとは、全EV(電気自動車)化ということが考えられます。つまりメルセデス・ベンツは「市場の状況が許すかぎり」という前提条件を添えつつも「10年後には、すべてをEVにする準備を進める」というのです。エンジン車をやめてEVへという、いわゆる「EVシフト」の宣言です。

 これは自動車業界にとっては激震ともいえる発表です。その宣言を箇条書きしてみます。

・2022年までに、すべてのセグメントにEVを投入する。
・2025年以降に発売される新たなアーキテクチャー(プラットフォームを指しているようです)は、すべてEV専用となる。
・2025年に3つのEV専用アーキテクチャーを発表する。
・3つのアーキテクチャーは、中型から大型の乗用車用、AMG用、バン用。
・10年後は、すべてがEVに切り替わる準備をする。

 さらに「メルセデス・マイバッハやAMGのようなハイエンドモデルのEV比率を高めて、純利益を増加させる」「デジタル・サービスからの収益の増加」という考えもあります。お題目ではなく、しっかりとした筋道のある計画であることがわかります。

 EQEをはじめ、このところのメルセデスEQシリーズのリリースは、こうしたメルセデス・ベンツの今後の方向性によるものになります。