交通違反の場合、車両に対して「白・青・赤」の違反切符が切られます。しかし、岐阜県では歩行者に切符を切ることあるようですが、どのようなものなのでしょうか。

歩行者に切符?その正体とは

 クルマで走行している際、スピード違反や交通ルールを守らないと違反切符を切られることがあります。
 
 そんななか、2021年9月上旬には岐阜県で歩行者に切符が交付されたことがニュースで取り上げられ話題となりました。
 
 車両ではなく、なぜ歩行者に違反切符が渡されたのでしょうか。

 道路交通法では「交通反則通告制度」が定められており、原則車両の運転者のみを取り締まりをすることが可能となっています。

 通常、交通違反をした際、「切符を切られる」といういい方をしますが、この切符に「白切符」「青切符」「赤切符」と呼ばれるものが存在し、それぞれの意味は異なります。

 白切符の正式名称は「告知票」といい、反則金が定められていないもっとも軽微な違反に対して切られるものです。

 白切符は、反則金を納付する必要はありませんが、違反点が6点になると免許停止もしくは免許取消の行政処分となります

 青切符は、正式名称を「交通反則告知書」といい、比較的に軽微な違反に対して切られる切符で、違反点5点以下の違反行為に対して切られることが一般的です。

 赤切符の正式名称は「交通反則告知票」となり、ほとんどの場合で違反点6点以上の免許停止や免許取消など行政処分の対象となる重大な違反に対して切られる切符となっています。

 これらの白・青・赤以外に、前述の歩行者に対して黄切符が切られた事例があるようです。

 実際には、横断歩道のない場所で道路を横切っていたところ警察官から呼び止められ、住所と名前を控えられた後に切符のようなものを切られたといいます。

 交付していた黄切符の正体は「歩行者用指導警告書」という警告書で、歩行者用のイエローカードとも呼ばれているようです。

 この歩行者用イエローカードについて、岐阜県警の交通指導課の担当者は以下のように話します。

「法令違反をした人に対して、交通ルールを守ってもらうために交付をおこなっています。

 イエローカードとして交付するようになったのは2014年頃です。

 このカードが配布されたことでの罰則はないですが、事故に遭わないような注意喚起としておこなっています」

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 岐阜県警によると、2020年中の岐阜県内の交通事故死者数43人のうち約4割の19人の人が歩行中もしくは自転車に乗車中に事故で亡くなっていることを発表しています。

 このような歩行者の死亡事故への対策として、横断歩道での正しい交通ルールの周知、啓発を目的として歩行者用イエローカードの交付をおこなっていたようです。

黄色切符は全国的なのか?

 歩行者の交通違反が多いというのは、岐阜県に関わらず全国的に見ても多いということがデータを見ても明らかとなっています。

 2021年2月18日に警察庁交通局の「2020年における交通事故の発生状況等について」の資料では、「交通事故死者数等の特徴」について、歩行者は横断方法等の違反や信号無視が多いということが挙げられています。

 また、歩行中全体のなかで高齢者の割合が多く、事故の原因は8割近くが横断中に違反をおこなっているケースが多いとされています。

 同資料内の「状態別死者数の推移」をみても、自転車乗用中は419人(14.8%)、二輪車乗車中526人(18.5%)自動車乗車中は882人(31.1%)、歩行中は1002人(35.2%)と、歩行中での数値がもっとも高くなっています。

 さらに、「歩行中死者数の状況」では、歩行者の法令違反として横断歩道の信号無視をしている人は230人中69人と30%の割合を占めていることが分かります。

 こうしたことからも全国的に歩行者の正しい交通ルールの徹底がされていないことがわかります。

 今回、交付されていた歩行者用イエロカードは、内容はやや異なるものの、兵庫県警でも2021年6月25日から横断歩道を歩行する歩行者に対しての該当指導をおこなっており、注意や警告を守らない歩行者に対して「歩行者指導警告書」の運用を開始しています。

 兵庫県にて配られている歩行者指導警告書は、赤い四角い紙に指名、違反事項、警告をうけた年月日、指導を受けた警察官名の記載項目があります。

 岐阜県や兵庫県のような取り組みは、あくまで県毎の施策としておこなわれ、全国的ではないようです。

 また、2021年9月21日から宮崎県での交付も開始されたといいます。

 これについて、宮崎県警警察本部交通部交通企画課の担当者は以下のように話します。

「宮崎県の過去5年の歩行者の交通事故を分析したところ、約3割が歩行者側にも違反の要因があることが分かりました。

 秋は日が短くなることから、歩行者の死亡事故も増えるため、秋の全国交通安全運動のタイミングで、歩行者用イエローカードの交付を開始しました。

 交付した件数は、21日から30日までの10日間で223件となっており、通常10日間では歩行者事故が何件か見られますが、今回の交付の効果もあって事故件数は0件となっています。

 今後も、歩行者へのイエローカードの交付は継続しておこなっていく予定です」

 宮崎県では、10日間の交付を行っただけでも効果があったとのことで、今後はさらに各都道府県で歩行者への交通ルールの周知がされるかもしれません。