一般道路と高速道路では、道路標識の背景色が青地と緑地に分かれています。しかし、標識に書かれるフォントも異なっているようですが、なぜフォントまで変える必要があるのでしょうか。

道路に設置される案内表示 一般道路と高速道路で実はフォントが違う?

 あらゆる道路に設置されている道路標識。そのなかでも、目的地や通過地までの距離や方向などを示している「案内標示」は、一般道路と高速道路で使用されているフォントが異なるといいます。
 
 それぞれ使用されているのはどのようなフォントで、その違いにはどんな意味があるのでしょうか。

 全国各地のあらゆる道路に設置されている道路標識には、「案内標示」「規制標示」「注意表示」「指示標示」の4種類があります。

 なかでも案内標示は、目的地や通過地までの距離や方向などを示しているものであり、高速道路、一般道路問わず運転時の進路の目安として活用できます。

 一般道路と高速道路の案内標識の違いは標識の背景色で瞬時に判断が可能です。
 
 一般道路は「青背景に白文字」、高速道路や自動車専用道路では「緑背景に白文字」となっています。

 標識の色については、標識令によって視認性の高さを考慮して決められているものとなっています。

 また、背景色以外にも一般道路と高速道路の案内標示では、用いられているフォントが異なっているといいますが、それぞれにどのようなものが使用されているのでしょうか。

 標識に使用されているフォントについて、国土交通省道路局の担当者は「一般道路は丸ゴシック、高速道路は角ゴシックが用いられています」と話します。

 一般道路と高速道路の標識をそれぞれ見比べてみると、一般道路では文字の角が丸みを帯びた丸ゴシック、高速道路では文字の角が角張った角ゴシックになっています。

 一瞬見ただけでは違いに気がつかないかもしれませんが、一般道路の標識内に緑枠で高速道路の名前が標示されている場合などは、比較的違いが認識しやすいといえます。

 では、このように一般道路と高速道路のフォントが違う理由とは一体なんなのでしょうか。
 
 前出の国土交通省担当者は、フォントの違いについて以下のように話します。

「高速道路は、一般道路よりも通行速度が高いことから、判読性が重要視されています。

 高速道路のフォントは、1963年の高速道路開通時に、当時、高速道路を管轄していた日本道路公団が判読性の観点から独自に開発したフォントが用いられました」

 このように、当時高速道路に使用されていたフォントは、1963年に日本初の高速道路として、名神高速道路の尼崎から栗東間が開通した頃に開発された専用のフォントとなっています。

 この高速道路専用のフォントは、当時日本国内の高速道路および有料道路を管轄していた日本道路公団の名前からとって、関係者の間で「公団ゴシック」とも呼ばれていました。

 また、2010年にはフォントが見直され、現在ではヒラギノ角ゴシックが使用されるようになっていますが、視認性の観点から角が角張った形は以前から変わらないようです。

実は身近なトコロでも標識は進化している!?

 一方で、一般道路の文字のフォントは明確には決まっておらず、標識の大きさや内容などを定める「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(以下、「標識令」)において文字の形だけが記載されています。

 そこで、標識令に記載されているフォントと似たものとして、丸ゴシックが用いられているようです。

 一般道路のフォントの決まりについて、前出の国土交通省担当者は、「フォントが具体的に決められているわけではないので、似ているものであれば一概に使用するフォントは問わないことになっています」と話します。

 このように一般道路では、具体的なフォントの規定はありませんが、一般道路では高速道路に比べ、基本的に速度域が低いうえに、信号などで停車することもあるため、文字の角に丸みがあっても判読性には問題がないようです。
 
 また、英語と日本語でも使われているフォントは異なっており、ひとつのフォントですべてを統一するというよりも、視認性や判読性が高いフォントを適切に用いることのほうが重要視されているといえます。

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 近年では、「とまれ」が漢字ひと文字でも意味を理解できるように「止まれ」になっていたり、子どもが読めるように「横断禁止」が「わたるな」になっていたりと、標識や標示の文字には変化が見られます。

 標識や標示のフォントや内容は多くの人に理解してもらいやすいように、変化を続けていくといえるかもしれません。