土日になるとドライブスルー店舗や人気商業施設でクルマの長い行列が出来ることがあります。その多くは敷地から公道にはみ出していることもあり、渋滞の原因となっています。果たしてこれらの渋滞を解消する方法はないのでしょうか。

ドライブスルーの列!どうにかならないの?

 新型コロナウイルス拡大により、外出自粛を余儀なくされてから、ドライブスルーの需要が拡大しているといいます。

 そんななか、ドライブスルーを待つためのクルマの長い列が道路にはみ出ていることで、渋滞を引き起こしている場合があります。
 
 こうしたドライブスルーによる渋滞は、どうにか解消出来ないのでしょうか。

 新型コロナ禍により多くの飲食店の売上が減少するなか、ドライブスルーが利用可能な飲食店は売上が増加傾向にあります。

 ハンバーガーチェーンのマクドナルドでは、2021年の1月から6月までの売上高は1512億6600万円と前年同期比では8.6%も増加。

 これは、緊急事態宣言などで店舗での時短営業や店内客席の利用中止が続いていたものの、ドライブスルーはもちろんのこと、テイクアウトやデリバリーなどの数値が好調だったことが理由に挙げられます。

 実際に、新型コロナ禍によりドライブスルーを利用した人も多くなっているようです。

 2021年2月に「コロナによるドライブスルーの利用について」というインターネット調査の結果をナイル株式会社が公表しています。

 調査では「ドライブスルーの利用頻度はコロナの流行前と比べて増えましたか?」という質問について、増えたと回答した人は66%と、およそ6割の人がドライブスルーを利用していることが分かります。

 一方で、ドライブスルーを待つクルマの列が長くなり、道路に伸びていたり、大通りに面していて渋滞となっている様子が見られています。

 SNSでも、ドライブスルー渋滞の投稿が相次いでおり、「クルマで10分で行けるところなのに1時間近くドライブスルーの渋滞にハマってしまった」「ドライブスルーの列で片方の車線全然進まない…」など、渋滞の投稿が見られています。

 通常の道路を走行したい人にとっては思わぬ渋滞といえますが、こうしたドライブスルーによる渋滞について、解消出来ないものなのでしょうか。

 都内警察署の交通課担当者は、以下のように話します。

「実際に、ドライブスルーの渋滞によって交差点の真ん中まで車列が来て、通行を妨げているという場合も見られています。

 しかし、あくまでドライブスルー待ちの渋滞なので、取り締まりなどをおこなうことはありません。

 基本的には、迷惑をしている人が店舗に伝えてもらって、警備員を設置してもらうといった対策となるでしょう」

 ドライブスルーなどでの渋滞は、やむを得ない場合が多いため、取り締まりなどがおこなわれるということはないようです。

 では、店舗では実際にどういった対策を取っているのでしょうか。

 日本マクドナルドホールディングスのコミュニケーション本部の広報部担当者は、次のように話します。

「コロナ禍において、大変多くのお客さまドライブスルーを含めてマクドナルドをご利用いただいております。

 ドライブスルーの店舗は、お店の条件に合わせて、オーダーするポイントがあるところまで敷地内で数台停車できるように工夫して設計したり、スムーズにご注文・商品の提供ができるようにクルーの配置を工夫したりと、コンディメント類取り揃えなど事前準備できる部分を十分におこなうようにしています」

 マクドナルドでは、ドライブスルーでの渋滞緩和のために「サイド バイ サイド」と呼ばれるレイアウト方法を取り入れている店舗があります。

 これは、注文口を並列に2箇所設け、2台のクルマが同時に注文することで商品をより早く提供できる設計です。

 また、店舗によっては1列に車両2台がドライブスルーを利用することができる「タンデム」というレイアウトもあるそうです。

 このほか、専用アプリにて商品を事前に注文・決済をおこなうことができる「モバイルオーダー」というサービスが導入され、事前に注文している人が並ばずに受け取ることができます。

 従来ではモバイルオーダーで注文しても店内で受け取る必要がありましたが、2020年6月からお店の駐車場に停めたクルマに乗ったまま商品が受け取れる「パーク&ゴー」というサービスが追加されドライブスルーのレーンに並ぶ必要がなくなりました。

 このように各店舗ではさまざまな渋滞緩和に伴う工夫がなされています。

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 ドライブスルーがおこなわれている店舗では、各地で渋滞が見られており、多くのユーザーからドライブスルー渋滞に関する声があがっています。

 しかし、これはあくまで不特定多数のクルマが並んでいる渋滞のため、取り締まるというのは難しいでしょう。

ドライブスルーのほかにも!スーパーで見られる駐車を待つ列...

  通行したい道路をふさいでしまうなど、長い列が連なるドライブスルー渋滞のほかにも、スーパーの駐車場に並ぶ渋滞が近隣住民に影響を与えている場合があります。

 関東地方に多くの店舗を構えるディスカウントスーパー「オーケー」は、「高品質・Everyday Low Price」の経営方針をもとに、さまざまな商品が安値で販売されており、日々多くのお客さんが訪れています。

 そんなオーケーでは、とくに大型店舗で駐車場に入るクルマの列が長くなっている場合があります。

 東京都の大型店舗「オーケー 新用賀店」では、土日になると多くのクルマが駐車場に入るため渋滞が発生しています。

 この近辺では、あまりの渋滞の多さに110番をしたことがあるという人もいるようです。

 近隣に住んでいるA氏は次のように話しています。

「オーケーが出来てから、土日の周辺道路の渋滞がひどいです。とくに、近くには『西用賀通り(サクラ並木通り)』という近隣住民のメインストリートがありますが、オーケーの駐車待ちの列がこの道路まで伸びており、大渋滞となっています。そのため、土日にクルマで出かける際には出来る限りオーケーに近づかないようにしています」

 このようなオーケー渋滞に対して、店舗ではどういった対策を取られているのでしょうか。

 オーケーの販促広報室の担当者は以下のように話します。

「新用賀店については、店舗の駐車場が満車状況になりましたら、警備員からお客さまへ、駐車場の入庫までに時間がかかる旨をご説明のうえ、店舗周辺道路を迂回していただくようお願いし、できるだけ車列が出来ないように誘導しております。

 別途、世田谷ビジネススクエアのご厚意で、時間貸駐車場もご利用いただけますので、合わせてご案内しております」

 この店舗のほかにも、駐車の行列についての全体を通しての対策については以下のように話しています。

「駐車場の混雑は、当社の一部の店舗で、週末などに発生することがあり、近隣の人達には、ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。

 そうした店舗においては、看板・掲示物にてスムーズな入出庫(左折入出庫等)をご案内や、適宜、従業員・警備員を配置して対応して対策を講じております」

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 このように、店舗ではさまざまな工夫がされていますが、現状では渋滞の根本的な解決には至っていないことが多いようです。

 今回のマクドナルドやオーケー以外にも大型商業施設などでは駐車場待ちによる渋滞が多発しています。

 2021年10月1日からは緊急事態宣言が全面的に解除されたこともあり、今後これらの渋滞に変化があるのか、注視されます。