フォルクスワーゲン(VW)商用車部門は2021年10月6日、新型「マルチバン」の生産を開始したと発表しました。同時に欧州で事前注文を開始しました。

初代ワーゲンバスをルーツに持つ伝統のミニバンが第7世代に進化

 フォルクスワーゲン(VW)商用車部門は2021年10月6日、新型「マルチバン」の生産をVWハノーファー工場で開始したと発表しました。同時に欧州で事前注文を開始しています。

 新型マルチバンは、6年ぶりとなるフルモデルチェンジで第7世代(T7)に進化しました。

 あらたにVWのプラットフォーム「MQB」を採用した新型マルチバンは、全長4973mm(ロング版は5173mm)×全幅1941mm×全高1903mm、ホイールベースは3124mmと、全長は日本を代表するプレミアムミニバン、トヨタ「アルファード」とほぼ同じ大きさです。

 新型マルチバンは、1985年登場の「T3」までさかのぼるデザインDNAを現在に取り入れているといいます。水平のデザインラインと横基調のフロントマスクはモダンでダイナミックな印象です。

 フロントにはLEDヘッドライトが標準装備されますが、オプションでマトリクスLEDヘッドライト「IQ.ライト」を選択することもできます。

 室内は軽量シートシステムと革新的なテーブルを備えました。最大7席のスペースを持ち、2列目/3列目は従来より最大25%軽量化され、必要に応じてスライドしたり取り外すことも可能です。また2列目シートは180度回転可能。さらに多機能テーブルは中央のレールで前後の座席間を移動させることができ、フロントシートのセンターコンソールとしても使うことができるようになりました。

 標準ボディでは3列目シートの後ろに469リッターの荷室を確保。3列目シートを取り外すと1844リッターまで拡張できます。また2列目シートまで取り外すと荷室容量は3672リッターとなります。ロングボディでは4053リッターです。

 コックピットはマルチステアリングホイールとともに完全に新設計となっています。インパネには10.25インチのデジタルコックピットディスプレイ、そして10インチのインフォテイメントタッチスクリーンと、最新のVWモデルと同様にデジタル化されています。さらにオンラインサービス「We Connect Plus」も3年間無料で利用可能です。

 最新のADAS(安全運転支援システム)も充実。シティエマージェンシーブレーキやレーンキープアシストなどを含むフロントアシストエリアモニタリングシステムや、半自動運転を可能にするIQ.ドライブトラベルアシストなど、34以上ものシステムを備えています。

VWハノーファー工場では2022年から「ID.バズ」も生産される

 まず最初に登場するのは、136馬力の「1.5TSI」と204馬力の「2.0TSI」のガソリンエンジンモデル。さらに2022年には150馬力のディーゼル「2.0TDI」が加わります。トランスミッションは7速DSG(DCT)が組み合わされ、前輪を駆動します。

 また150馬力の「1.5TSI」エンジンに85kWの電気モーターを組み合わせ、トータル出力218馬力を発生するPHEV「マルチバンeハイブリッド」も用意されます。電気のみで走行可能なEVモードも搭載されています。マルチバンeハイブリッドのみ、6速DSGが組み合わされます。

 ハノーファーのVW工場でPHEVのマルチバンが生産されるのは今回がはじめてのこと。従来型T6.1マルチバンの製造プロセスでは自動化は約77%ですが、新型T7マルチ版の自動化は93%を達成しているといいます。

 2022年には新型マルチバン(T7)、従来型マルチバン(T6.1)に加えEVの「ID.BUZZ(ID.バズ)」もここで生産されることになります。

 さらに2025年には、VWグループの他ブランド向けのプレミアムEVもハノーファー工場で生産される予定です。

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 新型マルチバンの価格は4万4839.20ユーロ(約565万円。19%のドイツ付加価値税込)からとなっています。ドイツでの発売は2021年11月です。

 今後、日本での展開はどうなのでしょうか。

 1990年代に「ヴァナゴン」という車名で第3世代(T3)と第4世代(T4)が正規輸入されていましたが、その後「T5」「T6」は登場しませんでした。日本ではミニバン人気が高いため、新型T7マルチバンの日本導入に期待したいところです。