道路にはさまざまな路面標示が設置されています。そんななか、神奈川県川崎市には、道路上に「あっ!」と書かれた路面標示が存在しますが、どのような意味があるのでしょうか。

道路に大きく「あっ!」の標示。これにはどんな意味が?

 神奈川県川崎市には、道路上に「あっ!」と書かれた路面標示が同じ道路上に点在しています。
 
 速度制限や「止まれ」(一時停止の表示)などは見かけますが、「あっ!」には、どのような意味があるのでしょうか。

 道路の路面には、交通速度の規制の数字の表示や停止線などさまざまな道路標示が見られます。

 道路標示には、道路法による「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に基づいた「規制標示」や「指示標示」と呼ばれる道路標示と、こうした法令に基づかない「法定外表示」と呼ばれるものがあります。

 この法定外表示は、警察庁にて設置指針が示されており、道路交通法の規定によりいくつかの設けられた場合に該当すれば設置が可能とされています。

 例えば、「交通規制についてその実効性を高めることを目的として設置する場合」、「道路状況又は交通の特製に関する注意喚起を行い、安全な交通方法を誘導する場合」、「交通安全と円滑のために必要と認められる場合」などにこのほかにもいくつかの場合が該当されます。

 一般的に多く見られるのは、白色で大きく書かれた「止まれ」という法定外表示ですが、様式については統一化されておらず、前述の基準に該当すれば設置することが可能となっており、地方によっては止まれの表記が異なっていたり、方言が用いられていることもあります。

 そんななか、神奈川県川崎市幸区の道路の幹線や川崎駅に繋がる道路の500m以内に全部で9つの箇所に「あっ!」と書かれた道路標示が設置されています。

 この「あっ!」にはどういった意味があるのでしょうか。

 神奈川県川崎市幸区道路公園センターの担当者は以下のように説明しています。

「この『あっ!』という道路標示は、少しでも交通事故防止に繋がればという意味合いで2018年2月に設置しました。

 設置箇所の道路はバス通りとなっていて交通量が多く、さらに道も狭いことから事故が相次いで起きていました。

 このため、クルマ側のほうに少しでも徐行してもらうようにインパクトのある路面標示を設置したいという意見が挙がり、2013年にすでに東京都多摩地区の幼稚園の近くに道路標示が設置されていた先行例を受け、この道路標示となりました。

 影響としては、設置前までは何度も事故が起きてましたが、この道路標示の設置後には数値として事故件数が減ってきたという統計も出ているため、設置したことで少しは効果があったと思います。

 今後もこの道路標示をみて、ドライバーの注意喚起に繋がればと思います」

「あっ!」に対して市民の反響は? まさかの森永製菓とコラボ実現!?

 この場所を地図で細かく見てみると、クルマが走る道路は一般的な国道などに比べると細く、歩行者が歩く歩道もその分狭くなっています。

「あっ!」という標示が多く設置されている「小向本通り」という通りを見ても、道がくねくねと入り組んでおり、このほかいくつもの細い道があることが分かります。

 2017年にはこの道路で脇の細道から飛び出してきた自転車とクルマによる死亡事故も発生しており、こうした度重なる事故をきっかけに今回の道路標示の設置に至ったようです。

 市民からの反響について、前出の担当者は次のように話しています。

「近隣の住民はこの標示に慣れてしまっているようで、特別この標示に関して何かいわれるということはないです。

 ただこの場所を通るドライバーは、この標示に反応して安全運転を心がけてくれるような効果はあると思います」

 このほか、大阪府摂津市にも住宅街の細い道に2箇所設置してあったり、福岡県でもこの道路標示がされているようで、全国各地にこうしたインパクトのある道路標示が設置されているようです。

 川崎市幸区役所では、この「あっ」という路面標示をきっかけに2021年7月11日から20日まで「あっ!危ない!!交通安全おっとっと」といった森永製菓とコラボした交通安全キャンペーンをおこなっていました。

 前述の路面標示の部分での接触事故を事例に挙げ、森永製菓のお菓子を配布しつつ交通事故防止運動の周知や交通安全の啓発をおこなったといいます。

 こうした路面標示をきっかけに、川崎市幸区役所では交通安全対策に積極的に取り組んでいるようです。

 こうした川崎市の路面標示や交通安全対策をきっかけに、今後、新たに別の街でこうしたインパクトのある路面標示が見られるかもしれません。