2021年9月30日をもって緊急事態宣言が全面解除となりましたが、2021年は緊急事態宣言が全面解除されている期間のほうがはるかに少ないという状況で、市民の多くがコロナ禍の影響を受けています。そんななか、密を避ける移動手段としてクルマが注目されていますが、「若者のクルマ離れ」ともいわれる状況に変化は出ているのでしょうか。

コロナ禍で免許取得に影響はあった?

 2020年に始まったコロナ禍は現在に至るまで猛威をふるい、2021年は緊急事態宣言が全面解除されている期間の方がはるかに少ないという状況になっています。そんななか、コロナ禍以前に叫ばれていた「若者のクルマ離れ」と呼ばれる状況に、変化は出ているのでしょうか。

 コロナ禍で、密を避けられるクルマでの移動手段が多くなっていることはデータでも示されています。

 ナイル株式会社は、2021年4月に全国の男女2061人を対象に、新型コロナウィルス感染症の流行による移動手段がどのように変化したかなどについての調査を実施しています。

 これは2020年4月、8月、11月に同様の調査を行っており、今回で4回目の調査だそうです。

 まず、新型コロナウィルス感染症の流行前に主に利用していた移動手段についての回答は、自動車が40.4%、公共交通機関は34.3%、そのほか自転車が11.8%、徒歩が10.3%、その他3.2%という結果となっています。

 一方で、調査を行った2021年3月26日から4月7日の期間中に主に利用している移動手段については、自動車が45.2%、公共交通機関が26.9%、自転車が12.6%、徒歩が11.9%、その他3.4%という結果になり、公共交通機関を利用する人が減り、密を避ける移動手段を利用している人が多いということが分かります。

 この調査のなかに含まれた「自動車の利用が増えた理由は何ですか?」という質問に対し、「感染予防のため」と答えた人は84.2%を占めており、「密を避けたい」「人との接触を避けたい」という回答が見られたといいます。

 このように、感染予防を目的に密を避けられるクルマでの移動を手段としている人は増えているということが分かります。

 では、自動車の教習所では、コロナ禍による免許取得に関する変化は見られたのでしょうか。

 栃木県にある自動車教習所の烏山自動車学校の担当者は、以下のように話します。

「コロナ禍になって、免許の取得は増えたように感じています。私たちの教習所は、田舎の外れの方にあり、今までは都心に転居する人も多かったのですが、最近では地元で免許を取らないような方が教習を受けたりということがありました。

 都心へは行かず、オンラインで授業を受けている学生もいるようで、そうした方が空き時間に来てくれたりということもあります」

 免許の取得率を数値で見てみると、警察庁が発表している「運転免許統計(令和2年版)」では、2020年に運転免許証が交付された件数は118万6873件となっており、前年2019年の117万6579件と比べると1万人増加していることが分かります。

 大幅な増加とはいい難いですが、コロナ禍に伴ってクルマの免許取得率の増加に少しはつながっているといえるでしょう。

 また、教習所自体で変化したことがあったかどうかについて聞いたところ、前述の担当者は「うちではコロナの感染予防対策の徹底が主な変化ですが、ほかの教習所では学科教習のオンライン化するような仕組みが導入されたりということもあるようです」と話しています。

 2020年12月に警察庁は、指定自動車教習所におけるオンラインによる学科教習の実施について、コロナ禍に伴い、社会情勢の変化を踏まえ一定の方法でおこなうことを条件にオンラインでの学科教習を解禁することを警視庁と各都道府県警察に通達しています。

 これをうけ、各教習所ではオンライン授業を取り入れているところもあるようで、コロナ禍に伴って、免許の取得をするための方法も少しずつ変化しているといえます。

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 前出の担当者は、クルマの免許取得以外にも、「二輪車の免許取得も増えたという声を聞きます。また、就職や転職で中型や大型を取るという人も少しではあるようですが増えているようです」と話し、普通車に加えバイクの免許取得や、コロナ禍によるリモートワーク普及から、すき間の時間に中型や大型などの免許を取得するために教習所へ通う人も増えているとのことでした。